【最新モデル試乗】珠玉の「赤バッジ」。ホンダらしさあふれるシビック・タイプRのスーパーな実力

ホンダ・シビック・タイプR 2021年モデルは10月デビュー予定 エンジン冷却性/ブレーキ性能/足回りをリファイン エクステリアの特徴はフロントバンパーに追加されたフィン
ホンダ・シビック・タイプR 2021年モデルは10月デビュー予定 エンジン冷却性/ブレーキ性能/足回りをリファイン エクステリアの特徴はフロントバンパーに追加されたフィン

ホンダ・シビック・タイプR 試乗記

「FF世界最速」の座を競うアスリート。最新モデルはさらにサーキット性能をリファイン

 シビック・タイプRは、「FF世界最速」の座をつねに争っている日本の代表。デビューしてから早3年、間もなくエンジン冷却性能とブレーキ性能を高めたリファイン版がデビューする。
 魅力は、驚くほど高い基本ポテンシャル。新車開発の聖地、ドイツ・ニュルブルクリンクで素晴らしいタイムを刻む(現在はFF車世界第2位)ほか、好敵手ルノー・メガーヌRSに「道場破り」された鈴鹿サーキットのトップタイムを奪い返した。破られたら破り返す。タイプRはホンダ・スピリットにあふれたモデルだ。

 走りを支えるエンジンは2リッターVTECターボ。これに1.56barの加給圧をかけて320ps/6500rpm、400Nm/2500~4500rpmを発生。トランスミッションは、いまや古典的なHパターン6速MTである。
 ABCペダルを操作するため、走りはドライバーの技量に大きく左右される。シフトアップはともかく、シフトダウン時はミスシフトの危険が伴うため、自動で回転を合わせるレブマチックを装備。プロドライバー並みの回転ジャストミートによりスムーズな変速とクラッチミートがかなう。

大型リアスポイラーは高速走行時に有効なダウンフォースを発生 2021年モデルはレーシングブルーパールとポリッシュドメタルメタリックの新ボディカラーを設定
大型リアスポイラーは高速走行時に有効なダウンフォースを発生 2021年モデルはレーシングブルーパールとポリッシュドメタルメタリックの新ボディカラーを設定

ハンドリングにアンダーステアは存在しない! 操るには相応のスキルが必要

 エンジン出力はスポーツ4WDに搭載できるほど余裕がある。それを前輪で駆動し、曲がり、制動する。400Nmの強烈なターボトルクで強烈に加速しながら、ステアリング操作した方向に身をねじるように曲がり、270km/hの最高速から急減速する。巨大なブレンボ製キャリパーがディスクローターをつかむ減速Gは頼もしい。

 ハンドリングにアンダーステアは存在しない_ 仮にアンダーステアをクルマ側が感知すると、舵角の当たった前輪イン側の片輪のみブレーキ圧を高めて、ノーズをコーナーの内側へと引き戻す。
 同時に前輪にはヘリカルLSDが装備され、旋回中とそこからの加速で内輪がホイールスピンした際に左右の回転差を抑制。高い旋回速度を可能にした。
 フロントサスは、新設計デュアルアクシス・ストラット、リアはマルチリンク式を装備。前後輪ともにタイヤの接地性は高い。乗り味は、路面からの小さな入力はソフトにいなし、大入力にはダンピングが勝りボディの動きを抑える。超高速直進安定性とハンドリングの高次元バランスは、まさにほれぼれする。

 シビック・タイプRは、切れ味鋭い世界最良のFFホットハッチ。その圧倒的な実力を引き出すには、MTを巧みに操れる運転技術が条件。相応のドライビングスキルが必要だ。

1995cc直4DOHC16Vターボ 320ps/6500rpm 400Nm/2500~4500rpm 最大加給圧1.56bar 幅広い領域で太いトルク発生 回転フィールはシャープ
1995cc直4DOHC16Vターボ 320ps/6500rpm 400Nm/2500~4500rpm 最大加給圧1.56bar 幅広い領域で太いトルク発生 回転フィールはシャープ
245/30ZR20専用設計コンチネンタル装着 2ピースブレーキディスク新採用
245/30ZR20専用設計コンチネンタル装着 2ピースブレーキディスク新採用
最新型はフロントグリルの開口面積を拡大 ラジエターフィンのピッチを変更 冷却性能をアップ
最新型はフロントグリルの開口面積を拡大 ラジエターフィンのピッチを変更 冷却性能をアップ
最新型はリアバンパーサイドにフィンを追加 造形はディフューザー形状
最新型はリアバンパーサイドにフィンを追加 造形はディフューザー形状
エグゾーストエンドはセンター3本出し 排気音は刺激的な音色
エグゾーストエンドはセンター3本出し 排気音は刺激的な音色
2021年モデルはレーシーなアルカンターラ巻きステアリングを新採用 アダプティブダンパーなど各種セッティング変更でハンドリングをリファイン
2021年モデルはレーシーなアルカンターラ巻きステアリングを新採用 アダプティブダンパーなど各種セッティング変更でハンドリングをリファイン
前席は軽量設計バケット形状 シート素材はスエード調ファブリック
前席は軽量設計バケット形状 シート素材はスエード調ファブリック
トランスミッションは6速MT 自動で回転を合わせるレブマッチング機能付き
トランスミッションは6速MT 自動で回転を合わせるレブマッチング機能付き

ホンダ・シビック・タイプR 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=タイプR
価格=6MT 未定
全長×全幅×全高=4560×1875×1435mm
ホイールベース=2700mm
車重=1390kg
エンジン=1995㏄直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=235(320)_kW(㎰)/6500rpm
最大トルク=400(40.8)_Nm(㎏m)/2500~4500rpm
JC08モード燃費=12.8km/リッター(燃料タンク容量46リッター
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=245/30ZR20+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=5.9m
※スペックは2019年モデル

シビック・タイプRリミテッドエディション 世界限定1000台/日本販売予定200台の特別仕様車 BBS製専用鍛造スポークアルミの採用やインシュレーターの見直しで標準車比23kg軽量化 タイヤはミシュラン・パイロットスポーツカップ2装着 ボディカラーはサンライトイエロー2
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