【最新モデル試乗】なぜホンダN-BOXは人気者なのか!? 実際に乗って分かった、その秘密

メイン

ホンダN-BOXカスタム(FF)/価格:CVT 184万9100円。カスタムはスポーティ志向のスタイリング。写真のボディカラーはトワイライトミストブラックパール。造形は従来からのイメージを踏襲。Kカーとは思えない「いいもの感」が魅力

走り出した「日本の代表車」はタイプ別に絶妙セッティング

 新型N-BOXを公道でドライブした。試乗車は、自然吸気ユニット(58ps/65Nm)を搭載した標準モデルとカスタムである。同一エンジンの2台の印象は「共通だろう」と想像していたが、乗り比べると違いがあった。
 まず、内外装から。スタイリングの印象はキープコンセプトながら、カスタムはより精悍に、スタンダードはいっそう可愛らしいイメージとなった。

リア

標準

 大きく開くドアを開けて車内に入る。Kカー規格ながら余裕たっぷり。車内の広さが際立って感じられる。背が高く、ボクシーな利点がフルに生かされている。
 インテリアは大幅イメージチェンジ。液晶メーターは、さまざまな情報を表示できるうえ、背景が変わるカレンダーなども表示できて楽しい。水平基調のインパネ、そして形状や配置を工夫したピラーにより、広い視界を実現していることも特徴のひとつだ。

 試乗の舞台は、横浜みなとみらい界隈の一般道と首都高速。エンジンが共通で、タイヤ銘柄とサイズ(155/65R14)までまったく同じだったが、カスタムと標準モデルは、微妙な違いがある。これは走り始めてすぐに実感した。

 どちらも乗り心地がよい点は印象的。とはいえカスタムのほうがわずかに硬さを感じる。ステアリングを切っても、カスタムのほうがこれまた微妙に応答遅れが小さく、しっかり感がある。

 サスペンションもタイヤも同じなのにどうしてこのような違いが生まれるのか、その答えはホイールにあった。カスタムはアルミ、標準モデルはスチールを装着している。これぐらいのサイズだと重量はそれほど差がないのだが、剛性が異なる。体感した微妙な差は、ホイール剛性の違いによるものだ。カスタムはスポーティなイメージどおりのドライブフィールとなっている。ただし、全体としてハンドリングはおだやかな味付け。従来のように予想以上に曲がりすぎて修正舵を要するような状況にはなりにくい。

インパネ

シート

 動力性能は満足できるレベル。自然吸気としては力感もあり、レスポンスがよくて扱いやすい。市街地を中心に走る分には大きな不満は感じない。違いを感じた点は、カテゴリートップレベルという静粛性だ。フロア側のみ新たな遮音対策を施した標準モデルでも十分に静かだが、ルーフ側にも対策したカスタムはさらにその上をいく。市街地を低速で走る分にはあまり違いはないが、都市高速を巡行したときのロードノイズ系の音に明らかな差があった。カスタムのほうが車内前後席間における会話明瞭度が高い。

 前方の状況を広角カメラで捉える先進運転支援装備は、好天時にごく普通に走る分には何の不安もなく使えることはわかった。別の機会にいろいろなシチュエーションで試してみたい。
 新型はKカー界の王者にふさわしい、洗練度を高めた成熟モデルに仕上がっていた。

ホンダN-BOX主要諸元

エンブレム

グレード=カスタム(FF)
価格=CVT  184万9100円
全長×全幅×全高=3395×1475×1790mm
ホイールベース=2520mm
トレッド=フロント:1305/リア:1305mm
車重=920kg
エンジン=658cc直3DOHC12V
エンジン最高出力=43kW(58ps)/7300rpm
エンジン最大トルク=65Nm(6.6kgm)/4800rpm
WLTCモード燃費=21.5km/リッター(燃料タンク容量27リッター)
(市街地/郊外/高速道路:18.8/23.3/21.7km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:車軸式
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=155/65R14+アルミ
駆動方式=FF

フォトギャラリー

SNSでフォローする