マツダはロータリーをあきらめない――その伝統がMX-30のPHEVモデルとなって具現化

マツダがロータリーエンジンを発電機として使用するプラグインハイブリッドモデルの「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を初公開。特別仕様車として「Edition R」もラインアップ

 マツダは2023年1月13日(現地時間)、ロータリーエンジンを発電機として使用するプラグインハイブリッドモデルの「MX-30 e-SKYACTIV R-EV(エムエックス サーティー イースカイアクティブ アールイーブイ)」をベルギーで開催されたブリュッセルモーターショー(プレスデー:1月13日、一般公開日:1月14日~1月22日)で初公開した。

▲マツダはベルギーで開催されたブリュッセルモーターショーにおいて、ロータリーエンジンを発電機として使用するプラグインハイブリッドモデル「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を初公開する

▲マツダはベルギーで開催されたブリュッセルモーターショーにおいて、ロータリーエンジンを発電機として使用するプラグインハイブリッドモデル「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を初公開する

 

 MX-30は、マツダ初の量産バッテリーEVとして2020年に市場デビューを果たし、後にマイルドハイブリッドモデルも一部市場向けにラインアップして、マツダの電動化を主導。「わたしらしく生きる」をコンセプトに、純粋で心地よい走り、親しみやすさを感じるデザイン、温かみのある素材使いによる心整う室内空間などにより、創造的な時間と体験をユーザーに提供してきた。

▲MX-30 e-SKYACTIV R-EVはMX-30の基本的な提供価値はそのままに、バッテリーEVとしての使い方を拡張したシリーズ式プラグインハイブリッドモデルとして開発される

▲MX-30 e-SKYACTIV R-EVはMX-30の基本的な提供価値はそのままに、バッテリーEVとしての使い方を拡張したシリーズ式プラグインハイブリッドモデルとして開発される

 

 新設定のMX-30 e-SKYACTIV R-EVは、MX-30の基本的な提供価値はそのままに、バッテリーEVとしての使い方を拡張したシリーズ式プラグインハイブリッドモデルとして開発。日常の幅広いシーンにおいてバッテリーEVとして使える85kmのEV走行距離(欧州WLTPモード)を備え、発電によってさらなる長距離ドライブにも対応し、さらに走行の全てをモーターで駆動する。

▲EV走行距離は欧州WLTPモードで85kmを実現

▲EV走行距離は欧州WLTPモードで85kmを実現

 

 その発電機として採用したのが、マツダが誇るパワーユニットのロータリーエンジンだ。8Cの型式を冠した新開発の発電用ロータリーエンジンは、必要とされる出力性能をコンパクトに実現できるロータリーエンジンの特長を活かし、高出力モーター、ジェネレーターと同軸上に配置してモータールームに搭載。そして、このコンパクトな電動駆動ユニットと、17.8kWhのリチウムイオンバッテリー、50リットルの燃料タンクを組み合わせることで、独自のシリーズ式プラグインハイブリッドシステムを構成した。また、エクステリアには専用のe-SKYACTIV R-EVエンブレムや、ロータリーエンジンの意匠をかたどったeエンブレムを装備している。

 充電に関しては、普通・急速両方の方式に対応。走行モードとして、使用シーンに合わせて選択できる「EVモード」「ノーマルモード」「チャージモード」の3モードを設定する。さらに、ラゲッジ側面にAC1500Wの給電機能も組み込んで利便性を高めた。

▲2013年に「RX-8」が生産を終了して以来、約10年ぶりの復活となるマツダのロータリーエンジン。発電用として開発された新ロータリーエンジンは8Cの型式を名乗る

▲2013年に「RX-8」が生産を終了して以来、約10年ぶりの復活となるマツダのロータリーエンジン。発電用として開発された新ロータリーエンジンは8Cの型式を名乗る

