現在、過去にリリースされた曲がSNSなどをきっかけに注目され、再びヒットするケースが増えている。Billboard JAPANの2026年上半期JAPAN Hot 100では、2019年以前にリリースされた楽曲が27曲ランクイン。前年同期の20曲から増加した。リリースから何年経ったかに関係なく、SNSや動画サイトを通じて楽曲が発見され、ストリーミングで聴かれる時代になったのである。
こうした流れを受け、2026年は過去の作品を大量に配信する動きも目立った。その代表例が近藤真彦である。7月19日、デビュー曲「スニーカーぶる~す」をはじめ、これまで発表してきたオリジナル作品全339曲を主要音楽配信サービスで一挙に解禁。「ギンギラギンにさりげなく」「夕焼けの歌」「ミッドナイト・シャッフル」など、80年代、90年代を彩った楽曲が、現在のリスナーにも聴きやすい環境となった。
さらに近藤は12月12日、オリジナルアルバム22作品を収録したコンプリートBOX『宝 THE COMPLETE ALBUM COLLECTION』を発売する。1981年の『Thank 愛 You』から1997年の『GET BACK』までをCD22枚に収録し、これまでCD化されていなかった初期作品や未発売アルバムも含む内容だ。サブスクで過去曲を開放する一方、CDというパッケージでも作品を体系的に残す。まさに過去の音源を現在の市場にもう一度届ける動きといえる。
西城秀樹も、デビュー55周年を記念して2026年にシングル78曲をサブスク解禁。「恋する季節」から「漂流者たち」まで、1970年代から80年代にかけての楽曲をまとめて聴けるようになった。
このほか、角松敏生は6月にアルバム10作品をサブスク解禁。RED WARRIORSも過去作品を配信し、80年代、90年代の音楽をリアルタイムで知らない世代にも作品が届く環境が整いつつある。
過去曲の“再開発”は、サブスクだけに限らない。竹内まりやは9月18日、1978~81年のRCA時代に発表した楽曲を中心に、アルバム5枚、アルバム未収録曲をカップリングに収めたシングル1枚、全78曲をTikTok、Instagram、YouTube Shortsなどで利用可能にした。「SEPTEMBER」「不思議なピーチパイ」「ドリーム・オブ・ユー~レモンライムの青い風~」など、40年以上前の楽曲が、ショート動画を通じて新しい世代に届く環境が整ったのである。
こうした動きから見えてくるのは、「昔の曲を懐かしむ」というだけではない。サブスクやSNSによって、過去の作品は現在のリスナーにとっても新しい音楽として発見できるコンテンツになっているのだ。レコード会社や音楽出版社にとっても、すでに存在する楽曲を改めてデジタルで届けることは、新たな需要を生み出す「再開発」といえる。
かつて自分が夢中になって聴いていた曲が、ある日SNSをきっかけに若い世代の間で話題になる。そんな現象が、これからさらに増えていくかもしれない。あなたが昔好きだった曲が、いきなり再ヒットする。そんな時代が、すでに始まっているのである。
アーティスト:近藤真彦
タイトル:アルバムBOX『宝 THE COMPLETE ALBUM COLLECTION』
CDリリース:2026年12月12日(土)
特設HP: https://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/matchymusic2026/
アーティスト:竹内まりや
対象作品
<アルバム>
『BEGINNING』(1978)
『UNIVERSITY STREET』(1979)
『LOVE SONGS』(1980)
『MISS M』(1980)
『Portrait』(1981)
<シングル>
NATALIE(1981)
