イタリアは大好きです。デザイン、食事、ファッション、クルマ、そして映画、私の好きなものの「本物」がそこにあった、というイメージです。確か1994年ごろでしょうか、サッカーのトップリーグ(セリアA)を観戦するために初めてイタリアを訪れ、それを実感しました。いまでは年に5〜6回、ナポリやボローニャ、ミラノを訪れています。ちょっと気取った言い方をすると、「感性を確かめるため」のスペシャルタイムですね。
イタリア車とのつきあいは長いです。人生初の愛車はホンダ・シティだったのですが、次にジウジアーロがデザインした初代フィアット・パンダに乗り換えました。それ以降は、車歴の9割以上がイタリア車です。もう30台以上は乗っています。パンダは本当に楽しいクルマでした。運転するのも面白いし、デザインもいい。私がイタリア車を好きなのは、性能もそうですが、工業製品としての美しさを感じるからです。ランチア、アルファロメオ、マセラティなど、さまざまなイタリアンブランドに乗ってきていますが、デザインの美しさは、どれも変わらない。イタリア車の大きな魅力だと思います。
中でも先日ガレージに収めた1967年モデルのアルファロメオ・デュエットは素晴らしいと思います。往年のスペシャルモデルのボディは、カロッツェリアが担当していました。エンジンなどのメカとデザインが別々に動いていたのです。それぞれの素晴らしい職人技の競演というのでしょうか。デュエットはピニンファリーナの作品で、デザイナーの主張が感じられます。いつも見惚れてしまいます。完璧なバランスの持ち主ですね。
現在、アルファロメオのステルヴィオを日常の足にしていますが、先日、ジュリア・クアドリフォリオのラストモデルを発注してしまいました。デュエットも含め、この3台は私にとって究極の選択です。とはいえ実は、原点回帰として初代フィアット・パンダも探しています。ドイツ車にも過去2台ほど乗りましたが、どうも違うと感じました。対してイタリア車は肌が合う。しっくりとなじみます。デザインがいいだけでなく十分に実用的ですし、本当に魅力的です。
しのはら だい/1973年、東京都生まれ。シノハラタイヤ株式会社 代表取締役。日々ユーザーの側に立ったサポートを提供するタイヤのプロフェッショナル。タイヤ選びをカーライフの大切なイベントと捉え、最良の商品とサービスの提供を心がける。最重視項目は安心。愛車のデュエットにはミシュランのクラシックタイヤを装着していた