チーム三菱ラリーアートが新型トライトンを駆ってアジアクロスカントリーラリーの連覇に挑む!

三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」が市場デビューを果たしたばかりの新型トライトンをベースとするラリーカーでアジアクロスカントリーラリー2023に参戦。昨年に続き総合優勝を目指す

 三菱自動車は2023年7月26日、1トンピックアップトラックの新型トライトン(TRITON)をベースとするラリーカーを開発し、本年8月にタイ~ラオスで開催されるアジアクロスカントリーラリー(AXCR)2023に参戦して、昨年に続き総合優勝を目指すと発表した。

▲三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」が新型トライトンをベースとするラリーカーで本年8月にタイ~ラオスで開催されるアジアクロスカントリーラリー2023に参戦すると発表

▲三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」が新型トライトンをベースとするラリーカーで本年8月にタイ~ラオスで開催されるアジアクロスカントリーラリー2023に参戦すると発表

 

 新型トライトンのラリーカーは、タイ仕様のダブルキャブをベースとし、国際自動車連盟のグループT1規定(改造クロスカントリー車両)に沿った改造を実施。車体ではロールケージやアンダーガードなどのラリー装備を装着する一方で、カーボンファイバー製のフードや前後ドアパネル、荷箱を採用するとともに内装部品を大幅に軽量化した結果、従来のラリーカーよりも一回り大きくなったボディでありながら同等の車体重量を成し遂げる。外観は湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとした、レッドとブラックのカラーリングを採用した。

 また、ベース車でのトレッドの拡大に加え、ラリー専用の前後サスペンションやCUSCO製の前後LSDを装着し、軽快かつ安定したドライバーの意のままのハンドリング性能を実現。さらに、軽量アルミホイール(WORK製7J×17アルミホイール)に昨年仕様よりもナロータイプのオフロードタイヤ(ヨコハマGEOLANDAR M/T G003、235/80R17サイズ)を採用することで、マッドなど悪路での走破性を向上させる。一方、前後サスペンションにはCUSCO製減衰力調整式ツインダンパーを配備し、さらに油圧式のバンプストッパーを追加したことで、路面からの強烈な衝撃を吸収するなど、堅牢性の高いシャシーをさらに強化。制動機構にはENDLESS製4ポッドブレーキキャリパー+ベンチレーテッドディスク+パッドとFORTEC製ブレーキフルードを採用した。

▲新型トライトンのラリーカーはタイ仕様のダブルキャブをベースに、国際自動車連盟のグループT1規定(改造クロスカントリー車両)に沿った改造を実施する。外観には湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとした、レッドとブラックのカラーリングを採用。ボディサイズは全長5320×全幅1865mm/ホイールベース3130mm/トレッド前1570×後1565mmに設定

▲新型トライトンのラリーカーはタイ仕様のダブルキャブをベースに、国際自動車連盟のグループT1規定(改造クロスカントリー車両)に沿った改造を実施する。外観には湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとした、レッドとブラックのカラーリングを採用。ボディサイズは全長5320×全幅1865mm/ホイールベース3130mm/トレッド前1570×後1565mmに設定

▲車体ではロールケージやアンダーガードなどのラリー装備を装着する一方で、カーボンファイバー製のフードや前後ドアパネル、荷箱を採用するとともに内装部品を大幅に軽量化した結果、従来のラリーカーよりも一回り大きくなったボディでありながら同等の車体重量を達成する

▲車体ではロールケージやアンダーガードなどのラリー装備を装着する一方で、カーボンファイバー製のフードや前後ドアパネル、荷箱を採用するとともに内装部品を大幅に軽量化した結果、従来のラリーカーよりも一回り大きくなったボディでありながら同等の車体重量を達成する

 

 パワーユニットの新開発4N16型2442cc直列4気筒DOHC16Vコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン(150kW/470Nm)は、フリクションロスの低減と軽量化を中心としたチューニングを実施するとともに、新しいターボチャージャーを搭載したことによって全域で出力向上を実現。AXCRのスペシャルステージには川を渡る場面もあるため、各部のシーリングの強化やシュノーケル(吸気ダクト)の装着など、水回りの対策も施す。組み合わせるトランスミッションには強化した6速MTを配し、さらに駆動機構には専用セッティングのスーパーセレクト4WD-Ⅱを配備した。

▲新開発の4N16型2442cc直列4気筒DOHC16Vコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジンは、フリクションロスの低減と軽量化を中心としたチューニングを敢行

