さらなる進化を果たしたDS E-テンスのパフォーマンスモデルが「プロトタイプ」を名乗って登場

DSブランドの電動コンセプトGTカー「E-テンス」の進化バージョンとなる「E-テンス パフォーマンス プロトタイプ」が初公開。ツインモーターのシステム最高出力は600kW(815hp)を発揮

 グループPSAは2022年2月7日(現地時間)、DSブランドのハイパフォーマンスコンセプトカー「E-テンス(E-TENSE)」の進化バージョンとなる「E-テンス パフォーマンス プロトタイプ(E-TENSE PERFORMANCE prototype)」を発表した。

▲DS E-テンス パフォーマンス プロトタイプ 基本骨格には軽量かつ高剛性なカーボンファイバー製モノコックを採用する
▲DS E-テンス パフォーマンス プロトタイプ 基本骨格には軽量かつ高剛性なカーボンファイバー製モノコックを採用する

 2016年開催のジュネーブ・ショーでワールドプレミアを飾ったコンセプトカーのDS E-テンスは、流線形のスタイルを纏った2シータークーペのボディに、美しいステッチを施したなめし革やアルミニウム製のギョーシェ彫り(クル・ド・パリ文様)といった、豪華で洗練された独特のインテリアを内包。外装には“DS PERFORMANCE”エンブレムを配備する。パワートレインは前後にモーターを配する電動4輪駆動で構成し、最高出力は402hp、最大トルクは516Nmを発生。性能面では、最高速度が250km/h、0→96mph(約155km/h)加速が4.5秒と公表していた。
 E-テンスはその完成度の高さから市販化が期待されたものの、結局は実現せず。ただし、新時代のDSを象徴するフロントマスクのデザインや、ギョーシェ彫りの内装パーツ、そして「E-テンス」および「パフォーマンス」のネーミングは、後に市販化されるDS7やDS3、DS4といった電動化モデルに継承された。

▲2016年にワールドプレミアを飾ったコンセプトカーのDS E-テンス。今回発表されたE-テンス パフォーマンス プロトタイプはこのモデルの進化バージョンに当たる
▲2016年にワールドプレミアを飾ったコンセプトカーのDS E-テンス。今回発表されたE-テンス パフォーマンス プロトタイプはこのモデルの進化バージョンに当たる

 DSブランドの電動化モデルの先駆けとなることで、その役目を終えたかに見えたコンセプトカーのE-テンス。しかし、開発陣は電動ハイパフォーマンスカーの設定を諦めていなかったようだ。6年あまりを経た今回、進化バージョンの「E-テンス パフォーマンス プロトタイプ」を初披露したのである。

▲スピード線が入ったかのような新DSシグネチャーを配したフロントグリルを採用
▲スピード線が入ったかのような新DSシグネチャーを配したフロントグリルを採用

 エクステリアはフォーミュラEにて2年連続でダブルタイトルを獲得したDS TECHEETAH Formula E Teamチームからインスパイアされたレーシーなエアロシェイプを採用。基本骨格には軽量かつ高剛性なカーボンファイバー製モノコックを導入する。800個以上のLEDで構成した新しいデイタイムライトテクノロジー、スピード線が入ったかのような新DSシグネチャーを配したフロントグリル、抑揚が増したフェンダー造形、新しいエアロダイナミクスデザインの21インチアロイホイール、フロントのライティングと同意匠で仕立てたLEDリアコンビネーションランプ、空力性能を高めた新造形のスポイラー類やディフューザーなど、ディテールに徹底してこだわった点も、E-テンス パフォーマンス プロトタイプの特徴だ。

▲フォーミュラEにて2年連続でダブルタイトルを獲得したDS TECHEETAH Formula E Teamチームからインスパイアされたレーシーなエアロシェイプを導入
▲フォーミュラEにて2年連続でダブルタイトルを獲得したDS TECHEETAH Formula E Teamチームからインスパイアされたレーシーなエアロシェイプを導入
▲800個以上のLEDで構成した新しいデイタイムライトテクノロジーを採用
▲800個以上のLEDで構成した新しいデイタイムライトテクノロジーを採用
▲E-TENSEロゴを配したリアパネルやフロントのライティングと同意匠で仕立てたLEDコンビネーションランプが印象的
▲E-TENSEロゴを配したリアパネルやフロントのライティングと同意匠で仕立てたLEDコンビネーションランプが印象的
▲新しいエアロダイナミクスデザインの21インチアロイホイールを装着
▲新しいエアロダイナミクスデザインの21インチアロイホイールを装着

 パワーユニットの強化も図り、前後モーターのトータル最高出力は600kW/815hp(フロントモーター250kW+リアモーター350kW)、最大トルクはプレスリリースに間違いがなければなんと8000Nm!を発生。制御機構などに関しては、Formula Eで培った技術を最大限に活用するという。性能面では、0→60mph(約96km/h)加速を2.0秒でこなすそうだ。

▲前後に配したモーターのトータル最高出力は600kW/815hp(フロントモーター250kW+リアモーター350kW)を誇る
▲前後に配したモーターのトータル最高出力は600kW/815hp(フロントモーター250kW+リアモーター350kW)を誇る

 なお、DSはE-テンス パフォーマンス プロトタイプの市販化に向けて、さらなる革新的な技術を採用しながら、開発およびテストを進めていくと公表している。

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