ブリヂストン、テレダイン社が主導する月面探査車の開発チームに参画

 テレダイン・ブラウン・エンジニアリング(以下「テレダイン社」)は、同社が主導する有人月面探査車の開発チームにブリヂストンが参画することを発表した。この開発プロジェクトは、NASAの有人月面探査車(Lunar Terrain Vehicle、以下「LTV」)として使用されることを見据えたものだ。

暗い部屋の中に月面探査車用タイヤのコンセプトモデルが月の明かりのようなライトアップがされている写真

▲ブリヂストンが研究開発している月面探査車用タイヤのコンセプトモデル

 新たな領域に挑戦するNASAの宇宙開発ミッションには、月面の未踏の地を航行する有人自動運転が必要とされている。また、LTVには月面の激しい温度変化など過酷な環境下で、長期に渡って宇宙飛行士の移動と探索を支えることが求められる。この要求に応えるため、テレダイン社は、それぞれの業界をリードする北米日産、シエラ・スペース、テクストロン、そしてタイヤ・ゴム業界のリーディングカンパニーであるブリヂストンを加えて、強固なチームを結成した。ブリヂストンには、1931年の創業以来90年を超える歴史の中で、モビリティの進化を足元から支えてきたタイヤ技術・開発の幅広い知見があり、この国際的なパートナーシップはNASA、さらに月面探査ミッションへの強い貢献を約束するものだ。

■テレダイン社 President of Engineered Systems Segment スコット・ホール氏 コメント
「このパートナーシップは、我々のチームおよび我々の共創によって生まれる車両をより強いものにしてくれます。ブリヂストンの持つ知見は、我々の創る車両と、月そして月面での旅の成功のために、この上ない素晴らしい助けとなるでしょう。」

月面での有人探査活動に必要なモビリティ「有人与圧ローバ」

▲2019年にブリヂストンはJAXAとトヨタと共に国際宇宙探査ミッションへの挑戦を表明し、「有人与圧ローバ」用タイヤの研究を推進。探査車「LUNAR CRUISER(ルナ・クルーザー)」用タイヤ研究も推進している

 ブリヂストンは、タイヤのイノベーションにより、安心・安全な移動を支え続けてきた。2019年には、新たな挑戦として有人月面探査車での使用を想定したタイヤの研究開発をスタート。岩や砂に覆われ、激しい温度変化や放射線にさらされる過酷な月面の環境においても、世界の道を知っているブリヂストンの「接地を極める」技術を活用し、長期にわたって安全に機能するタイヤを目指して、金属製のエアレスタイヤのコンセプトモデルの開発・検証を進めている。

■株式会社ブリヂストン 次世代技術開発統括部門長 石山誠氏 コメント
「この月面探査車開発プロジェクトは人類の大きな挑戦であり、テレダイン社のチームに参画できることを大変誇りに思います。またこの取り組みは、ブリヂストンの企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げる「Extension 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと」の実現にもつながるものです。ブリヂストンは、新たなパートナーとの共創を通じて、人類の夢と移動の革新を足元から支えるさらなる挑戦を続けていきます。」

 

SNSでフォローする