いすゞがタイのバンコク国際モーターショーでD-MAXのBEVモデルを初公開すると予告

いすゞが初のバッテリーEVピックアップトラックとなる「D-MAX EV CONCEPT」をタイのバンコクで開催されるバンコク国際モーターショーで初披露すると発表。パワートレインにはシステム総出力130kWを発生する前後モーターと総電力量66.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。市販モデルは2025年に欧州市場に先行導入し、タイやオーストラリアなど他エリアにも順次展開予定

 いすゞ自動車は2024年3月19日、タイのバンコクで本年3月27日から4月7日までの期間に催される「BANGKOK INTERNATIONAL MOTOR SHOW 45th」(バンコク国際モーターショー)において、ブランド初のバッテリーEVピックアップトラックとなる「D-MAX EV CONCEPT」を参考出品すると発表。合わせて、フロントビューの画像と2点のエクステリアデザインスケッチを公開した。

▲いすゞが本年3月27日から開催されるバンコク国際モーターショーにおいてブランド初のバッテリーEVピックアップトラックとなるD-MAXのBEVモデルを参考出品すると発表。新開発のeアクスルをフロントとリアに搭載したフルタイム4WDシステムにより、高い悪路走破性およびBEV特有のリニアな加速感と低騒音・低振動を高次元で両立させる

▲いすゞが本年3月27日から開催されるバンコク国際モーターショーにおいてブランド初のバッテリーEVピックアップトラックとなるD-MAXのBEVモデルを参考出品すると発表。新開発のeアクスルをフロントとリアに搭載したフルタイム4WDシステムにより、高い悪路走破性およびBEV特有のリニアな加速感と低騒音・低振動を高次元で両立させる

 

 1トン積みピックアップトラックのD-MAXは、泰国いすゞ自動車(IMCT)で生産するいすゞの国際戦略車で、現行モデルは第3世代(2019年デビュー)に位置し、アジア、欧州、中東、アフリカ、中南米、オセアニアなど100カ国以上の国と地域で販売。昨年10月には大幅改良を実施し、内外装デザインに磨きをかけるとともに、4×4走行性能の向上や機能装備のバージョンアップを図っている。

▲1トン積みピックアップトラックのD-MAXは泰国いすゞ自動車(IMCT)で生産するいすゞの国際戦略車。写真は4JJ3型2999cc直噴ディーゼルターボエンジンを搭載するタイ仕様のD-MAX V-Cross

▲1トン積みピックアップトラックのD-MAXは泰国いすゞ自動車(IMCT)で生産するいすゞの国際戦略車。写真は4JJ3型2999cc直噴ディーゼルターボエンジンを搭載するタイ仕様のD-MAX V-Cross

 

 今回ワールドプレミアを飾るD-MAXのBEVモデルは、ピックアップトラックのタフな基本性能はそのままに、商用・乗用の幅広いニーズに対応できるよう開発。新開発のeアクスルをフロントとリアに搭載したフルタイム4WDシステムにより、高い悪路走破性およびBEV特有のリニアな加速感と、低騒音・低振動を高次元で両立させる。また、既存のディーゼルエンジンモデル(4JJ3型2999cc直噴ディーゼルターボエンジン搭載車)と同等の使い方もできるよう、高出力を発揮する電気モーターの採用や、堅牢なフレームとボディの設計により高い牽引能力を確保した。

 パワートレインとしては、フロントアクスルに最高出力40kW/最大トルク108Nmを発生するモーターを、リアアクスルに最高出力90kW/最大トルク217Nmを発生するモーターを搭載して4×4システムを構成。システム最高出力は130kW、システム最大トルクは325Nmを絞り出す。駆動用バッテリーには総電力量66.9kWhのリチウムイオン電池を配備。性能面では最高速度130km/h以上、最大牽引能力3.5tを実現し、最大積載量は既存の内燃機関モデルと同様に1000kgをキープした。

▲フロントアクスルに最高出力40kW/最大トルク108Nmを発生するモーターを、リアアクスルに最高出力90kW/最大トルク217Nmを発生するモーターを搭載して4×4システムを構成。システム最高出力は130kW、システム最大トルクは325Nmを絞り出す。駆動用バッテリーには総電力量66.9kWhのリチウムイオン電池を配備

▲フロントアクスルに最高出力40kW/最大トルク108Nmを発生するモーターを、リアアクスルに最高出力90kW/最大トルク217Nmを発生するモーターを搭載して4×4システムを構成。システム最高出力は130kW、システム最大トルクは325Nmを絞り出す。駆動用バッテリーには総電力量66.9kWhのリチウムイオン電池を配備

 

 公表された画像とスケッチからは、2本の太い横バーを配したフロントグリルやダブルキャブのボディなどを踏襲したうえで、EVのクリーンさを強調するブルーのアクセントバーや、グリル下部を覆うボディ同色のパネル、新造形のアルミホイールなどが確認できる。また、撮影用ナンバープレートには「ISUZU D-MAX EV CONCEPT」と刻んでいることから、市販時の車名は「D-MAX EV」となるのかもしれない。

▲EVのクリーンさを強調するブルーのアクセントバーやグリル下部を覆うボディ同色のパネル、新造形のアルミホイールなどを装備

▲EVのクリーンさを強調するブルーのアクセントバーやグリル下部を覆うボディ同色のパネル、新造形のアルミホイールなどを装備

 

 なお、いすゞはD-MAXのBEVモデルを2025年にノルウェーをはじめとする欧州の一部から販売を開始し、その後英国や豪州・タイなど他のエリアについても、各国・地域のクルマの使い方やインフラの整備状況などを踏まえるとともに、ユーザーと丁寧なコミュニケーションを行って、ニーズに応じて展開・拡大していくとアナウンスしている。

 

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