オーストラリアで人気のモデル。調べてみたら「日本車」が多かった

オーストラリア大陸を駆け抜けるタフなSUV&トラックたち

いすゞUTE・D-MAX(写真はホームページから)

 オーストラリアと聞いて、どんなイメージやキーワードが思い浮かぶだろうか。モータースポーツ好きなら、メルボルンで開始されるF1GP、動物好きならカンガルーやコアラ、キウイなど。では、クルマは?

 オーストラリアは2017年にトヨタが生産工場を閉鎖し、自国内での自動車生産は終了した。最盛期はホールデン(GM)、フォード、トヨタ、三菱がオーストラリアで生産していたが、人口約2300万人とマーケットは小さく、自動車普及率は1.3人に1台ち、米国(1.2人に1台9という成熟市場である(日本は1.6人に1台、いずれも2019年データ)。

 さて、2022年にオーストラリア国内では108万1429台の新車販売があった(オーストラリア連邦自動車会議所調べ)。メーカー/ブランド別のトップ10は以下のようになる。

1)トヨタ:23万1050台
2)マツダ:9万5718台
3)キア:7万8330台
4)三菱:7万6991台
5)ヒョンデ:7万3345台
6)フォード:6万6628台
7)MG:4万9582台
8)SUBARU:3万6036台
9)いすゞUTE:3万5323台
10)VW:3万946台

 トヨタが約21.4%のシェアを占め、マツダ約8.6%が続く。

 さすが、英連邦の一員だけあって、英国MGがトップ10には入っている。販売しているモデルはHSシリーズ(PHEVとガソリン)、ZSシリーズ(ガソリン、BEV)などのSUVとMG3という5ドアHBである。

MZ・ZSシリーズ(写真はBEV)

 見慣れないメーカーがいすゞUTEだろう。これは日本のいすゞがオーストラリアで展開する現地法人で、D-MAXというピックアップトラックと、MU-XというSUVを販売している。なお、UTE(ユート)は、オーストラリアで小型ピックアップを意味する。

いすゞMU-X(いすゞのホームページから)

 車名別販売ランキングトップ10は次のとおり。

1)トヨタ・ハイラックス:6万4391台
2)フォード・レンジャー:4万7479台
3)トヨタRAV4:3万4845台
4)三菱トリトン:2万7436台
5)マツダCX-5:2万7062台
6)トヨタ・カローラ:2万5284台
7)トヨタ・ランドクルーザー:2万4542台
8)いすゞUTE・D-MAX:2万4336台
9)MG-ZS:2万2466台
10)ヒョンデi30:2万1166台

三菱トリトン(写真はホームページから)

 オーストラリアもSUVとピックアップトラックがずらりと上位を占める。カローラ(ハッチバックとセダン)、i30(ハッチバック)以外、すべてが該当する。注目はランドクルーザーが2万台販売されていること。

ヒョンデi30

「ランドクルーザーは日本以外での販売が多いので、日本市場への割り当て台数が少ない。だから納車まで時間がかかる」という説明を何度も聞いたが、こうした販売実績を見ると、先の説明が納得できる。

 オーストラリアのパワートレーン別の販売実績は、どうなっているのか。車名別販売台数ランキングからも想像がつくかもしれないが……。

1)ガソリン:53.3%
2)ディーゼル:35.0%
3)ハイブリッド:7.9%
4)BEV:3.2%
5)PHEV:0.6%

 ダウンアンダーの新車マーケットは、内燃機関が圧倒的な強さを維持していた。

 

SNSでフォローする