【生粋のライトウェイト・スポーツ】「人馬一体」を真摯に追求した傑作FRオープン、マツダ・ロードスターは日本の誇りである!

マツダ・ロードスター990S 価格:6MT 289万3000円 試乗記

マツダ・ロードスター990S 990SはSグレードをベースにファインチューンした特別仕様 車名は990kgの車重に由来 BBS製16インチアルミ/ブレンボ製ブレーキ採用 足回り/パワーステアリング/スロットル制御も専用チューニング

マツダ・ロードスター990S 990SはSグレードをベースにファインチューンした特別仕様 車名は990kgの車重に由来 BBS製16インチアルミ/ブレンボ製ブレーキ採用 足回り/パワーステアリング/スロットル制御も専用チューニング

ロードスターはライトウェイト・スポーツの世界代表である!

 ロードスターというスポーツカーは、稀有で素晴らしい存在だ。基本に忠実な作りのスポーツカーを稀有な存在だといわざるを得ないのだから、高性能で高機能なクルマはたくさんあっても、ライトウェイトのリアルスポーツが生まれにくい世の中になってしまったということか。とにかく日本にロードスターがあってよかった。

 それを再認識したのが、話題の990S登場に伴う改良モデルのメディア試乗会だった。第4世代となった現行型、いわゆるNDロードスターもデビューからはや7年が経つ。フルモデルチェンジの噂も出るほどの、いってみればモデルライフ末期の改良だ。通常なら試乗会など開催されないし、たとえ実施されたところで参加する側としては気合の入り方が薄めになったとしても仕方がない。

 ところがロードスターは別格。久々にリフレッシュされたと聞いて、まるで新しいスポーツカーに乗るようなウキウキとした気分で出かけた。しかも、乗ったら乗ったで与えられた時間枠いっぱいを使ってドライビングを楽しみ、さらに爽快な気分で帰途についたのだ。そんなふうに思える国産車など、いまやロードスターくらいのものだ。

最新型は「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」を導入 走りの楽しさと安定性が一段と向上 ロードスターは累計生産台数110万台を突破 ギネス記録を更新中

最新型は「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」を導入 走りの楽しさと安定性が一段と向上 ロードスターは累計生産台数110万台を突破 ギネス記録を更新中

1496cc直4DOHC16V 132ps/7000rpm 152Nm/4500rpm 吹き上がりはスムーズ レスポンスに優れ気持ちがいい パワーは適度

1496cc直4DOHC16V 132ps/7000rpm 152Nm/4500rpm 吹き上がりはスムーズ レスポンスに優れ気持ちがいい パワーは適度

レイズ製アルミとブレンボ製ブレーキでバネ下重量を合計3.2kg軽減 フットワークは素晴らしい

レイズ製アルミとブレンボ製ブレーキでバネ下重量を合計3.2kg軽減 フットワークは素晴らしい

トップは手動開閉式 室内からワンタッチで操作できる設計 990Sはブルートップ仕様

トップは手動開閉式 室内からワンタッチで操作できる設計 990Sはブルートップ仕様

操ることがこれほど楽しいクルマはない。まさに傑作!

 ND型の魅力はアフォーダブルでありながら、カッコいいスポーツカーとして普遍的なフォルムを持ち、幅広い技量のドライバーを受け入れる懐の深い性能を実現している点にある。ドライバーと4輪の位置関係が絶妙で、ミッドシップほどシビアではなく、かといって普通のクーペほどダルじゃない。まさにオン・ザ・ロードのダンスパートナー。
「人馬一体」という言葉は、人と機械とが融合するのではなく、あくまでも相対的に存在し、共同作業を気持ちよく成し遂げる操作フィールのことを表す。ロードスターにはそれがある。

 それゆえロードスターに乗っていると、いつでもどこでも運転が楽しい。ガレージを出て、最初にステアリングホイールを切った瞬間から心が浮き立ち、交差点で止まるたびに愛おしさが増していく。

 スカイアクティブ1.5リッターエンジン(132ps/152Nm)はリアルスポーツカーにとって無闇にパワーやシリンダー数を誇る必要がないことを再認識させてくれるし、車両重量1トン前後のパッケージは「軽さ」が正義であることを大いに思い出させてくれる。新たに得たKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)という技術は、その走りにまたちょっと違った爽快感と安心感を加えた。マツダの今後のFR系モデルにも大いに活用されるアイデアだ。  日本が誇るライトウェイトのロードスターは、いまやスポーツカーの核心的存在となった。
(マツダ・ロードスター990S 価格:6MT 289万3000円)

室内は適度にタイト ドライビングポジションを决めるとボンネットの稜線が見える ステアリングはチルト&テレスコピック調節付き 990Sはセンターディスプレイ未設定

室内は適度にタイト ドライビングポジションを决めるとボンネットの稜線が見える ステアリングはチルト&テレスコピック調節付き 990Sはセンターディスプレイ未設定

シートはサポート性優秀 990Sはファブリック仕様 乗り心地はしなやかな味わい

シートはサポート性優秀 990Sはファブリック仕様 乗り心地はしなやかな味わい

メーターはシンプルな3眼式 回転計内にシフトインジケータ内蔵 レッドゾーンは7000rpm

メーターはシンプルな3眼式 回転計内にシフトインジケータ内蔵 レッドゾーンは7000rpm

6速MTは小気味いいシフトフィール スナップで操作できる

6速MTは小気味いいシフトフィール スナップで操作できる

ロードスターRF・VS 価格:6MT 375万7600円/6SAT 378万5100円 RFは電動リトラクタブルHTモデル 2リッターユニット(184ps)搭載

ロードスターRF・VS 価格:6MT 375万7600円/6SAT 378万5100円 RFは電動リトラクタブルHTモデル 2リッターユニット(184ps)搭載

マツダ・ロードスター 主要諸元
真横
グレード=990S
価格=6MT 289万3000円
全長×全幅×全高=3915×1735×1235mm
ホイールベース=2310mm
トレッド=フロント:1495×リア:1505mm
車重=990kg
エンジン=1496cc直4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=97kW(132ps)/7000rpm
最大トルク=152Nm(15.5kgm)/4500rpm
WLTCモード=16.8km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(市街地/郊外/高速道路:12.0/17.7/19.5km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=195/50R16+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2名
最小回転半径=4.7m
パワーウェイトレシオ=7.50kg/ps
※価格はすべて消費税込み

走り

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