大切な友人やパートナーと共に出かけ、日本全国にある優れた「食」との出会いは、あなたの人生の彩りをより豊かにしてくれる。今回は、富士宮グルメを紹介するとともに、霊峰富士を眺めつつ走れるドライブ・プランを提案しよう。
富士宮エリアで、とっておきの優食を楽しもうというのであれば、LYB豚(ルイビブタ)で決まりだ。富士の豚博士と呼ばれる生産者の熱意が生み出した、地元自慢のブランド豚である。生産量の少なさから地元でほとんどが消費される、まさに幻の食材と言えよう。最大の特徴は、脂身の融点が通常よりも圧倒的に低い、約32.5度であることだ。地元で人気のカジュアルダイニングF’s Marchéで、“ルイビ豚と富士宮産野菜のグリル”(2365円)を試してみれば、その美味しさに驚いた。肉の甘みが強いのに、後味が軽い。カリっと表面を炙った調理の腕も極上だ。旅の目的にかなう、絶品の優食といえる。
また、もう少し簡単な富士宮の優食となるのが富士宮焼きそば。そして、富士山麓の牧場の牛乳を使ったソフトクリーム。こちらの2つは、あちこちの観光スポットでも取り扱っている。B級だが、どちらも、あなどれない美味しさ。ぜひともご賞味あれ。
宿泊するなら、おすすめが掬水だ。全国にある浅間神宮の総本宮となる富士山本宮浅間大社に隣接する、たった4室のこだわりの宿。富士山を鎮める神社の隣の宿で、心と体を休めよう。
富士山は、山として実にユニークだ。世界を見渡しても、これほど高い山が単独で存在する(独立峰)事例は少ない。世界最高峰レベルのエベレストも、西欧州最高峰のモンブラン、そして北米最高峰のデナリも、すべて山脈の中のひとつ。富士山のような独立峰は少数派なのだ。だからこそ、富士山は霊峰として崇められるし、周囲の自然も独特なものになる。
最大の特徴は、富士五湖に象徴されるような水の豊富さだ。富士山の周辺の土地は、火山灰による土壌が何層にも重なっており、その間を雨水が伏流水となって伝わり、そして湧き出てくるのだ。
そのため富士周辺のドライブは、おのずと水を求める道程となる。山中湖や河口湖といった有名どころの近くには、朝日丘湖畔緑地公園やふじさんミュージアムなど、観光スポットが数多く用意されている。精進湖の静かさも魅力的だ。鳴沢氷穴で野趣あふれる自然に触れるのもいい。そして、富士の伏流水を目の当たりにできる白糸の滝も満足感が高い。
また、富士山は独立峰のため、周りを巡るルートも単純だ。富士山を中心に右に回るか、左に回るかしか選択肢がないからだ。そして、富士山の裾野に広がる観光スポットは、意外なまでにそれぞれが近い。そのため、ひとつずつゆったりと巡っても、一日でカバーできる。
精進湖を起点に考えて各地を訪れ、中央道から談合坂SA経由で都心部に帰るのもいいし、東名高速を利用するのもいい。このフレキシブルさが、富士山ドライブの魅力なのだ。
富士山の南にある富士宮市を起点に、ぐるりと富士山を右手に見ながら北上していくドライブコースだ。起点となる富士宮市内から、中央道の富士吉田ICまで50㎞弱ほど。ゆっくりと名所を散策しても一日で悠々周遊できる。
問い合わせ先=❶精進湖/精進湖観光協会(https://shojiko-kanko.co./) ❷鳴沢氷穴/☎0555・85・2301 ❸白糸の滝/☎︎0544・27・5240 ❹富士山本宮浅間神社/☎0544・27・2002 ❺お宮横丁/静岡県富士宮市宮町4-23-23 ❻掬水/☎0544・26・3456 ❼談合坂サービスエリア(上り)/☎0554・66・3734 ❽ふじさんミュージアム 富士吉田市歴史民族博物館/山梨県富士吉田市上吉田東七丁目27番1号 ❾カジュアルダイニングF’s Marche/☎0544・66・8909
クラウン・エステート(ステーションワゴン)の伝統を、SUVスタイルで今に継承するモデル。その走りは、静かで滑らか、そしてパワフル。荷物を満載しつつ、同乗者と会話を楽しむ、旅にぴったりの実用性と動力性能、快適性を兼ね備える。
トヨタ・クラウン(エステート)の主要諸元=トヨタ・クラウン(エステート)RS PHEV 寸法:全長4930×全幅1880×全高1625mm パワートレイン:2.5リッター4気筒エンジン+ハイブリッドシステム システム最高出力:225kW(306PS)駆動方式:E-Four(4WD) EV走行換算距離:89km ハイブリッド燃費:20.0km/リッター(WLTCモード) 価格:810万円

設計:有限会社千葉学建築計画事務所 施工:株式会社 安藤・間 https://www.ad-hzm.co.jp/works/
移動の自由をサポートする大切な存在
貴重なトレーニングの様子が見学できる
富士山麓で優食を求めるドライブで、気になるスポットを発見した。それが「盲導犬の里 富士ハーネス」だ。日本盲導犬協会による、盲導犬育成施設である。特徴は、いつでも誰でも事前予約なく見学が可能な点。全国の盲導犬育成団体の中で、一般見学を前提にした施設はここだけだという。
施設はモダンな雰囲気の片流れ屋根の部屋が並ぶ構成で、2009年には日本建築学会賞を受賞している。 「おいでいただいたお客様に、とてもきれいな施設ですねと、驚かれるんですよ」と富士ハーネスの広報担当者は説明する。
施設では盲導犬や視覚障害の説明をするデモンストレーションが、午前11時と午後2時(冬季は平日午後のみ)に実施されており、予約なし、そして無料で楽しめる(水曜日休館)。訓練する犬やくつろぐ犬たちの様子を見ていると、自由な移動をサポートする大切な存在の輝きが増してくる。
取材協力)カジュアルダイニングF’s Marché、掬水、精進湖観光協会、ふじさんミュージアム、富士宮市観光協会、富士山本宮浅間大社、日本盲導犬総合センター「盲導犬の里 富士ハーネス」(順不同)
本誌では大きく美しい写真がご覧になれます。ぜひお手にとってご覧ください。
