いすゞとホンダがタッグを組んで開発する燃料電池大型トラックが公道実証走行を開始

いすゞとホンダが共同研究を進める燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」の公道での実証走行をスタート。2024年9月までの実証実験を通じて、2027年の市場導入へ向けたデータの取得、知見の蓄積、技術的課題の抽出などを進める

 いすゞ自動車とホンダは2023年12月22日、両社が共同研究を進める燃料電池(FC)大型トラックの「GIGA FUEL CELL(ギガ フューエルセル)」の公道における実証走行を同日より開始したと発表した。

▲いすゞとホンダが共同研究を進める燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」の公道における実証走行を開始。ジャパンモビリティショー2023のいすゞブースにおいて初めて一般公開した展示車と同型の試作車両を使用して実証走行を行う

▲いすゞとホンダが共同研究を進める燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」の公道における実証走行を開始。ジャパンモビリティショー2023のいすゞブースにおいて初めて一般公開した展示車と同型の試作車両を使用して実証走行を行う

 

 いすゞとホンダは、高積載量・長時間使用・長距離走行・短時間での燃料供給が求められる大型トラックのカーボンニュートラル化において、CO2排出ゼロの水素を燃料とする燃料電池技術が有効であるという考えを共有する。そして、2020年1月に燃料電池大型トラックの共同研究契約を締結し、燃料電池の大型トラックへの適合性や車両制御など基礎技術基盤の構築を進める。そして、いすゞが燃料電池システムの開発および供給パートナーをホンダに決定し、2023年5月に両社で合意書を締結した。

 両社は実証実験を目的として、いすゞの新型トラクタヘッドのギガ(CYJ77C-WX 低床4軸8×4、GVW25t)に、ホンダ製のFCスタックと交流同期電動機のモーター、70MPaの高圧水素タンク、駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載したモニター車「GIGA FUEL CELL」を製造し、ナンバーを取得。荷台部にはISUZUとHONDAのロゴ、水素分子を示すH2、車名のGIGAおよび燃料電池を意味するFUEL CELLなどを表記する。この新進の燃料電池大型トラックは、ジャパンモビリティショー2023のいすゞブースにおいて初めて一般公開。そして、この展示車と同型の試作車両を使用して、公道における実証走行をスタートさせた。

▲パワートレインは103kW×4の出力を発生する固体高分子形の燃料電池スタック、充填圧力70MPa/搭載水素量56㎏を確保した高圧水素システム、定格出力320kWの電動モーター、高出力のリチウムイオンバッテリーでシステムを構成。航続距離は800km以上を目指す

▲パワートレインは103kW×4の出力を発生する固体高分子形の燃料電池スタック、充填圧力70MPa/搭載水素量56㎏を確保した高圧水素システム、定格出力320kWの電動モーター、高出力のリチウムイオンバッテリーでシステムを構成。航続距離は800km以上を目指す

 

 実証走行に際しては、両社それぞれの物流グループ会社であるいすゞロジスティクスとホンダロジスティクスの協力を得て、水素燃料活用の可能性と燃料電池車両の実用性を検証する。実施期間は2024年9月まで行う計画で、走行場所は関東近郊(栃木・埼玉・東京・神奈川の1都3県)を予定。主な検証内容としては、実用面で荷役作業や公道走行による車両実用性の検証と水素充填を含めた車両運行管理、車両開発の面ではFC大型トラックの市場適合性などを確認する構想を立てている。

▲ボディサイズは全長1万1980×全幅2490×全高3770mm、車両総重量は25トンに設定。実証走行の実施期間は2024年9月まで行う計画で、走行場所は関東近郊(栃木・埼玉・東京・神奈川の1都3県)を予定する

▲ボディサイズは全長1万1980×全幅2490×全高3770mm、車両総重量は25トンに設定。実証走行の実施期間は2024年9月まで行う計画で、走行場所は関東近郊(栃木・埼玉・東京・神奈川の1都3県)を予定する

 

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