【ボクらの時代録】2004年の日本カー・オブ・ザ・イヤー/ホンダ・レジェンド(DBA-KB1型)のスーパーハンドリング

レジェンド メイン先進技術「SH-AWD」で意のままの走りを実現

 新型レジェンドは、旧型より全幅は25㎜広がっているものの、ホイールベースは110㎜、全長は65㎜短縮している。クルマがどんどん大型化する中で、フラッグシップサルーンをコンパクト化したのは、いかにもホンダらしい思い切ったトライだ。
 エンジンは3.5リッターのV6で、300㎰/36㎏mを発揮する。「最高出力自主規制撤廃」で280㎰を超えた第1号ということになる。ホンダのエンジンらしく、レッドラインまで気持ちよく回るし、音も低く、力強くてスポーティである。「300㎰」というスペックを見るとやはりワクワクする。が、高度な駆動力制御機能を組み込んだ4WDが、ハイパワーを難なく消化してしまうためだろうか、それほどパワフルといった印象は受けない。

走りSH-AWD 新しいレジェンドの最大のトピックは「SH-AWD」と名付けた高度な駆動システムだ。SH-AWDとは「スーパーハンドリング・オールホイールドライブ」の頭文字をとったもの。カタログでは「4輪それぞれに駆動力を与え、自在にコントロールする世界初の技術」と説明されている。走行状況に応じて、前後輪の駆動力を可変制御するのに加え、後輪に配分された駆動力を左右で可変制御するシステムである。さらにリアドライブユニットには、前輪に対して後輪の回転数を増速するメカニズムを内蔵している。つまり、あらゆる路面状況、あらゆる運転状況下で、4輪を最適にコントロールすることで、スタビリティを高め、ライントレース性を高める機構だ。
 SH-AWDは、確かにいい働きをしてくれる。安定した挙動でコーナーを走り抜ける速度は速い。リアは少し固めながら、粗さはなく乗り心地もOKだ。ワインディングロードでの身のこなしと乗り心地のバランスポイントは高い。
(岡崎宏司/2004年12月10日号)

リアインパネ4代目レジェンド/プロフィール

 ホンダ・レジェンド(DBA-KB1型)。レジェンドはアメリカではアキュラ・ブランドで販売されるホンダのフラッグシップモデル。4代目は2004年10月に日本デビュー。従来モデル以上にパーソナル感覚を追求した作り込みと、SH-AWB(スーパーハンドリング・オールホイールドライブシステム)に代表される先進メカニズムで時代をリードした。

スタイルエンジン SH-AWDは前後輪への駆動力配分を自動調節(前70対30〜前30対70)し、後輪に配分する駆動力は左右可変型(左右100対0〜左右0対100)だった。そのうえ世界初の増速機構をリアドライブユニットに内蔵し、ネーミングどおり、意のままのスーパーハンドリングを実現した。新開発となる3.5リッター・V6OHC24Vユニットが、国産初の280ps規制に制限されない300㎰/36.0㎏mのパワフル心臓だったこともあり、パフォーマンスはまさにスポーツセダン。とくにワインディング路での卓越した操縦性と速さが光った。カタログでは「走るというベーシックな性能を<進化>と呼べる領域まで前進させたセダンの新たなスタンダード。ドライバーを、かつて誰も体験したことのない<走りの歓びがみなぎるゆとり>へと運びます」と、その先進性をアピールした。

シートラインアップ2004年の時代録/『冬のソナタ』が大ブーム

【出来事】新日本銀行券が発行。1万円札が福沢諭吉、5千円札が樋口一葉、千円札が野口英世/ニンテンドーDSとプレイステーション・ポータブル発売/NHKで韓国のドラマ『冬のソナタ』がブームに/アテネ五輪開催、男子100m平泳ぎで北島康介が金メダル獲得/F1アメリカGPで佐藤琢磨が3位になり、14年ぶりに日本人が表彰台に/東北楽天ゴールデンイーグルス誕生【音楽】オリコンシングル年間1位平井堅『瞳を閉じて』【映画】邦画配給収入1位『世界の中心で、愛を叫ぶ』洋画興行成績1位『ラストサムライ』

2004年ホンダ・レジェンド 主要諸元

グレード=レジェンド
新車時価格=5SAT 535万円
全長×全幅×全高=4930×1845×1455㎜
車重=1760㎏
エンジン=3471㏄・V6OHC24V(300㎰/36.0㎏m)
サスペンション=前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク

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