▲必要とされる出力性能をコンパクトに実現できるロータリーエンジンの特長を活かし、高出力モーター、ジェネレーターと同軸上に配置してモータールームに搭載

▲必要とされる出力性能をコンパクトに実現できるロータリーエンジンの特長を活かし、高出力モーター、ジェネレーターと同軸上に配置してモータールームに搭載

▲コンパクトな電動駆動ユニットと17.8kWhのリチウムイオンバッテリー、50リットルの燃料タンクを組み合わせることで、独自のシリーズ式プラグインハイブリッドシステムを構成する

▲コンパクトな電動駆動ユニットと17.8kWhのリチウムイオンバッテリー、50リットルの燃料タンクを組み合わせることで、独自のシリーズ式プラグインハイブリッドシステムを構成する

▲エクステリアにはe-SKYACTIV R-EVエンブレム(写真・上)とロータリーエンジンの意匠をかたどったeエンブレム(同・下)を装備

▲エクステリアにはe-SKYACTIV R-EVエンブレム(写真・上)とロータリーエンジンの意匠をかたどったeエンブレム(同・下)を装備

▲走行モードとして使用シーンに合わせて選択できる「EVモード」「ノーマルモード」「チャージモード」の3モードを設定

▲走行モードとして使用シーンに合わせて選択できる「EVモード」「ノーマルモード」「チャージモード」の3モードを設定

▲ラゲッジ側面にAC1500Wの給電機能を組み込む

▲ラゲッジ側面にAC1500Wの給電機能を組み込む

 

 特別仕様車として、MX-30 e-SKYACTIV R-EV「Edition R」をラインアップしたこともトピック。ブラック基調の外板色および内装色を採用しながら、ルーフサイドにはマツダ初の乗用車である「R360クーペ」のルーフ色を復刻したマローンルージュメタリックを差し色として導入し、特別感を際立たせる。また、フロアマットやシートのヘッドレストには、ローターの形状を模したバッジやエンボス加工などの専用デザインを施し、さらにキーにはEdition Rのロゴを刻印した。

▲特別仕様車としてMX-30 e-SKYACTIV R-EV「Edition R」をラインアップ。外板色はブラック基調で仕立てる

▲特別仕様車としてMX-30 e-SKYACTIV R-EV「Edition R」をラインアップ。外板色はブラック基調で仕立てる

▲ルーフサイドにはマツダ初の乗用車である「R360クーペ」のルーフ色を復刻したマローンルージュメタリックを差し色として採用

▲ルーフサイドにはマツダ初の乗用車である「R360クーペ」のルーフ色を復刻したマローンルージュメタリックを差し色として採用

▲前後ヒンジ式のフリースタイルドアを継承。内装色はブラック基調でシックにアレンジする

▲前後ヒンジ式のフリースタイルドアを継承。内装色はブラック基調でシックにアレンジする

▲シートのヘッドレストにはローターの形状を模したロゴやEdition Rの文字をエンボス加工で刻印

▲シートのヘッドレストにはローターの形状を模したロゴやEdition Rの文字をエンボス加工で刻印

▲フロアマットにもローターの形状を模したロゴやEdition Rのタグを施す

▲フロアマットにもローターの形状を模したロゴやEdition Rのタグを施す

▲キーにはEdition Rのロゴを刻む

▲キーにはEdition Rのロゴを刻む

 

 なお、マツダはMX-30 e-SKYACTIV R-EVのプレスリリースで「マツダは2030年に向け、“ひと中心”の思想のもと人を研究し続け、人々の日常や移動することの感動体験を創造し、誰もが活き活きと暮らす“愉しさ”と“生きる歓び”を届けていくことを目指していく」と表明する。MX-30 e-SKYACTIV R-EVもこの考えのもと、市販化を進めていくことだろう。日本への導入時期などは、現在のところ未定である。

▲充電に関しては普通・急速両方の方式に対応。MX-30 e-SKYACTIV R-EVの日本への導入時期などは現在のところ未定

▲充電に関しては普通・急速両方の方式に対応。MX-30 e-SKYACTIV R-EVの日本への導入時期などは現在のところ未定

 

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