メルセデスAMG独自開発の新型メルセデスAMG GTクーペに新グレードの「GT 43クーペ」をラインアップ。全幅1930mmのナローボディに2+2のシートレイアウトを採用したうえで、パワートレインにはメルセデスAMG GT初の2リットル直4ターボエンジンを搭載
メルセデス・ベンツ日本は2024年11月28日、メルセデスAMGのトップハイパフォーマンスモデルとなる第2世代の新型メルセデスAMG GTクーペ(C192)に「メルセデスAMG GT 43クーペ」をラインアップし、同日より発売した。車両価格は1650万円に設定する。
本年4月に日本上陸を果たした新世代のメルセデスAMG GTクーペは、これまで“M177”4リットル V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジン(585ps/800Nm)を搭載して4輪を駆動(AMG 4MATIC+)する「メルセデスAMG GT 63 4MATIC+クーペ」のみを設定していたが、今回メルセデスAMG GT初の2リットル直4ターボエンジンを搭載して後輪を駆動する「メルセデスAMG GT 43クーペ」を追加して、よりピュアにメルセデスAMG GTクーペのパフォーマンスを楽しめるようにアレンジした。
エクステリアについては、近年のメルセデス・ベンツのデザイン基本思想「Sensual Purity(センシュアル ピュリティ)」とメルセデスAMGのDNAを高次元で融合させるとともに、既存のGT 63より全幅を55mm短縮(1930mm)した新しいナローボディと2+2レイアウトコンセプトを採用して、新次元のパフォーマンスクーペを体現する。基本フォルムはロングホイールベース、ショートオーバーハング、大きく傾斜したフロントウィンドウ、ロングボンネット、後方にオフセットしたキャビンによって、メルセデスAMG GTクーペならではのダイナミックなプロポーションを形成した。各部のデザインにもこだわり、フロントマスクは立体形状の縦桟基調グリルを低い位置に設置したうえで、車両全幅にわたる大きなエアインレットを備えた新しいフロントエプロンを配備。フロントおよびリアフェンダーの幅が狭く、トラック幅が減少しているため、車両のエレガントなキャラクターがより強調される。また、フロントフェンダーには新しいトリム要素を採用。リアエプロンもGT 43専用で、丸型のダブルテールパイプトリムを配するとともに、3つの立体的なグラフィックが目を惹くLEDコンビネーションランプや電動格納式のリトラクタブルリアスポイラー、デュアルエグゾーストエンドを一体化したディフューザーなどを装備する。足もとには20インチAMGアルミホイール(RRR)+前265/40/後295/35R20タイヤを標準で、21インチAMGアルミホイール(RWD)+前275/35/後305/30R21タイヤをオプションで設定した。
インテリアに関しては、AMGハイパフォーマンスカーのDNAを取り入れながら、高品質な素材やクラフトマンシップ、そして先進の機能装備を導入した、アナログとデジタルを高度に融合する“ハイパーアナログ”デザインを採用する。航空機から着想を得た左右対称のダッシュボードは力強いウイング形状にデザインし、タービンノズル型のエアアウトレットとともにスポーティな印象を創出。また、ワイドなセンターコンソール中央部にはNACAダクトデザインを採用して、モータースポーツのDNAを受け継いでいることを強調する。そして、様々な情報を見やすく表示する11.9インチの縦型メディアディスプレイはNACAダクトデザインとシームレスに融合。さらに、12.3インチのデジタルコックピットディスプレイは立体的なバイザーに巧みに収められ、合わせて大胆に絞り込んだグリップやフラットボトム形状、AMGドライブコントロールスイッチを配したツインスポークデザインのAMGパフォーマンスステアリング(ナッパレザー)を配備して、ハイパーアナログなコックピットを形成した。機能装備の面では、最新のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザーエクスペリエンス)やBurmesterサラウンドサウンドシステム、アンビエントライト、ワイヤレスチャージングなどを標準で装備し、オプションとしてMBUXエンターテインメントパッケージやアドバンスドコネクティビティプラスなどを用意。インテリアの仕様としては、ブラックピアノラッカールックのトリムとブラックファブリックのルーフライナーを標準で採用する。また、内装色はブラック、シエナブラウン/ブラック、レッドペッパー/ブラック、セージグレー/ブラック、MANUFAKTURクリスタルホワイト/ブラックをラインアップした。
シートについては、レイヤーや折り目を巧みに組み合わせ、ライトでスリムなデザインを採用したAMG専用のスポーツシート(ナッパレザー)を標準装備。シートベンチレーターおよびシートヒーター(運転席・助手席)も内蔵する。シートカラーは標準内装で4色、オプション内装(ダイヤモンドステッチ入)で1色から選択可能だ。また、ヘッドレスト一体型でレーシーなデザインのAMGパフォーマンスシートをオプションで設定する。一方、新型の特徴であるリアシートは標準で採用。着座できる乗員の身長は150cmまで(チャイルドシート装着時は135cmまで)で、シート自体には可倒機構を組み込む。ラゲッジルームは後席使用時で321リットル、後席格納時で675リットルの容量を確保。利便性を高めるEASY-PACK自動開閉テールゲートとフットトランクオープナーも装備した。
注目のパワートレインに関しては、“M139”1991cc・直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力421ps/6750rpm、最大トルク500Nm/5000rpm)に、電気モーター(最高出力10kW/2500~5100rpm、最大トルク58Nm/50~1300rpm)と第2世代BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)、48V電気システム、駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたユニットを搭載。ターボにはF1由来のエレクトリックエグゾースガスターボチャージャーを配し、このモーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動して巧みにコンプレッサーホイールを加速する。一方、トランスミッションにはダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現した電子制御式9速ATのAMGスピードシフトMCT(マルチ・クラッチ・テクノロジー)を組み合わせ、駆動システムはシンプルに後輪駆動で仕立てた。
シャシー面に関しては、5本のコントロールアームによって各ホイールを常に最適にガイドすることで接地面積を最大限に確保する5リンク式サスペンションを前後に配したうえで、高性能アルミニウム製のショックアブソーバーと軽量コイルスプリングを採用したAMGサスペンションを標準で組み込む。また、AMG RIDE CONTROLサスペンション/AMGダイナミックエンジンマウント/AMGダイナミックプラスパッケージ/AMGイエローブレーキキャリパー/電子制御AMGリミテッドスリップデフ/リアアクスルステアリング/リアウイングスポイラーで構成するAMGドライビングパッケージをオプションで用意した。さらに、ドライブ、トランスミッション、エグゾーストシステム、サスペンションなどの設定を統合制御するAMG DYNAMIC SELECTを標準装備。モードとしては、「Slippery(滑りやすい路面)」「Comfort」「Sport」「Sport+」「Individual」の5つの走行モードを設定する。AMGダイナミックプラスパッケージを装着した際は、「RACE」モードも選択可能である。