bZ4Xは、トヨタの新しい電気自動車(BEV)だ。もともとKintoと呼ばれるトヨタのサブスクリプション専用で、月額9万円程度でリースされていたのだが、いよいよ販売が始まった。
価格は550万円からで、最大80万円の補助金も出るから、一般家庭でも、手が届かない値段ではない。航続距離もカタログ上は540㎞だから、十分実用に耐えられるスペックになっている。ボクは動画しかみていないのだが、その限りでは、走りはシャープで、何よりも新時代を予感させる斬新なデザインに心を奪われる。
まだ、ミニカーメーカーは、bZ4Xをモデル化していないので、写真はトヨタのディーラーに展示されているカラーサンプルだ。ただ、このモデルをみても、これまでのミニカーとは一線を画すデザインだ。
ただ、このモデルが素晴らしいからこそ、ボクの心の中には大きな不安が広がっている。というのも、このbZ4Xに限らず、最近のBEVが、どれも同じようなデザインになっているということだ。電気自動車だからラジエターが不要で、当然ラジエターグリルは存在しない。そして、比較的大きなバッテリーを敷き詰めている関係で、ボディのデザインも、どうしても同じような感じにならざるを得ないのだ。
実は、ボクはミニカーとは別に携帯電話も、ショルダーフォンの時代から、ずっとコレクションを続けてきた。特にコレクションが盛り上がったのは、ガラケーの時代だ。この時代の携帯電話は、大きさも、デザインも、機能も実に様々でメーカーの創意工夫に溢れていた。まさに百花繚乱の時代だったのだ。ボクのコレクションケースも、その時代のガラケーを並べたところが、一番の盛り上がりを見せている。
そこにiPhoneが登場した。それは画期的だったのだが、iPhone5くらいのところで、ボクはコレクションをやめてしまった。スマホは、いくら並べても、個性がなく、見ていて楽しくないからだ。
このままBEV化が進展すると、ミニカーの世界でも同じことが起きる可能性が、十分あるのではないかという気がしてならない。ミニカーコレクションは、1世紀を超える歴史を持っている。その歴史が途絶えてしまう可能性をもたらすのが、BEVの普及なのではないだろうか。もちろん、ボクはそうならないことを心から祈っている。