ZEVに対する購入補助金の設定は、日本以外でも実施されている。ここではドイツとフランスの例を紹介しよう。
ドイツの場合、補助金の適応対象になるのはBEV、PHEV、レンジエクステンダー(REEV=PHEVの一種で、エンジンを発電専用に使うタイプ)である。エンジンを搭載しているモデルのCO2排出量は走行1km当たり60グラムを超えないことが条件で、電動車としての航続距離が少なくとも80㎞は確保されていなければならない。購入でもリースでも補助金の対象になるが、最低でも36カ月は継続して利用する必要がある。
助成金額は家族構成と世帯の年間所得によって異なる。最大の助成金が受け取れるのは、世帯年収が4万5000ユーロ未満で18歳以下の子供が2人以上いる家庭がBEVを購入するケース。そのキングは6000ユーロになる。1ユーロ185円で計算すると約111万円である。この家庭がPHEVを購入すると、4500ユーロ(約83万円)が受け取れる。
同じ世帯年収でも18歳以下の子供が1人の場合はBEV購入で5500ユーロに補助金が減少し、子供がいないと5000ユーロになる。PHEVを購入する場合は、それぞれ4000ユーロと3500ユーロになる。
世帯年収が8万ユーロ以上あり、18歳以下の子供がいない場合は助成金の対象外である。
ドイツの補助金は総額として30億ユーロが確保されており、80万台の購入をサポートする想定だ。なお、ドイツが設定する補助金は、対象となる車両の生産地は問わない。
フランスの場合は2025年11月にエコロジカルボーナスとして政府が設定したもので、車両重量が2400㎏未満のBEVで、オプションを除く購入価格が4万7000ユーロ未満の車両を購入する場合に適応される。世帯の収入によって3500ユーロ、4700ユーロ、5700ユーロがエコロジカルボーナスとして提供される。
フランスの助成金は欧州域内で製造されたバッテリーを搭載した車両に対してはオーバーボーナスとして1200〜2000ユーロの上積みがある点がドイツの制度とは異なる。
温室効果ガスの抑制を図るために、大気に対する負荷が小さいクルマの普及を図るための助成金という点でドイツもフランスも一致している。2025年のドイツの新車販売において、BEVは約54万台に達した。フランスは約32万台だった。
