ポルシェが改良型の911カレラ4Sと911カレラ4Sカブリオレ、そしてGTSに続くタルガボディの911タルガ4Sを発表し、日本における予約受注を開始。パワートレインにはターボを2基組み込む専用セッティングの3リットル水平対向6気筒エンジンを搭載して4輪を駆動。内外装や機能装備のアップグレードも実施
ポルシェ ジャパンは2025年7月2日、改良型911(992.2)の911カレラ4Sと911カレラ4Sカブリオレ、そしてGTSに続くタルガボディの911タルガ4Sを発表し、同日より日本における予約受注を開始した。
▲ポルシェ911カレラ4S 価格:2352万円 全長4542×全幅1852×全高1303mm ホイールベース2450mm 車重(DIN)1585㎏ 最高速度308km/h 0→100km/h加速3.5秒(スポーツクロノパッケージ仕様車3.3秒)
車両価格は以下の通り。
911カレラ4S:2352万円
911カレラ4S カブリオレ:2606万円
911タルガ4S:2633万円
▲ポルシェ911カレラ4Sカブリオレ 価格:2606万円 全長4542×全幅1852×全高1302mm ホイールベース2450mm 車重(DIN)1670㎏ 最高速度308km/h 0→100km/h加速3.7秒(スポーツクロノパッケージ仕様車3.5秒)
改良型の911(992.2)は、2024年5月に911カレラ/911カレラ カブリオレ/911カレラGTS/911カレラGTSカブリオレ/911カレラ4 GTS/911カレラ4 GTSカブリオレ/911タルガ4 GTSが、同年10月に911カレラT/911カレラTカブリオレが、同年12月に911 GT3/911 GT3ツーリングパッケージが、2025年1月に911カレラS/911カレラSカブリオレが日本デビューを果たしている。そして今回、カレラ4S/カレラ4Sカブリオレ/タルガ4Sが改良を受け、992.2型のラインアップに加わることとなった。
▲ポルシェ911タルガ4S 価格:2633万円 全長4542×全幅1852×全高1302mm ホイールベース2450mm 車重(DIN)1695㎏ 最高速度308km/h 0→100km/h加速3.7秒(スポーツクロノパッケージ仕様車3.5秒)
今回の変更は、パワートレインの性能向上を図るとともに、内外装デザインの一部変更や機能装備のアップデートなどを実施して、エキサイティングなカレラ4Sの訴求力をいっそう高めたことが特徴である。
注目のパワートレインには、ターボを2基組み込む2981cc水平対向6気筒DOHCエンジンを搭載。インタークーラーをエンジン上部のリアリッドグリル直下に配置するなどチャージエア冷却を最適化して排出ガスの低減を図るとともに、最高出力は従来比で30ps(22kW)アップの480ps(353kW)、最大トルクは従来と同数値の530Nmを発生する。トランスミッションには専用セッティングの8速PDKを組み合わせ、駆動機構には必要に応じてポルシェトラクションマネジメント(PTM)システムがフロントアクスルに駆動トルクを供給してトラクションと走行安定性を高める4WDシステムを、従来からギア比を変更して採用。性能面ではクーペの9114Sが0→100km/h加速3.5秒(スポーツクロノパッケージ仕様車3.3秒)、最高速度308km/hを、911カレラ4S カブリオレが同3.7秒(3.5秒)、同308km/hを、911タルガ4Sが同3.7秒(3.5秒)、同308km/hを達成した。
シャシー面については、リアディファレンシャルロックと連動して後輪にブレーキングを加えて走行時のダイナミクスと安定性を向上させるポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)を採用したほか、レッド塗装ブレーキキャリパー+前φ408mm/後Φ380mmディスクの強化ブレーキを装備。タルガ4Sにはリアホイールステアリングを標準で組み込む。オプションとして10mm低い車高とリアホイールステアリングを組み合わせたPASMスポーツサスペンションや、アクティブロールスタビライゼーションを提供するPDCC、高い制動性能を誇るポルシェ セラミックコンポジットブレーキ(PCCB)なども用意した。足もとにはタッガードフィットの20/21インチCarrera Sホイールを標準で、20/21インチ Carrera Classic ホイールや20/21インチ RS Spyder ホイール(サテンダークシルバー塗装)、20/21インチ Carrera Exclusive Designホイール、20/21インチ Carrera Exclusive Designホイール(カーボンブレード付き)、ペイントホイールなどをオプションで設定している。
