「ハイ、メルセデス!」便利なAIアシスタント

メルセデス・ベンツA180スタイル 試乗記

A-01.JPGメルセデス・ベンツA180スタイル 価格:7SMTC 369万円

対話型システムMBUXが新しい!

 メルセデス・ベンツAクラスがフルチェンジした。新型は4thモデル。旧型から基本コンセプトを継承し、内容を大きく発展させている。

 外観はモダンになり、精悍になった。ボディサイズは全長×全幅×全高4420×1800×1420mm。日本の道路環境でも扱いやすい。最小回転半径は5.0mと小回りがきく。

 新型の内装のインパクトは、外観の比ではない。斬新なデザインと強い個性は、メルセデスの上級モデルとほぼ同等である。とくに、メーターパネルとナビモニターを同一パネル内に組み込んだ先進のワイドスクリーンは、多くのユーザーに「ここまで来たのか」という驚きを与えるだろう。

 新型に標準装備された対話型インフォテインメントシステムのMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)は、多くのユーザーが注目しているに違いない。

 MBUXは音声認識機能を備えており、「ハイ、メルセデス!」と呼びかけると起動し、ナビの目的地、スマートフォンでの通話、音楽の選曲、エアコンの温度設定などを音声だけで対応してくれる。ボクも少し試してみたが、たとえばエアコンの温度調整などは難なくこなした。音声認識能力はかなり高い。まだ、守備範囲は広いとはいえないが、将来への期待は高まる。

A-02.JPG写真はAMGスタイリングパッケージと18インチタイヤなどをセットしたAMGライン(op255000円)装着車 新型のスタイリングはラインやエッジを極力減らしたCd0.25のエアロフォルム

エンジンはルノーと共同開発

 運転支援システムも注目ポイントのひとつだ。レーダーセーフティパッケージは245000円かかるが、ぜひ装着をお勧めする。安全性が増すうえに、日常の運転がかなり楽になる。レーダーセーフティパッケージを装着したA180の運転支援レベルは、Sクラスと同等になる点も報告しておこう。

 A180のエンジンは、1.33リッター直4ターボ。136ps20.4kgmの最高出力と最大トルクを発生する。トランスミッションは7DCTが組み合わされる。

 このエンジンは、ルノーと共同開発したユニットだが、高回転域の回転感や音質などは、多くのユーザーがメルセデス・ブランドに期待するレベルを満たしているとは思えない。効率を追求した新時代のエンジンと思えば、ある程度は仕方がないのかもしれないが、メルセデスのブランドがつけば、ユーザーの期待値は高くなる。

 発進は、普通の感覚でアクセルを踏んでも「ワッと出る」といった印象があった。やや唐突感を感じるレベルといってもいい。このあたりのチューニングにしても、ボクが抱く「メルセデスらしさ」とは少し異なっている。ただし実用域のパワーと静粛性はなかなかのレベル。ふだんの走りの満足度はかなり高い。

A-03.JPGインパネはメーターとセンターディスプレイが連続したツインモニター仕様 対話型インフォテイメントシステムMBUX標準 「ハイ メルセデス!」と呼びかけると起動 音声でさまざまな設定ができる

メルセデスらしい「大型新人」

 試乗車には16インチと18インチの2種のタイヤが組み込まれていた。見た目はAMGライン(オプション‌255000円)の 18インチが魅力的なのは当然。しかし、走り味と乗り味でのお勧めはベースモデル用16インチだ。18インチは乗り心地に少し粗さが感じられるし、ハンドリング面は微舵域、小舵角域で素直さと正確性に欠ける。それに対して16インチは、不快なショックを伝えてくるケースはほとんどないし、タイヤを含めたダンピング特性はいい。そしてハンドリング面も上々の仕上がりだった。

 18インチで少し気になったドラミングが、16インチの場合は気にならなかった。ただ、見た目の点でいえば絶対に18インチがお勧めなので、どちらを選ぶかはかなり悩む。

 新型Aクラスは、現状では少し気になる点もあるが、きっと修正されるだろう。メルセデスらしさあふれる「大物新人」である。

A-04.JPGシートは前後ともハイバック形状 前席は電動調整仕様 写真の本革はセットオプション(204000円)

A-05.JPG荷室容量は後席使用時370リッター 最大1210リッター 新型は開口部が旧型比200mmワイド

※次ページでスペックを紹介

メルセデス・ベンツA180スタイルの主要諸元と主要装備

A-06.JPG

グレード=180スタイル
価格=7SMTC 369万円
全長×全幅×全高=4420×1800×1420mm
ホイールベース=2730mm
トレッド=フロント1570×リア1555mm
車重=1360kg
エンジン=1331cc4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=100kW136ps)/5500rpm
最大トルク=200Nm20.4kgm)/14604000rpm
WLTCモード燃費=15.0㎞/リッター(燃料タンク容量43リッター)
(市街地/郊外/高速道路=10.115.618.5㎞/リッター)
サスペンション=フロント・ストラット/リア・マルチリンク
ブレーキ=フロント・ベンチレーテッドディスク/リア・ディスク
タイヤ&ホイール=20560R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5
最小回転半径=5.0m
●主な燃費改善対策:筒内直接噴射/可変バルブタイミング/アイドリングストップ/電動パワーステアリング
●主要装備:ESP(横滑り防止装置)/アダプティブブレーキ(ホールド&ヒルスタートアシスト)/アクティブブレーキアシスト/アテンションアシスト/アクティブボンネット/パーキングアシストリアビューカメラ/パークトロニック/アクティブパーキングアシスト/タイヤ空気圧警告システム/7エアバッグ/LEDハイパフォーマンスライト/前席イルミネーテッドステップカバー/本革巻きマルチファンクションステアリング/ダイレクトステアリング/クルーズコントロール/オートライト/レインセンサー/キーレスゴー/フットオープナー付き電動リアゲート/ダイナミックセレクト/ワイヤレスチャージング/オートAC10.25インチモニターMBUXシステム/10.25インチコクピットディスプレイ/イモビライザー
●装着メーカーオプション:レーダーセーフティパッケージ(アクティブディスタンスアシストディストロニック+アクティブブレーキアシスト・歩行者と飛び出し検知機能付き+ブラインドスポットアシスト+アクティブレーンキーピングアシスト+アクティブステアリングアシスト+プレセーフ)245000円/ナビゲーションパッケージ184000円/AMGライン(AMGスタイリングパッケージ+ロゴ入りブレーキキャリパー+ステンレス製スポーツペダル+本革巻きスポーツステアリング+レザーDINAMICAシート+DINAMICAインテリアトリム+18インチAMGツインスポークアルミ+マルチビームLEDヘッドライト+アダプティブハイビームアシストプラス)255000円/アドバンスドパッケージ(360度カメラシステム+ヘッドアップディスプレイ+アドバンスドサウンドシステム)204000円/AMGレザーエクスクルーシブパッケージ(本革シート+アンビエントライト+アルミニウムインテリアトリム)204000
●ボディカラー:ジュピターレッド
AMGライン装着車の全長は4440㎜、トレッドはフロント1560×リア1545㎜、車重は1400
※価格とスペックは20193月現在

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