レクサスが“DISCOVER”をテーマに据えてジャパンモビリティショー2025に出展。センチュリーがブランド化してトヨタの最高峰に立つことで、レクサスは“ラグジュアリーの中心”で、今まで以上に自由に進化し、クルマだけに留まらず、新しいサービスや体験、ライフスタイルを“DISCOVER=発見、見出す”と表明。展示車としては、6輪によるパッケージの革新を果たした「LS CONCEPT」、上質でフォーマルな佇まいと動的なエモーショナルさを両立した「LS COUPE CONCEPT」、革新的なスタイルと伝統的なスポーツカーらしさを高次元で融合した「SPORT CONCEPT」、都市のあらゆる路地を自由に移動できるマイクロモビリティ「LS MICRO CONCEPT」のほか、海の上での特別なプライバシー空間とグリッドフリーな航行を実現した「CATAMARAN(カタラマン)CONCEPT」、大型ドローンと小型飛行機の要素を融合した次世代の電動航空機「JOBY」という、陸・海・空の360度モビリティを披露
レクサスはジャパンモビリティショー2025において、“DISCOVER”をテーマに据えて陸・海・空の360度モビリティを披露した。
ショーの舞台に登壇したレクサスのサイモン・ハンフリーズCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)は、今後のブランド方針として「センチュリーがブランド化してトヨタの最高峰に立つことで、レクサスは“ラグジュアリーの中心”で、今まで以上に自由に進化し、クルマだけに留まらず、新しいサービスや体験、ライフスタイルを“DISCOVER=発見、見出す”していく」と宣言。さらに、「レクサスの伝統である“誰の真似もしない”姿勢を貫いた、冒険的かつ革新的なラグジュアリーモビリティを陸・海・空の360度で展開していく」と表明した。

▲ショーではレクサスのサイモン・ハンフリーズCBOが登壇。今後のブランド方針として「センチュリーがブランド化してトヨタの最高峰に立つことで、レクサスは“ラグジュアリーの中心”で、今まで以上に自由に進化し、クルマだけに留まらず、新しいサービスや体験、ライフスタイルを“DISCOVER”する」と表明
まずはワールドプレミアを飾った4台の“陸”のモビリティから見ていこう。
1台目は、レクサス伝統の“誰の真似もしない”姿勢を具現化した、6輪によるパッケージの革新を果たした「LS CONCEPT」。ラグジュアリーセダンでも、ラグジュアリーSUVでもない、ラグジュアリースペースとして登場したLS CONCEPTは、6輪による新たなパッケージングによって、広い室内スペースとスムーズな乗り降りを創出する。6輪にするとリアタイヤが小径化でき、2列目を動かさないと3列目に乗れないという従来のミニバンの欠点を解消。また、プレミアム3列シートらしい乗降性と、広くて快適な後席空間も実現した。シートレイアウト自体はVIPなどが使用するショーファードリブンを意識して、2列目(センター席)を中心に構成。見晴らしが良くてスペースも十分にあり、足を伸ばしても前のシートに当たらない居住性を具現化する。3列目の乗員とのコミュニケーションをスムーズに図れるよう、回転機構も組み込んだ。レクサスの最新デザイン言語を存分に盛り込んだエクステリアデザインや、レクサスのシグネチャーマテリアル“BAMBOO(竹)”を巧みに使って瀟洒に仕立てたキャビン空間のアレンジも、LS CONCEPTのアピールポイントである。






2台目は、上質でフォーマルな佇まいと動的なエモーショナルさを両立した「LS COUPE CONCEPT」。ドライバーは走る楽しさを、同乗者は後席でくつろぐ喜びを発見できる、相反するものの調和という二律双生を具現化したLS COUPE CONCEPTは、現行のLSと同等の室内空間を確保しつつ、大きなタイヤを装着して走行性能の向上を実現する。サーキットでの走行も想定し、随所に空気が抜けて整流効果を高める通り道を確保した。一方でインテリアは、ドライバー席に座ると運転を楽しめるようなコクピットを演出。また、フローリングやシートは運転を楽しむためのドライバー席と室内でくつろぐ乗員の空間を色やマテリアルで分け、合わせてヘッドレストのデザインも変えている。さらに、インパネは薄型で、かつ彫刻的な美しい形にアレンジして、スポーティ感や上質さを際立たせた。