エクステリアに関しては、エアロダイナミクスとパフォーマンスを向上させる目的で各部をリファインする。フロントセクションでは新造形のバンパーやフロントエプロンなどを装着するとともに、4灯のグラフィックを備えたマトリックスLEDヘッドライトを標準装備。すべてのライト機能を統合することによりフロントドライビングライトを省略することができ、その分を冷却ベントの大型化に当てた。また、オプションとして3万2000以上の光点を備えたHDマトリックスLEDヘッドライトを用意する。一方でリアビューについては、新造形の円弧と“PORSCHE”ロゴを統合したライトストリップを採用し、リアエンドをより深く、より広く見せる。また、各サイド5枚のフィンを配するとともにリアウィンドウに接続させた新リアグリルや、造形を見直した新ディフュザーおよび円形のテールパイプを備えたスポーツエグゾーストシステムなどを組み込んで、よりスポーティで印象深い後ろ姿を創出した。さらに、カブリオレはルーフのソフトトップにブラック、ブラウン、レッド、ブルー、ブラック/グレーを、タルガはルーフモジュールにブラック、ブラウン、レッド、ブルーをラインアップしている。
▲新造形の円弧と“PORSCHE”ロゴを統合したライトストリップや各サイド5枚のフィンを配するとともにリアウィンドウに接続させた新リアグリル、造形を見直した新ディフュザーおよび円形のテールパイプを備えたスポーツエグゾーストシステムなどを組み込んで、よりスポーティで印象深い後ろ姿を具現化。写真は911カレラ4S
内包するインテリアは、911カレラ4Sが2シーターレイアウト(追加費用無しのオプションとしてリアシートを設定)、911カレラ4Sカブリオレと911タルガ4Sがリアシートシステムを組み込んだ2+2レイアウトで構成する。コクピットは911デザインのDNAと最新のテクノロジーを高度に融合。ドライバーを中心とした直感的で素早い操作に重点を置き、重要なコントロールエレメントはステアリングホイール上またはステアリングホイールの周囲に直接配置する。デジタル機能も強化し、多様な情報を見やすく表示する12.6インチの曲面ディスプレイや10.9インチの高解像度センターディスプレイを採用した。また、インテリアカラーおよびトリムにはブラックのレザーパッケージを標準で採用し、オプションでボルドーレッドやダークナイトブルー、ブラック/チョークベージュ、スレートグレー/クレヨン、ブラック/ボルドーレッド、ダークナイトブルー/クレヨンといったレザーインテリア、バサルトブラック、トリュフブラウン、バサルトブラック/クラシックコニャックといったクラブレザーインテリアなどを用意している。
シートについては、レザー表皮のスポーツシート(4Way電動調節)を標準で、14Way電動調節スポーツシート、4Way電動調節スポーツシートプラス、18Way電動調節アダプティブスポーツシートプラス(メモリーパッケージ付)をオプションで設定。フロントシートのベンチレーションはオプションで選択可能である。
▲コクピットは911デザインのDNAと最新のテクノロジーを高度に融合。デジタル機能も強化し、多様な情報を見やすく表示する12.6インチの曲面ディスプレイや10.9インチの高解像度センターディスプレイを採用する。写真は911カレラ4Sのレザーパッケージ(ブラック)インテリア。日本導入モデルのハンドル位置は右と左の選択が可能
▲911カレラ4Sカブリオレのレザーインテリア(ブラック)。キャビン空間はリアシートシステムを組み込んだ2+2レイアウトで構成し、前席にはスポーツシート(4Way電動調節)を標準で装備する。日本導入モデルのハンドル位置は右と左の選択が可能