▲新開発の4N16型2442cc直列4気筒DOHC16Vコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジンは、フリクションロスの低減と軽量化を中心としたチューニングを敢行

▲ラリー専用の前後サスペンションやCUSCO製の前後LSDを装着し、軽快かつ安定したドライバーの意のままのハンドリング性能を実現

▲ラリー専用の前後サスペンションやCUSCO製の前後LSDを装着し、軽快かつ安定したドライバーの意のままのハンドリング性能を実現

 

 AXCR2023への参戦は、三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」によって行われる。総監督は1982年から三菱自動車のラリー活動に参画し、2002年と2003年にはラリーレイドの最高峰のダカール・ラリーにおいて日本人初の総合優勝2連覇を果たした増岡浩氏が担い、ドライバーは昨年の覇者であるチャヤポン・ヨーター選手(タイ)、昨年5位に入賞したリファット・サンガー選手(インドネシア)、そして1999年と2010年のFIAアジアパシフィックラリー選手権(APRC)王者の田口勝彦選手(日本)という3選手が務める。増岡総監督と開発部門のエンジニアは現地のラリークルーとともに、SUVの走破性とMPVの居住性を兼ね備えたオールラウンドミニバン「デリカD:5」のサポートカーでラリーの全行程に帯同し、競技区間での戦況分析や戦略立案からサービス拠点での技術支援までを行う。

▲総監督は増岡浩氏(写真・中央)が担い、ドライバーは昨年の覇者であるチャヤポン・ヨーター選手(写真・左より3人目)、昨年5位に入賞したリファット・サンガー選手(写真・左より2人目)、1999年と2010年のFIAアジアパシフィックラリー選手権(APRC)王者の田口勝彦選手(写真・左より1人目)が務める

▲総監督は増岡浩氏(写真・中央)が担い、ドライバーは昨年の覇者であるチャヤポン・ヨーター選手(写真・左より3人目)、昨年5位に入賞したリファット・サンガー選手(写真・左より2人目)、1999年と2010年のFIAアジアパシフィックラリー選手権(APRC)王者の田口勝彦選手(写真・左より1人目)が務める

 

 デリカの誕生55周年の話題喚起策として「チーム三菱ラリーアート」を支えるデリカD:5サポートカーは、計4台がAXCR2023に投入される。リブボーンフレームによる堅牢なボディや様々な天候や路面でも最適な操縦性と走破性を提供する電子制御4WDシステムなどデリカD:5が従来もつ特長を生かし、合わせてWORK社製のアルミホイールとYOKOHAMAのマッド性能に優れるオフロードタイヤを装着することで、フラットダートからマッドまでラリー全行程を走破できる仕様に仕立てた。また、競技車が走るコースサイドまで視察して戦略策定する増岡総監督が乗りこむ車両にはJAOS製の前後サスペンションを組み込み、悪路走破性をいっそうアップ。外観には新型トライトンのラリーカーと同様、湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングを施した。

▲チーム三菱ラリーアートを支えるデリカD:5サポートカーは、計4台がAXCR2023に投入される。外観には新型トライトンのラリーカーと同様、湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングを施す

▲チーム三菱ラリーアートを支えるデリカD:5サポートカーは、計4台がAXCR2023に投入される。外観には新型トライトンのラリーカーと同様、湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングを施す

▲増岡浩総監督が乗りこむ車両にはJAOS製の前後サスペンションを組み込んで、悪路走破性をより向上させる

▲増岡浩総監督が乗りこむ車両にはJAOS製の前後サスペンションを組み込んで、悪路走破性をより向上させる

 

 なお、増岡総監督は「全てが一新され、全方位で進化した新型トライトンでの参戦に、私自身、期待で胸が高鳴っています。ラリーカーは国内とタイで延べ2000kmを超える耐久試験を行い、特段のトラブルもなく、フラットダートの高速ステージからマッディな低速ステージまで、あらゆるステージで昨年以上のパフォーマンスを発揮できることを確認しました。それぞれが優勝を狙える3台体制であり、必ず表彰台の真ん中を勝ち取り、連覇を果たしたいと思います」とコメントしている。

▲デリカD:5のサポートカーはラリーの全行程に帯同し、新型トライトン・ラリーカーの競技区間での戦況分析や戦略立案からサービス拠点での技術支援までを行う

▲デリカD:5のサポートカーはラリーの全行程に帯同し、新型トライトン・ラリーカーの競技区間での戦況分析や戦略立案からサービス拠点での技術支援までを行う

 

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