いすゞ初のBEVピックアップトラック「D-MAX EV」の生産がタイにおいてスタート。まずは2025年夏より欧州主要国で発売予定

いすゞがブランド初のバッテリーEVピックアップトラックとなる「D-MAX EV」の生産をタイで開始。パワートレインにはシステム総出力140kW/325Nmを発生する前後モーターと総電力量66.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電走行距離はWLTPモードで263kmを実現。まずは左ハンドルモデルを生産し、2025年夏より欧州主要国への出荷を開始予定

 いすゞ自動車は2025年4月28日、ブランド初のバッテリーEVピックアップトラックとなる「D-MAX EV」の左ハンドルモデルを泰国いすゞ自動車(IMCT)のサムロン工場(タイ王国サムットプラカーン県)で開始したと発表した。

▲いすゞがバッテリーEVピックアップトラックの「D-MAX EV」の生産をタイで開始

▲いすゞがバッテリーEVピックアップトラックの「D-MAX EV」の生産をタイで開始

 1トン積みピックアップトラックのD-MAXは、泰国いすゞ自動車で生産するいすゞの国際戦略車で、現行モデルは第3世代(2019年デビュー)に位置し、アジア、欧州、中東、アフリカ、中南米、オセアニアなど100カ国以上の国と地域で販売。2023年10月には大幅改良を実施し、内外装デザインに磨きをかけるとともに、4×4走行性能の向上や機能装備のバージョンアップなどを図る。そして2024年3月開催のバンコク国際モーターショー(BANGKOK INTERNATIONAL MOTOR SHOW 45th)では電気自動車のコンセプトモデル「D-MAX EV CONCEPT」を参考出品し、多くの来場者から早期の市販化の声があがっていた。

▲パワートレインにはシステム最高出力140kW/最大トルク325Nmを発生する前後モーターのeアクスルと総電力量66.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。一充電走行距離はWLTPモードで263kmを実現

▲パワートレインにはシステム最高出力140kW/最大トルク325Nmを発生する前後モーターのeアクスルと総電力量66.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。一充電走行距離はWLTPモードで263kmを実現

▲充電に関してはAC普通充電とDC急速充電に対応。充電時間はAC(Max 11kW)充電で0→100%を10時間、DC(Max 50kW)充電で20→80%を1時間でこなす

▲充電に関してはAC普通充電とDC急速充電に対応。充電時間はAC(Max 11kW)充電で0→100%を10時間、DC(Max 50kW)充電で20→80%を1時間でこなす

 D-MAX EVはピックアップトラックのタフな基本性能はそのままに、商用・乗用の幅広いニーズに対応できるよう開発。新開発のeアクスルをフロントとリアに搭載したフルタイム4×4システムにより、高い悪路走破性およびBEV特有のリニアな加速感と、低騒音・低振動を高次元で両立させる。パワーユニットにはシステム最高出力140kW/最大トルク325Nmを発生するeアクスルの前後モーターと、総電力量66.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。既存のディーゼルエンジンモデル(4JJ3型2999cc直噴ディーゼルターボエンジン搭載車)と同等の使い方もできるよう、高出力を発揮する電気モーターの採用や、堅牢なフレームとボディの設計により高い牽引能力(最大牽引力3500kg)を確保した。性能面では最高速度が130km/h以上、一充電走行距離がWLTPモードで263km(WLTP市街地モードでは361km)、交流電力量消費率が同モードで255Wh/kmを実現。充電に関してはAC普通充電とDC急速充電に対応し、充電時間はAC(Max 11kW)充電で0→100%を10時間、DC(Max 50kW)充電で20→80%を1時間でこなすという。

▲D-MAXならではの2本の太い横バーを配したフロントマスクやダブルキャブの存在感あふれるボディなどを踏襲したうえで、EVのクリーンさを強調するブルーのアクセントバーなどを専用装備する

▲D-MAXならではの2本の太い横バーを配したフロントマスクやダブルキャブの存在感あふれるボディなどを踏襲したうえで、EVのクリーンさを強調するブルーのアクセントバーなどを専用装備する

▲ボディサイズは全長5280×全幅1870×全高1810(ルーフレール込)mm、ホイールベース3125mmに、車重は2350kgに設定

▲ボディサイズは全長5280×全幅1870×全高1810(ルーフレール込)mm、ホイールベース3125mmに、車重は2350kgに設定

 エクステリアについては、D-MAXならではの2本の太い横バーを配した力強いフロントマスクやダブルキャブの存在感あふれるボディなどを踏襲したうえで、EVのクリーンさを強調するブルーのアクセントバーやブルー基調の“EV”エンブレムなどを専用装備。インテリアは大型ディスプレイなど最新の先進機能装備を配するとともに、シックかつ上質なアレンジでキャビン空間を仕立てる。ボディサイズは全長5280×全幅1870×全高1810(ルーフレール込)mm、ホイールベース3125mmに、車重は2350kgに設定。乗車定員は5名で、最大積載量1010kg、最小回転半径6.1mを実現している。

▲ブルー基調の“EV”エンブレムをリアゲートに装着

▲ブルー基調の“EV”エンブレムをリアゲートに装着

▲大型ディスプレイなど最新の機能装備を配するとともに、シックかつ上質なアレンジでキャビン空間を仕立てる

▲大型ディスプレイなど最新の機能装備を配するとともに、シックかつ上質なアレンジでキャビン空間を仕立てる

 なお、いすゞは左ハンドルモデルのD-MAX EVを2025年夏より欧州主要国へ出荷すると予告。また、本年末からは右ハンドルモデルも生産し、2026年より英国での販売開始した後、各国・地域のクルマの使われ方やインフラの整備状況など市場特性やニーズに応じて、展開エリアを順次グローバルに拡大していくとアナウンスしている。

 

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