マツダ、ロードスターに2.0Lエンジンを積んだソフトトップモデルのコンセプトカーを披露

 マツダは、は、2024年1月12日~14日に千葉県の幕張メッセで開催された「東京オートサロン 2024」において、スーパー耐久シリーズ参戦車両やコンセプトカーなどの車両の展示を行った。このページでは初公開された「MAZDA SPIRIT RACING RS concept」にフォーカスする。

東京オートサロン2024 マツダブース 展示車両

▲東京オートサロン2024 マツダブース 「MAZDA SPIRIT RACING RS concept (左)」と「MAZDA SPIRIT RACING 3 concept(右)」

 NDロードスターベースの「MAZDA SPIRIT RACING RS concept」は、街中からサーキットまで楽しく走れるクルマを目指し開発中の、MAZDA SPIRIT RACINGブランドが手掛けるスペシャルモデルの第一弾コンセプトカーだ。

 最も注目なのは、国内初投入の2.0リッターエンジンを搭載したソフトトップモデルという点だろう。日本国内ではソフトトップのNDロードスターに組み合わされるエンジンはSKYACTIV-G 1.5のみだった。従来モデルに対してサーキットではより意のままに操れると共に、日常では上質な乗り味の実現を目指している。

 スーパー耐久レース活動を通して培った足回り、エアロダイナミクスの進化、それらに合わせた内外装のアピアランスにも磨きをかけており、「速さ」と「質感」に拘るMAZDA SPIRIT RACINGならではの価値を体現したハイパフォーマンスモデルに仕上がっている。

MAZDA SPIRIT RACING RS concept

▲MAZDA SPIRIT RACING RS concept

 エクステリアではグレーにペイントされたフロントアンダースポイラー、サイドエアロ、インチアップされた17インチホイールが目を引く。

 ホイールサプライヤーはRAYSで、TE37 SAGA SLと発表されているが、センターキャップはMAZDA SPIRIT RACINGのものが装着されている。話を聞くと、このコンセプトカー自体を1つのパッケージとして販売したい、と考えているとのことだ。タイヤサイズはフロント・リア共に17X8.5J、タイヤサイズは215/45 R17、タイヤメーカーはBRIDGESTONE POTENZA RE-71が装着されていた。

フロントアンダースポイラー

▲フロントアンダースポイラーの意匠は、スーパー耐久シリーズに参戦する「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」のエアロ造形に近い

 今回のコンセプトカーは、ロードスターの楽しさに「速さ」をプラスしたコンセプトカーということに注目したい。決してオリジナルのNDロードスターが「街中からサーキットまで楽しく走れないというクルマ」という意味ではないが、やはりスポーツカーにとって「速さ」は大きな要素である。

 クローズドコース(サーキット)に通っていると、操る楽しさとともに、「速さ」が楽しさの基準になっていくユーザーが多いことも事実だ。他のクルマと混走になる以上気になるのは仕方がない。

 また、サーキットでの激しいGを耐えるために純正3点シートベルトでは身体を支えるのが難しく感じること。また、ブレーキから発せられる熱などの物理学的な問題に対処する必要があることなど、サーキットではドライバーは多くのことを考えながら走行しなくてはならず相当なストレスがかかってくる。そういった意味で、今回のコンセプトカーの提案はクルマの性能を上げることによってドライバーを助けて、「ドライビングに集中」できるクルマの提案といった側面が強いと筆者は感じた。

サイドエアロ

▲サイドエアロ

サイドミラー

▲サイドミラー、赤いデカールラインが目を引く

リアアンダーエアロパーツ

▲リアアンダーエアロパーツ

 「MAZDA SPIRIT RACING RS concept」をよく見ていくと、スーパー耐久シリーズに参戦するガソリン代替となるカーボンニュートラル(CN)燃料を使用した「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」とデザインの類似点を随所にみられる。ROADSTER CNF conceptに搭載されるエンジンは2.0L SKYACTIV-Gで、エンジンは吸排気系を中心にチューニングが実施され最高出力は200psにも及ぶと公表されている。

スーパー耐久シリーズ ST-Qクラスに参戦している「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」

▲スーパー耐久シリーズ ST-Qクラスに参戦している「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」

 インテリアに目を向けると、エクステリア同様に「モータースポーツ直系」のイメージが強い、機能的なモディファイが施されている。

 インテリアトリムは、スウェード調にレッドステッチの組み合わせで、クラスレスのスポーツカーイメージ。ステアリングもレーシングカーに多用される滑りにくいスウェード調に、ステアリングセンターマークがついたものに変更されている。操作系の手の触れる部分はホワイトステッチながら、シフトノブ、サイドブレーキノブと素材と色合いを揃えることで統一感を演出している。

「MAZDA SPIRIT RACING RS concept」インテリア

▲「MAZDA SPIRIT RACING RS concept」インテリア

RECAROとMAZDA SPIRIT RACINGのダブルネームの入ったスポーツシート

▲RECAROとMAZDA SPIRIT RACINGのダブルネームの入ったスポーツシート

 シートもレカロ製に交換されており、サベルト製のレーシングハーネスが付属する。アイボルト固定の処理もとてもきれいに収まっている。

 サーキット走行をすることを考えるとロールバーもほしくなるが、装着するとロードスターの幌を開けた際の解放感とトレードオフになるので、悩ましいところだ。

MAZDA SPIRIT RACINGのエンブレム

▲MAZDA SPIRIT RACINGのエンブレム

 マツダのモータースポーツ活動「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING」は、モータースポーツをより身近で気軽に楽しむ、ジャンルを問わず道具を操ることやスピードスポーツを楽しんでいる人と、その世界に憧れる人や応援される人とが繋がる。そして「共に挑む」のスローガンのもと、カスタマーやオーディエンスと一緒に盛り上げていくことを目指しており、実車を使ったモータースポーツ活動、レーシングシミュレータ「グランツーリスモ」を使ったeSPORT活動や、「MAZDA SPIRIT RACING COLLECTION」の販売、イベント開催などを行っている。更なるブランド成長に注視していきたい。

SNSでフォローする