日産が人気ミニバンのセレナを仕様変更し、2026年2月中旬に発売すると発表。ハイウェイスターVとルキシオンはフロントグリルとアルミホイールのデザインを刷新。機能装備や先進安全運転支援システムのバージョンアップも実施。新たなカスタムカー「AUTECH LINE」と荷室スペースに大容量の収納ボックスを備えた「マルチボックス」も登場
日産自動車は2025年12月18日、人気ミニバンのセレナをマイナーチェンジし、2026年2月中旬に発売すると発表した。

▲日産セレナe-4ORCEハイウェイスターV 価格:414万1500円 全長4765×全幅1715×全高1885mm ホイールベース2870mm 車重1930kg 乗車定員7名 WLTCモード燃費16.0km/リットル 写真のボディカラーはムーンボウブルー×ダイヤモンドブラック
車種展開は以下の通り。
■ガソリン車(2WD)
X:278万5200円
X XVパッケージ:304万3700円
ハイウェイスターV:322万8500円
■ガソリン車(4WD)
X:299万900円
X XVパッケージ:324万9400円
ハイウェイスターV:349万4700円
■e-POWER車(2WD)
e-POWER X:329万3400円
e-POWER XVパッケージ:358万3800円
e-POWER ハイウェイスターV:377万5200円
e-POWER ルキシオン(LUXION):499万8400円
■e-4ORCE車(4WD)
e-4ORCE X:359万9200円
e-4ORCE XVパッケージ:388万9600円
e-4ORCE ハイウェイスターV:414万1500円

▲日産セレナe-POWER ルキシオン(LUXION) 価格:499万8400円 全長4765×全幅1715×全高1885mm ホイールベース2870mm 車重1850kg 乗車定員7名 WLTCモード燃費18.1km/リットル 写真のボディカラーはクリスタルブラウン
今回の変更は、機能装備や先進安全運転支援システムのバージョンアップを図るとともに、ハイウェイスターVとルキシオンの一部デザインを刷新して、定番ミニバンとしての新鮮味と魅力度をいっそう引き上げたことが特徴である。

▲本革巻ステアリングやブラウン木目柄フィニッシャー、合皮(ステッチ付)インストロア&ドアトリムクロス、USB電源ポート(TYPE-C 5個〈フロント2個、セカンド2個、サード右1個〉)を装備。内装色はブラック
まずデザイン面では、ハイウェイスターVとルキシオンのフロントグリルおよびアルミホイールを一新する。フロントマスクはNISSANエンブレムを中心に斜めのバーを左上でV状に配した左右非対称グリルを採用。ルキシオンにはシルバーのアクセントも施す。合わせて、16インチアルミホイールの造形も変更して足もとの存在感を高めた。さらに、ハイウェイスターVはスポーティに特化したアレンジを採用し、堂々とした存在感を強調。一方、ルキシオンはインテリアにしっとりとした触感と包まれる心地よさをもたらす次世代素材「テーラーフィット」を張ったシートを配備するなどして、プレミアム感を際立たせた。ボディカラーについては、全グレードにムーンボウブルー、アクアミント、ディープオーシャンブルーの新色3色を追加している。
機能装備に関しては、セレナとして初めてメーカーオプションのNissanConnectインフォテインメントシステムを導入したことがトピックだ。同システムはGoogle搭載により、「Googleマップ」「Googleアシスタント」「Google Play」の各機能に新しく対応し、多彩な情報とエンターテインメントにシームレスにコネクト可能。また、ドアの施錠し忘れや、ハザードランプ消し忘れ、窓の締め忘れをスマホに通知してくれる「し忘れアラート」と、離れた場所からでもクルマを見守る新サービス「リモートフォトショット」にも対応し、カーライフをより快適にする。さらに、ディーラーオプションとして15.6インチサイズの大型後席専用モニターを設定し、より楽しい移動時間を演出した。
ユーザーからの要望に応えて、走行開始時に毎回e-Pedal Stepスイッチを操作する手間を省く、「e-Pedal Step前回モード記憶」機能を追加したことも訴求点。さらに、利便性のみにとどまらず、停車時にエンジンを切るとメーター内のディスプレイに「後席を確認してください」とメッセージが表示されブザーが鳴る「後席リマインダー」を採用し、荷物のうっかり忘れや、子供の置き去り防止といった家族の安全に配慮している。
先進安全運転支援システムについては、駐車や狭い道、交差点などのさまざまなドライブシーンで役立つ機能の拡充を図る。具体的には、車両の周辺状況を3D映像でより直感的に確認可能な「3Dビュー」や、交差点等で運転席から死角になる前方の左右が見えるようにサポートする「フロントワイドビュー」、ミラーを閉じた状態でも両サイドビューを表示して狭い場所での駐車等をサポートする「両サイドミラークローズドビュー」の3つの新しい表示機能を組み込んだ「インテリジェントアラウンドビューモニター」を採用した。
パワートレインは基本的に従来を踏襲し、ガソリン車にはMR20DD型1997cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(最高出力150ps/6000rpm、最大トルク20.4kg・m/4400rpm)+エクストロニックCVTを搭載して前輪を駆動。一方でe-POWERは、発電用HR14DDe型1433cc直列3気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(最高出力98ps/5600rpm、最大トルク12.5kg・m/5600rpm)+EM57型フロントモーター(最高出力120kW/最大トルク315Nm)+リチウムイオン電池を搭載して前輪を駆動する。そしてe-4ORCEは、前述のe-POWERのユニットにMM48型リアモーター(最高出力60kW/最大トルク195Nm)を組み合わせて4輪を駆動。e-4ORCEは電気の力で前後のトルク配分と4輪のブレーキを統合制御する機構も採用している。

