SUPER GT 第6戦 AUTOPOLIS 急変する天候に翻弄されたレースで、ヘイキ・コバライネン/中山 雄一組LEXUS LC500が今季初優勝! GT300クラスでは吉本/宮田組LEXUS RC F GT3が逆転初勝利

 9月7日から8日(日)にかけて九州・オートポリスで行われたSUPER GT第6戦にて、GT500クラスは39号車DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山 雄一組)が今季初勝利。またGT300クラスは60号車SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本 大樹/宮田 莉朋組)が初勝利を飾った。

01_SUPERGTJGTC_2019_Rd.6_150.jpg▲GT500クラス優勝を遂げたDENSO KOBELCO SARD LC500 39号車(ヘイキ・コバライネン選手/中山 雄一選手組)

 全8戦で競われている2019年シーズンのSUPER GTも今大会を含め残り3戦となり終盤戦を迎えた。8日の決勝日は朝から台風一過の好天に恵まれ、気温27度、路面温度33度のコンディションで午後2時半、大分県警の白バイとパトカーによる交通安全啓発パレードラップ、フォーメーションラップを経て65周で競われる決勝レースのスタートが切られた。

06_SUPERGTJGTC_2019_Rd.6_178.jpg▲GT500クラス スタート直後のシーン

 まずはKEIHIN NSXがトップ、その後ろにARTA NSX、リアライズGTRが続き、その後ろにレクサス同士の争いとなる。レース開始早々、3周目に1号車RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴が、16号車MOTUL MUGEN NSX-GTと接触しダメージを負いセクター3でクラッシュ、セーフティカーが導入される波乱の幕開けとなった。再スタート後、4位の36号車中嶋、5位の39号車コバライネンが前車を猛追。15、16周目にライバルをパスし、3位、4位へポジションを上げていく。

 その頃から、コースの一部で軽い雨が降り始め、20周を過ぎる頃には、他の部分では乾いているものの、1コーナーでは水煙が上がるような難コンディションとなる。そんな中で素晴らしいテクニックを見せた7番手を走る38号車の立川祐路が37号車のキャシディをかわし、スリックタイヤながら順位を上げていった。

09_SUPERGTJGTC_2019_Rd.6_261.jpg▲ZENT CERUMO LC500 38号車(立川祐路選手/石浦宏明選手)

 レースが折り返しに近づく29周目、上位勢では先陣を切って37号車キャシディがピットイン。平川へとドライバー交代しドライタイヤを装着してコースへと復帰する。この時点ではまだスリックタイヤのが以前有利かと思われたが、まもなく雨脚はさらに強まり、滑りやすい路面を喚起するオイルフラッグが振られる事態に。34周目にコース上にストップした車両があり、セーフティカーが出る可能性を考慮し、多くの車両が一斉にピットイン。狭いピットエリアは大混乱となった。

 まもなくセーフティカーが導入され、セーフティカーランで隊列を整えている間に雨は土砂降りとなり、コースは全域でヘビーウェットに。先のピットで、レインタイヤへ交換していた39号車、38号車、19号車が4、5、6位で再スタートが切られると、ピットインしていなかった上位の2台がピットへ向かい、もう1台もコースオフ。これで39号車の中山 雄一を先頭に、LEXUS LC500のトップ3体制となった。

08_SUPERGTJGTC_2019_Rd.6_229.jpg▲追い上げて3位表彰台を獲得したKeePer TOM'S LC500 37号車(平川亮選手/ニック・キャシディ選手)

 その後、スリックで走り続けていた車両などのスピンが続出し、この日3度目となるセーフティカーが導入。50周目に再スタートが切られるとトップの39号車がダッシュを決める後方で、2位の38号車は前にいた周回遅れを抜くことが出来ずにギャップが大きく開き、再スタート後僅か1周で首位の39号車は2位以下に11秒もの大差をつけていた。