▲上質でフォーマルな佇まいと動的なエモーショナルさの両立を果たした「LS COUPE CONCEPT」。ドライバーは走る楽しさを、同乗者は後席でくつろぐ喜びを発見できる、相反するものの調和という二律双生を具現化する
3台目は、革新的なスタイルと伝統的なスポーツカーらしさを高次元で融合した「SPORT CONCEPT」。2025年8月開催のモントレー・カー・ウィーク2025でカモフラージュした試作車を初公開し、今回のショーで内装も合わせて姿を現したSPORT CONCEPTは、“没入感”をキーワードに、運転に没入できる車両づくりを実施する。エクステリアはスポーツカーならではの流麗なクーペスタイルを踏襲しつつ、高い動的性能から生まれたワイド&ローなプロポーションや、近未来のレクサスをイメージさせる先進的なディテールを採用。内包するインテリアは、ドライバー席を囲うとともにレーシングカーを彷彿とさせるステアリングや、多様な情報を表示するメーターディスプレイおよびメーター左右に集中配置した機能スイッチ類、本格バケットタイプのシートなどを採用して、次世代スポーツカーの世界感へと没入させるコクピットを創出した。



4台目は、都市のあらゆる路地を自由に移動できる自動運転のマイクロモビリティ「LS MICRO CONCEPT」。米国カリフォルニアに居を構えるトヨタ自動車のデザイン拠点のCALTY DESGIN RESEARCHがデザインを手がけたLS MICRO CONCEPTは、ラストワンマイルを走るためのラグジュアリーな完全自動運転の1名乗りマイクロモビリティとして企画。エクステリアはインダストリアルジュエリー(Industrial Jewelry)という考え方でデザインし、ドアの開閉もジュエリーボックスを開くように上半分が後方にスライドして開くようにアレンジする。内装については“Bespoke Cocoon(注文仕立ての繭)と称する、ユーザーのオーダーメイドで車内の内張りや素材を変えながら、その人に合わせた室内空間の提供をコンセプトに開発。今回の展示車では、6輪ミニバンのLS CONCEPTと同様、レクサスのシグネチャーマテリアル“BAMBOO”を随所に配して、独自のラグジュアリースペースを実現していた。



▲自動運転のマイクロモビリティ「LS MICRO CONCEPT」。ラストワンマイルを走るためのラグジュアリーな完全自動運転の1名乗りマイクロモビリティとして企画。エクステリアはインダストリアルジュエリーという考え方でデザインする
次に“海”のモビリティでは、特別なプライバシー空間とグリッドフリーな航行を実現した「CATAMARAN CONCEPT」をひな壇に上げる。CATAMARANは日本語で双胴船を意味し、2つの船体を平行に配置して甲板で繋ぎ結合した船のことを指す。会場では、その縮小版のコンセプトモデルを展示した。“DISCOVER ESCAPISM―その船は、あなたを一人きりにする―”をコンセプトに掲げたCATAMARAN CONCEPTは、最上級のプライバシー空間を実現するための機能として自動操船を採用。操船に関するすべてを自動操船にすることで船員が同乗する必要がなく、海上での生活を気兼ねなく楽しめる。キャビンルームの仕立ては、ユーザーの好みに合わせたオーダーメイドを前提とした。環境負荷にも配慮し、縦に伸びる2つの帆は風をとらえて動力に変えられるほか、帆のなかにはソーラーパネルも設置し、自然のエネルギーを活用した航行を想定している。


▲“海”のモビリティとして特別なプライバシー空間とグリッドフリーな航行を実現した「CATAMARAN CONCEPT」の縮小版コンセプトモデルを出展。最上級のプライバシー空間を実現するための機能として自動操船を採用する
そして“空”のモビリティでは、大型ドローンと小型飛行機の要素を融合した次世代の電動航空機「JOBY」の最新モデルとなる「Joby S4」の実物大モックアップを展示する。2019年から協業するJoby Aviationと共同で開発したJoby S4は、昨年11月にトヨタ東富士研究所での国外初フライトや、本年10月上旬に大阪・関西万博でデモフライトを行った機体からアップデートを図った最新設計のモデル。気軽な空の移動を可能にし、新しい価値観をもたらすために、将来的にはパイロットを必要としない、完全自動飛行を目指しているという。なお、実際の機体も現在、製造中とのことだ。


▲“空”のモビリティとして大型ドローンと小型飛行機の要素を融合した次世代の電動航空機「JOBY」の最新モデルとなる「Joby S4」の実物大モックアップを展示。将来的にはパイロットを必要としない完全自動飛行を目指す