▲e-4ORCEは発電用HR14DDe型1433cc直列3気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(98ps/12.5kg・m)+EM57型フロントモーター(120kW/315Nm)+MM48型リアモーター(最高出力60kW/最大トルク195Nm)+リチウムイオン電池を搭載して4輪を駆動
セレナのマイナーチェンジに合わせて、日産モータースポーツ&カスタマイズが手がけるセレナのカスタムカーやライフケアビークル(LV)も同様の仕様変更を実施する。そして、カスタムカーについては「AUTECH LINE」と「マルチボックス」を新規に設定した。なお、。「AUTECH」「AUTECH SPORTS SPEC」は2026年3月中旬より、その他モデルは全車2月12日より販売を開始する。
新設定のモデルを紹介していこう。まずセレナAUTECH LINEは、通常モデルのハイウェイスターV(2WD・4WD/e-POWERハイウェイスターV/e-4ORCEハイウェイスターV)をベースに、さりげない個性やこだわりを追求したカスタマイズを施したことが特徴。特別装備としては、外装にダーククロム仕上げの専用フロントグリルフィニッシャーやメタル調フィニッシュのサイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー、専用16インチアルミホイール、AUTECH LINEエンブレム(リア)を、内装にブラックステッチを入れたテーラーフィット表皮の専用シートを採用する。7名乗りに加えて8名乗りグレードをラインアップしたことも訴求点だ。車両価格は333万8500円~425万1500円に設定している。

▲日産セレナe-POWER AUTECH LINE 価格:388万5200円 全長4765×全幅1715×全高1870mm ホイールベース2870mm 車重1810kg 乗車定員8名 写真のボディカラーはプリズムホワイト
一方でセレナ マルチボックスは、2列シート・5名乗りのシートレイアウトと、ベンチ・テーブルとしても使用可能な大容量の収納ボックスを備えた点が特徴だ。荷室スペースに設置した収納ボックスは上面と側面が開閉でき、荷物の出し入れの利便性を図ったほか、ボックス内部にも開閉可能な仕切りを配して、荷物を整理して収納できるようアレンジ。アウトドアアイテムなどの趣味の道具を整然と積めるだけでなく、災害時の非常持出し用品の保管場所などとしても活用できる。また、ボックス上にも荷物を乗せることができ、荷室を上下の空間で有効活用できるほか、ボックス上面の天板の一部を持ち上げてテーブルとしても使用可能。ボックスをベンチにして食事やデスクワークなど、幅広く活用できる。さらに、耐水性および撥水性に優れたCORDURA製の生地を採用したベッドマットをオプション設定し、車中泊仕様車としての使用も可能とした。車両価格は357万2800円~473万5500円に設定している。
他のカスタムカーおよびライフケアビークルの一部仕様変更も実施。セレナ マルチベッドではCORDURA製ベッド生地を選択可能とし、またセレナ ステップタイプにはルキシオン・グレードを追加する。さらに、セレナ チェアキャブ スロープタイプではオプションの防水シートと助手席スライドアップシートの設定車種を拡大した。

▲日産セレナAUTECH SPORTS SPEC 価格:443万7400円 全長4825×全幅1725×全高1865mm ホイールベース2870mm 車重1820kg 乗車定員7名 写真のボディカラーはディープオーシャンブルー×ダイヤモンドブラック
