KCCS、北海道石狩市の公道において無人自動配送ロボットによるロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を開始

 京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、無人自動配送ロボットによる工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を北海道石狩市石狩湾新港地域の公道(車道)において8月16日から開始した。

▲進行方向に進む無人自動配送ロボット
▲進行方向に進む無人自動配送ロボット

 新型コロナウイルス感染症の影響により、ラストワンマイル物流における「遠隔・非接触」での物流ニーズの増加や、配送における人手不足がより一層加速すると予測されている。そこでKCCSグループでは、ICT技術と情報通信基盤整備や再エネ設備導入などを通じて蓄積したインフラ構築ノウハウを融合し、地域における物流課題の解決に向けたモビリティサービスの開発に取り組んでいる。

本実証は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」で採択された、北海道石狩市における「工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実現」の取り組みとして実施するものだ。

今回の実証実験では、地域内の事業者でシェアリングする無人自動配送ロボットが、小売店商品や企業間輸送貨物などを配送する。これまで国内で実施されている自動配送ロボットの公道走行実証では、主に小型・低速のロボット(※1)による歩道での走行が主流だった。本実証では、広域にわたる工業団地での共同利用・効率的な配送を想定し、従来よりも大型・高速なロボット(※2)に複数サイズのロッカー20個を搭載し、車道を走行する。無人の自動配送ロボットが車道を自動走行する試験は国内初(※3)の取り組みとなる。

※1 歩道走行が可能な電動車いすに準じた大きさ、速さのロボット
※2 ミニカー(長さ2.5m以下×幅1.3m以下×高さ2.0m以下)に準じた大きさ、最高速度15km/hのロボット
※3 KCCS調べ

▲左側面にロッカー5個、右側面にロッカー15個を備える
▲左側面にロッカー5個、右側面にロッカー15個を備える
▲ロッカー開閉の様子
▲ロッカー開閉の様子

■実証実験について
期間:2021年8月16日~9月中旬
概要:1台の無人自動配送ロボットが、地域内の小売店商品や企業間輸送貨物を集荷、効率的なルートを選択・走行し、配送。ロボットへの荷物の預け入れ、荷物の受け取り、ロッカーの開閉などはスマートフォンで管理。

走行予定エリア:
・北海道石狩市石狩湾新港地域(石狩市新港西1丁目と3丁目の一部)の一般車が走行する車道を走行
・走行エリアの外周は3km、走行ルートの総長は5km
・地図中の数字は配送先
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成

ロボットは無人での自動走行となりますが、石狩湾新港地域内の事務所から走行状態を常時監視し、自動回避が困難な状況では遠隔操作に切り替えて走行します。
本実証実験は、共同研究契約に基づいた損害保険ジャパン株式会社のリスクアセスメント(※4)を実施した上で行っています。

※4 無人自動配送ロボットの安全な走行と運用を支援するため、実証実験の計画段階で危険なシナリオを洗い出し、それらの危険度を評価して適切な対策を講じること

▲1台の無人自動配送ロボットが、地域内の小売店商品や企業間輸送貨物を集荷、効率的なルートを選択・走行し、配送する。ロボットへの荷物の預け入れ、荷物の受け取り、ロッカーの開閉などはスマートフォンで管理する
▲1台の無人自動配送ロボットが、地域内の小売店商品や企業間輸送貨物を集荷、効率的なルートを選択・走行し、配送する。ロボットへの荷物の預け入れ、荷物の受け取り、ロッカーの開閉などはスマートフォンで管理する
▲走行予定エリアについて
▲走行予定エリアについて

■無人自動配送ロボットによる公道(車道)実証のための許可について
北海道運輸局から車両の自動走行や近接・遠隔監視での運転操作が可能となるように保安基準緩和認定を受け、北海道警察から自動走行ロボットの公道(車道)実証実験に関する道路使用許可を取得し、石狩市の協力を得て実施。

■実証実験協力
・早稲田大学 大学院 環境・エネルギー研究科 小野田 弘士 教授
・石狩市
・株式会社セコマ
・ヤマト運輸株式会社
・株式会社エンパイア―
・北海道日野自動車株式会社
・石狩湾新港企業団地連絡協議会 事務局 石狩開発株式会社
・石狩新港運送事業協同組合
・協同組合石狩新港卸センター

■無人自動配送ロボット走行試験の様子(動画)
https://www.kccs.co.jp/news/release/2021/0817/#anc-01

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