BYDの電気自動車SUV「ATTO3」の日本における車両価格は440万円。発売は2023年1月31日

中国のEVメーカーのBYD Autoがe-SUV「ATTO3」の日本市場における車両価格を440万円に設定すると発表。販売は2023年1月31日より実施。販売拠点は2023年1月下旬以降、15都道府県で計22施設を順次オープン予定

 中国のBYD(比亜迪、本国での発音はビーヤーディ)グループの日本法人であるBYD Auto(ビーワイディー オート)ジャパンは2022年12月5日、e-SUV「ATTO3(アットスリー)」の日本市場における車両価格を440万円に設定し、2023年1月31日より販売を開始すると発表した。販売拠点は2023年1月下旬以降、15都道府県で計22施設を順次オープンさせる予定だ。

▲BYD ATTO3(アット3) 価格:440万円 全長4455×全幅1875×全高1615mm ホイールベース2720mm 車重1750kg 乗車定員5名 交流電力量消費率(WLTCモード)144Wh/km 一充電走行距離(WLTCモード)485km

▲BYD ATTO3(アット3) 価格:440万円 全長4455×全幅1875×全高1615mm ホイールベース2720mm 車重1750kg 乗車定員5名 交流電力量消費率(WLTCモード)144Wh/km 一充電走行距離(WLTCモード)485km

 

 BYDグループは1995年に中国広東省深圳市で創業し、ITエレクトロニクス、自動車、新エネルギー、都市モビリティの4つの領域で事業をグローバルに展開している。バッテリーメーカーとして創業した背景から、バッテリーはもとより、モーターやコントローラーなど電気自動車のコアとなる技術を自社で開発・製造。とくにBYD Autoが手がける自動車事業においては、世界70超の国と地域、400超の都市にNEV(New Energy Vehicle=新エネルギー自動車)を展開し、中国国内では9年連続でNEV販売台数第1位に輝く。また、2021年には中国で約60万4000台のNEVを販売。2022年に入っても好セールスは続き、トップシェアを誇るテスラを猛追する成績を残している。

 一方でBYDジャパンは2005年に神奈川県横浜市で設立され、ソーラーパネルや産業用の蓄電システムなどの環境エネルギー事業のほか、電気自動車事業などを日本市場で展開。電気自動車に関しては、これまで主にEVバスとEVフォークリフトを販売している。そして今回、新事業として乗用車市場への参入を果たし、最初のモデルとしてATTO3を発売することとなった。

▲パワーユニットは最高出力150kW/最大トルク310Nmを発生するモーターをフロントアクスルに配して前輪を駆動。駆動用バッテリーには容量58.56kWhのブレードバッテリーを組み合わせる

▲パワーユニットは最高出力150kW/最大トルク310Nmを発生するモーターをフロントアクスルに配して前輪を駆動。駆動用バッテリーには容量58.56kWhのブレードバッテリーを組み合わせる

 

 改めてATTO3の特徴を紹介していこう。

 ATTO3は、ちょうどいいサイズに最新のテクノロジーを満載した“ミドルサイズe-SUV”を標榜。2022年2月に中国で販売を開始して以降、シンガポールやオーストラリアなど中国国外でも好評を博している。基本骨格にはEV専用のプラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用し、パワーユニットは最高出力150kW/5000~8000rpm、最大トルク310Nm/0~4620rpmを発生するモーターをフロントアクスルに配して前輪を駆動。駆動用バッテリーには、バッテリー温度を一定に保つバッテリーマネジメントシステムなどを含む「8in1パワーシステムアッセンブリー」とヒートポンプシステムによってエネルギーの効率的な出力を可能とした、BYD独自開発で容量58.56kWhのリチウムイオン電池「ブレードバッテリー」を組み合わせ、航続距離はWLTCモードで485kmを実現する。フラットな床面によって、広い室内空間と440リットルの荷室容量を確保したこともトピックだ。

▲フロントに電動パワートレーンと全体を統合するサーマルマネジメント用統合モジュールを、床下に駆動用電池のブレードバッテリーを搭載

▲フロントに電動パワートレーンと全体を統合するサーマルマネジメント用統合モジュールを、床下に駆動用電池のブレードバッテリーを搭載

 

 エクステリアに関しては、LEDライトを始めとした先進的なディティールと、後方に伸びるボディサイドの力強いラインによって、SUVでありながらダイナミックかつスタイリッシュなデザインを創出する。なお、この複雑な曲面のデザインは、BYDのグループ会社である日本のTatebayashi Moldingが持つ高い金型技術によって成し得たものだ。ボディサイズは全長4455×全幅1875×全高1615mm、ホイールベース2720mmに設定。ボディカラーはサーフブルー、スカイホワイト、パルクールレッド、ボールダーグレー、フォレストグリーンの計5色をラインアップした。

▲ボディカラーはサーフブルー、スカイホワイト、パルクールレッド、ボールダーグレー、フォレストグリーンの計5色を設定

▲ボディカラーはサーフブルー、スカイホワイト、パルクールレッド、ボールダーグレー、フォレストグリーンの計5色を設定

 

 内包するインテリアは“フィットネスジム×音楽”をモチーフにデザインし、トレッドミルに着想を得たセンターアームレストやハンドグリップを想起させるドアハンドル、弦を弾くと音を奏でるような造形のドアトリムなど、ドライブがいっそう楽しくなるアレンジを随所に施す。基本的な物理スイッチをあえて残し、従来車から乗り換えても戸惑うことなく操作できるよう設計したことも特徴だ。また、高い着座位置と広い視界は車両感覚をつかみやすく、運転のしやすさを実現。日本仕様では右ハンドル化はもちろん、ウインカーレバーも右側に移設する。パノラマルーフを全車に標準装備して、乗員の開放感を高めたことも訴求点である。

▲“フィットネスジム×音楽”をモチーフにデザインしたインテリア。日本仕様では右ハンドル化はもちろん、ウインカーレバーも右側に移設する

▲“フィットネスジム×音楽”をモチーフにデザインしたインテリア。日本仕様では右ハンドル化はもちろん、ウインカーレバーも右側に移設する

▲トレッドミルに着想を得たセンターアームレストやハンドグリップを想起させるドアハンドルなどを採用

▲トレッドミルに着想を得たセンターアームレストやハンドグリップを想起させるドアハンドルなどを採用

 

 先進安全運転支援システムの拡充ぶりも見逃せない。同一車線内走行支援のナビゲーションパイロットや死角をサポートするブラインドスポットインフォメーション、予測緊急ブレーキシステム、交通標識認識システム、BYDアラウンドビューシステム、BYD E-CALL(緊急時通報)などを標準で装備する。また、機能面ではApple CarPlay/Android Autoに対応したコネクテッド機能や、BYDスマホアプリとの連携およびOTAリモートアップデートなどを採用。さらに、車両から電気を取り出すV2LとV2Hに対応した機構も組み込んでいる。

▲同一車線内走行支援のナビゲーションパイロットや死角をサポートするブラインドスポットインフォメーション、予測緊急ブレーキシステムなどのADASを標準装備

▲同一車線内走行支援のナビゲーションパイロットや死角をサポートするブラインドスポットインフォメーション、予測緊急ブレーキシステムなどのADASを標準装備

 

 なお、BYD AutoジャパンはATTO3に続いて“e-Compact”ハッチバックモデルの「DOLPHIN(ドルフィン)」を2023 年中頃に、“e-Sedan”を謳うハイエンドEVモデルの「SEAL(シール)」を2023 年下半期に、日本で販売すると予告している。

 

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