荷台に荷箱を積めば移動販売が簡単。ダイハツから新ビジネスの提案

ダイハツNibako 移動販売の新しい提案

ダイハツ・ハイゼットの荷台に積んだNibakoを展開すると立体的なディスプレイに対応した移動販売店舗に

 ダイハツは9月6日、Nibako(ニバコ)の提供を開始した。これは、軽トラックの荷台に設置可能な荷箱(ニバコ)を活用して、移動販売を行いたい事業者をサポートするもの。ダイハツは「移動販売を始めたいという相談にも対応する」としている。移動販売用のツールを販売するだけでなく、移動販売がスムーズに営業できるようサポートしていく予定である。

 Nibakoはダイハツの軽トラック、ハイゼットに積載した状態でレンタルされる。料金は一日1万3200円(税込み)、1カ月6万6000円(同)の2タイプ。これはハイゼットのレンタルも含んだ料金である。荷物の積載や車両の返却にかかる時間などを考えれば、1カ月単位で借りるケースが基本になりそうだ。なお、将来的にはNibako単体でのレンタルも計画している。

ダイハツNibako 後方から見た状態

Nibakoはパネルの3面を開閉可能 付属のアルミ製ラックを活用すると上に変化をつけたディスプレイができる 当面は車両と組み合わせたレンタルになる

 Nibakoのサイズ(外寸)は全長×全幅×全高1900×1300×1300mm。重量は150kg。荷台に乗せて専用のベルトで固定し、販売先まで走っていける。
 Nibakoは助手席側パネル(扉)がガルウイング式に開閉し、運転席側と後方のパネルは上下に開閉。スライド式パーティションウオールとアルミ製ラック(2種類計4個)が付属する。

 ダイハツによれば、「3個所の扉を開くことで、ひとりでも簡単にお店の形態にすることができる」という。移動販売の店舗をテント型式で設営する場合、ひとりでテントを張る手間を考えれば、ニバコのほうが簡単にできそうだ。また、荷台にNibakoを積むだけなので、車両の改造届けは不要。
 Nibakoは、キッチンカーとしての利用には対応していない(調理不可の移動販売車)。移動販売のキッチンカーを開業する場合、車両の取得や調理器具や什器の購入、車両の改造など、多額の初期費用が必要になる。キッチンカーの場合、保健所から営業許可を受ける必要があるし、食品衛生責任者の資格も取得しなければならない。

奥平総一郎ダイハツ工業社長

Nibakoプロジェクトの発表会で使用例を説明する奥平総一郎ダイハツ工業社長 付属のアルミ製ラックを活用して商品展示が可能

 Nibakoはクルマとセットのレンタル料金になり、キッチンカーとして改造することはできないので、開業に必要な初期費用が抑えられる。また、ダイハツが事業の相談や移動販売に必要なスキル、ウェブを通じての出店告知(ウェブサイトの利用は無料)などに対応してくれるメリットがある。販売場所の紹介やマーケティング情報も提供してくれるから心強い。

 Nibakoのサービスは、東京/埼玉/千葉/京都の4都府県を中心に展開を予定している。移動販売のマルシェが大活躍しそうである。

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