ジェイテクト、ONI BEARINGの技術を車いす陸上競技用軸受に活用。車いす陸上・鈴木朋樹選手に提供へ

 ジェイテクトは、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受「ONI BEARINGⓇ」の低トルク技術を応用した車いす陸上競技用軸受を新開発し、車いすトラックと車いすマラソンの二刀流で活躍する鈴木朋樹選手(所属:トヨタ自動車)に提供すると発表した。

陸上競技用車いす

▲陸上競技用車いす

 車いすマラソンは平均時速が31.7kmと原付バイクに相当するスピードであり、下りコースに至っては時速80㎞にも到達する高速でのレース展開が見どころだ。

 そして、車いすマラソンにおいては選手の力とともに、その力を最大限に引き出す車いすレーサーの性能も競技の勝敗を左右すると言われている。

 ジェイテクトが2022年8月に発売したロードバイク用高性能セラミックボール軸受「ONI BEARINGⓇ」で培った他社を凌駕する圧倒的な低トルク性能を活かして、車いすレーサーに適応する軸受を新たに開発した。

 今回、鈴木選手の声を開発に活かして、車いすマラソンでの勝利に貢献する軸受技術のソリューションを提供。ジェイテクトが新開発した軸受が鈴木選手の力強い走りに貢献する。

車いすレーサーへの軸受搭載箇所

▲車いすレーサーへの軸受搭載箇所

 車いす陸上競技用軸受の特長として、軸受周りの周辺構造を見直し、高速レースへの耐久性を向上。軸受レイアウト及び仕様の最適化により最軽量を狙った構成で、車いすレーサーの性能向上に貢献。ONI BEARINGⓇの技術により従来品比で30%以上の転がり抵抗損失の低減などが挙げられる。

■鈴木 朋樹選手 コメント
「ONI BEARINGⓇめちゃくちゃいいです!触った瞬間に他の軸受との違いを感じました。スタートもそうですが、特に下り坂での違いが大きいです。他の選手と比べてもスピードが落ちないですね。下り坂で漕ぐ回数を減らせるので、後半に体力を温存できることが嬉しいです。当初、後輪のみONI BEARINGⓇを搭載して頂いたところ、後輪の性能が良くなった分、前輪との差が気になるようになってしまいました。そこで、前輪にもONI BEARINGⓇの搭載をお願いしました。」

ジェイテクトのスポーツ支援について

▲ジェイテクトのスポーツ支援について

 ジェイテクトは企業活動を通じて社会課題を解決するため「ジェイテクトの基本理念」に基づき、「ジェイテクトグループ社会貢献活動方針」を定めている。その社会貢献活動の一環として、地域社会への貢献や競技振興を目的に、企業スポーツ活動や個人アスリート支援を続けている。

 大同生命 SV.LEAGUEに参入するジェイテクトSTINGS愛知には日本代表の関田 誠大選手・村山 豪選手・高橋 和幸選手が、そして2024年2月に国内最高峰のバドミントンリーグS/Jリーグで優勝したジェイテクトStingersには日本A代表の西本 拳太選手および日本B代表の小川 翔悟選手が所属。

 また、女子レスリング部には志土地 真優選手(東京2020オリンピック女子53kg級金メダリスト)と愛知県刈谷市出身の松雪 泰葉選手が所属するなど、世界トップレベルの選手の活躍を支えている。

 さらに、日本リーグ男子を戦うソフトボール部のほか、近年は女子プロゴルファーの青木 瀬令奈選手・清本 美波選手・成田 美寿々選手やアマチュアの菊田 ひな選手の支援をしている。

■鈴木 朋樹選手 プロフィール
1994年6月14日生まれ。千葉県館山市出身。
生後8ヶ月のときの交通事故により脊髄を損傷。4歳のときに両親のすすめで車いす陸上に出会う。

■鈴木 朋樹選手 過去の戦歴
2015年:
・世界パラ陸上競技選手権大会出場
・東京マラソン(車いすの部) 2位
2016年:
・日本パラ陸上選手権1500m 2位
・ジャパンパラ陸上競技大会800m 優勝
・関東選手権800m 優勝
・大分国際車いすマラソンT34/53/54クラス 2位
2017年:
・東京マラソン2017 3位
・世界パラ陸上競技選手権大会 800m 5位(日本人唯一)、1500m 7位入賞(日本人唯一)
2019年:
・ロンドンマラソン(兼世界選手権) 3位
2020年:
・東京マラソン 優勝(大会新記録)
2021年:
・東京2020オリンピック 4×100mユニバーサルリレー 銅メダル
・大分国際車いすマラソン 2位(日本人1位:日本記録樹立)
2024年:
・パリ2024オリンピック 出場内定

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