【誉れ高き血統】時代に即した「シンプル&軽量」。スズキ・アルトの爽やかで豊かなベーシック世界

スズキ・アルト・ハイブリッドX(FF)/価格:CVT  125万9500円。Xは直3DOHC12V(49ps/58Nm)+モーター(2.6ps/40Nm)のマイルドハイブリッド。WLTCモード燃費はKカートップの27.7km/リッター。快適な走りと低燃費を両立

スズキ・アルト・ハイブリッドX(FF)/価格:CVT  125万9500円。Xは直3DOHC12V(49ps/58Nm)+モーター(2.6ps/40Nm)のマイルドハイブリッド。WLTCモード燃費はKカートップの27.7km/リッター。快適な走りと低燃費を両立

時代の流れを映す鏡。アルトはそんな存在

 アルトは時を重ねて、現行モデルは9代目になります。個人的には2004年発表の6代目以降の変貌ぶりがスゴイなぁと感じています。6代目でデザインがガラリと変わり、一気に高級感が増しました。2009年にモデルチェンジした7代目では先進イメージを強調。時代に先駆け高効率を追求し、エコロジー&エコノミーのかたまりになったんですよね。さらに先代の8代目(2014年)では、エコは当然、快適に乗れて所有欲も満たす、みんなが満足できるベーシックカーに大きく進歩しました。2021年末に登場した最新の9代目も、そのコンセプトを引き継いでいます。

 生活に身近な存在だからこそ、時代の影響をストレートに受ける、時代の流れと共にあるのがベーシックKであり、時代の流れを作っていくという役目を背負っているのかもしれませんね。

アルト02

初代

 最新となる9代目アルトは、コロナ禍まっただ中での登場となりましたが、そんな状況だからこそ、いままでは自分のクルマは所有していなかったけれど、安心してクルマで移動したい、自分専用車を追加したいなんていう、マイカー初心者にも打ってつけのクルマに仕上がっています。

 アルト最大の魅力は、誰が乗ってもパッと乗れる、もうずっと前から自分の愛車だったのではないかと錯覚してしまうほどの扱いやすさだと感じています。ベーシックカーのお手本のような、パッと見てすべてがわかるシンプルさがアルトにはあります。

 ともすると、そういうクルマは、なんとなく安っぽさが目に付いてしまったりするのですが、最新のアルトは違います。先代は「とにかく軽くシンプルであることが、即座にわかるデザイン」だったのに対し、現行モデルはドアに膨らみを持たせたり、ホワイトルーフのツートーンカラーを用意したり、インテリアをデニム調でまとめたりと、ベーシックの底上げを行っています。ぐっと質感が高まったんです。やはり目から入ってくる印象ってとっても大事ですからね。

アルトリア

インパネ

 軽量ボディに搭載するパワートレーンは、エネチャージとマイルドハイブリッドモデルになったため、モーターがアシストしてくれる分、出足もスムーズ。ストップ&ゴーの多い街中が主舞台となるクルマだからこそ、機動力が一段と高まっています。

 さらにうれしいのは燃費のよさ。WLTCモードでクラストップの27.7km/リッターを誇ります。もちろん、最新の安全装備もすべて網羅されているので、安心感もバッチリです!

【ルーツ物語】衝撃のプライス! 47万円に込めた初代の情熱

初代02

 初代アルトは1979年5月、「街へ。さわやかアルト。47万円で新登場!」というキャッチコピーで登場した。アルトはKカーの革命児、女性をメインユーザーに据えた安価なセカンドカーとして開発された。低価格を実現するために、あえて税制面で有利な商用車という区分を選択。セカンドカーと割り切ったため、装備は極限まで絞り込んだ。ラジオはもちろん、助手席側のドアキーリンダーさえ省略。しかも、このシンプル主義をブランドの個性としていた点が新鮮だった。革命児の革命児たるゆえんだ。

スズキ・アルト 主要諸元

スタイル

グレード=ハイブリッドX(FF)
価格=CVT  125万9500円
全長×全幅×全高=3395×1475×1525mm
ホイールベース=2460mm
トレッド=フロント:1295/リア:1300mm
車重=710kg
エンジン=657cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=36kW(49ps)/6500rpm
最大トルク=58Nm(5.9kgm)/5000rpm
モーター最高出力=1.9kW(2.6ps)/1500rpm
モーター最大トルク=40Nm(4.1kgm)/100rpm
WLTCモード燃費=27.7km/リッター(燃料タンク容量27リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:24.0/29.2/28.6)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=155/65R14+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=4.4m

フォトギャラリー

SNSでフォローする