レース終盤は、路面が乾いていくコンディションの中、首位を逃げる39号車に、ライバルがじりじりと迫る展開に。しかし、中山 雄一は落ち着いてタイヤをマネージメントし、後続との差をコントロール。3.7秒差で逃げ切り、39号車に今季初勝利をもたらした。中山 雄一にとってはGT500クラスでの初勝利。39号車の2名はドライバーズランキングでも3位に浮上した。

02_SUPERGTJGTC_2019_Rd.6_335.jpg▲今季初勝利を挙げたDENSO KOBELCO SARD LC500 39号車の中山 雄一選手とヘイキ・コバライネン選手(中央)、2位はKEIHIN NSX-GTの塚越 広大選手とベルトラン・バゲット選手組(左)、3位はファイナルラップに3台をごぼう抜きにする速さを見せたKeePer TOM'S LC500 37号車の平川亮選手とニック・キャシディ選手(右)

■DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車 ドライバー ヘイキ・コバライネン コメント
勝つことが出来てとても嬉しいです。今年はこれまでなかなか表彰台に上れず厳しいシーズンでしたが、そんな中でもハードワークで支えてくれたチームに報いることが出来ました。今週末は最初からとても好調で、昨日の予選もとても速かったです。ただ、今日の天気は大変でした。雨が落ちてきてからは絶対にミスを犯さないよう、慎重すぎるくらいに慎重に走りましたが、ドライの間はとてもバランスが良く、自分のスティントを楽しむことが出来ました。後半は中山選手が素晴らしい仕事をしてくれました。途中でライバルが追い上げてきて心配でしたが、無線で気をつけろと連絡したら、全く問題ない、コントロールしているので安心してと答え、その通りに走ってくれました。チームにとっても、とてもハッピーな結果です。これでランキングでも3位に上がりましたし、SUPER GTは何が起こるか分からないので、タイトルを目指し、最後まで絶対に諦めず戦い続けます。

■DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車 ドライバー 中山 雄一 コメント
今シーズン他のLEXUS車両がすごく調子がいい中で、我々は思うような結果が得られず難しいシーズンを送ってきましたが、ヘイキやチームとしっかり話し合って、思い切った変更をしたのも功を奏し、2戦ぶりにQ2進出も果たせました。僕が乗るときはピットが大渋滞で接触があったりもしましたが、これ以上無いタイミングでのピットでしたし、混乱の中でも素晴らしい作業で、ライバルの前でメカニックがコースに戻してくれました。今日の結果はチームのおかげです。セーフティカー明けでは、リスタートがすごく上手く行ったので、後続が近づいてくるまではタイヤを温存し、マージンをコントロールしました。これまでGT300クラスで同じメーカーのタイヤで長く戦ってきたことが役に立ったと思います。タイヤも車も信頼して最後まで攻め切れましたし、タイヤマネージメントも上手く出来たので今日の結果には満足しています。GT500クラスの初年度で勝てて嬉しいですし、今回の優勝でタイトル争いにも加わることが出来たので、チャンピオンを目指して頑張りたいです。

13_SUPERGTJGTC_2019_Rd.6_231.jpg▲GT300クラスは、60号車 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 吉本選手/宮田選手組が逆転初勝利

 GT300クラスでは、2番手スタートから序盤にトップに立った脇阪薫一/吉田広樹(埼玉トヨペットGB マークX MC/BS)は、早めのピットインを行なったがその後に雨が降り始めて順位を落とした。逆に12番手からスタートを切った60号車SYNTIUM LMcorsa RC F GT3が、宮田莉朋という若きドライバーの好走によって徐々にポジションアップしていく。

 中盤、降雨でコンディションが悪化するものの、60号車は宮田がぎりぎりまで走り続け、40周を終えたところでピットインし吉本大樹に交代。まだまだ濡れている路面ながらスリックタイヤへと交換して10位でコースへ復帰した。

 その直後、3度目のセーフティカーが導入され、再スタート後、吉本は徐々に乾いていく路面の中でペースアップ。終盤はライバルに対し1周あたり5、6秒以上も速いタイムで猛追を見せ、60周目についに首位へと浮上。2015年からLEXUS RC F GT3でGT300クラスに参戦してきたチームにとって初の勝利をもたらした。

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