ウェザーニューズ×トヨタ、IoTとビッグデータで気象予測の精度及びドライバーの安全向上を目指す共同研究を実施

 株式会社ウェザーニューズとトヨタ自動車株式会社は、ウェザーニューズが持つ気象データとトヨタのコネクティッドカーから得られる車両データを活用した、実証実験を東京都・大阪府・愛知県の3都府県を対象に、11月1日より開始した。

1a.jpg▲TOYOTAxウェザーニュースが気象観測・予測の精度向上やドライバーの安全向上を目指す共同研究を開始した

 今回の共同研究では、気象観測・予測の精度向上やドライバーの安全向上を目指すことを目標に、ワイパーの稼働状況と気象データから道路及びその周辺の状況を把握する実証実験が行われる。対象地域を走るトヨタのコネクティッドカーのワイパー稼働状況をマップに可視化し、実際の気象データと照らし合わせる。ワイパーの稼働状況は主に降水の有無と対応するため、ワイパーデータの活用により、一般的な雨雲レーダーでは捕捉できない降水状況の把握が期待できる仕組みだ。実証実験では、ワイパーデータと気象データとの関係を詳細に分析し、降水のほかにも、ワイパーの稼働に影響を及ぼす現象を捉えることを目指すとしている。

2a.jpg▲ワイパーの稼働状況と、雨に関する報告があった地点の比較図

 トヨタは、昨年6月に販売を開始したクラウン及びカローラスポーツを皮切りにコネクティッドカーの本格展開を開始しており、今後国内で発売するほぼすべての乗用車に車載通信機(DCM : Data Communication Module)を搭載していく。一方ウェザーニューズは、全国約1.3万地点の独自の観測網に加え、ユーザーから届く1日18万通もの天気報告を活用することで、高精度な天気予報を実現している強みを持っている。

両社は本共同研究を通して、気象データとコネクティッドカーから得られる車両データを「いざという時に役に立つ」情報として広く提供し、ドライバーのさらなる安全に寄与することを目指していく。

3a.jpg▲IoTとビッグデータで気象予測の精度及びドライバーの安全向上を目指す

 昨今、激甚化する気象現象やそれによる被害が社会問題となっており、これまで以上に局地性・即時性のある気象情報やその対応策情報が求められている。このようなニーズに応えるためには、より詳細で正確な気象状況をリアルタイムに把握することが必要だ。しかしながら、既存の気象観測器は設置場所や測定間隔が制限されてしまうという課題がある。

一方で、IoT技術の発達により、様々な機器が通信機能を持つ時代となっている昨今、車も同様にIoT技術を持つコネクティッドカーからは走行データや車のコンディションデータ寄せられ、これらの車両データから、車の走行や挙動に影響を及ぼす事象を捉えることが可能となっている。

 このような背景から、ウェザーニューズとトヨタは、ウェザーニューズが持つ気象データとトヨタのコネクティッドカーから得られる車両データを活用して、気象観測・予測精度の向上やドライバーの安全を目指す取り組みを開始した。従来のように気象現象を直接センサーで捉えるだけでなく、車両データと気象データというビッグデータを組み合わせて分析することによって、道路およびその周辺の実況把握への新たな活路が開けることが期待できる。両社は本取り組みの一環として、今夏、道路の冠水箇所を推測するAIアルゴリズムを開発、10月にも実証実験を行っている。

「ワイパー稼働実証実験」特設サイト
https://tpf.weathernews.jp/v/TOYOTA/wiper/intro/

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