【ボクらの時代録】2002年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。7代目ホンダ・アコード(CL7/8/9型)が提示した走りの本質

アコード メイン走りの高い質感に感銘。世界トップ級だ!

 7代目アコードが走り出した。新型は再びボディサイズが拡大し、全長&全高はそれぞれ30mm、全幅は65mm大きくなった。3ナンバー規格として全幅の拡大が目立つ。これはヨーロッパ仕様とボディ共用化を図った結果だ。新型セダンの特徴のひとつは、空力性能が極めて優れていることだ。Cd値は実に0.26。メルセデスCクラスと並ぶ世界トップランクの数値だ。これもアコードが欧州マーケットを強く意識している証拠である。
 インテリアは、ダッシュボードのデザインがT字型で、コンサバティブな印象だ。全体の質感はとても高く、キャビン、トランクスペースはともに広い。

走りユーロR

 走りは高い質感が印象的である。EPS(電動パワーステアリング)付きでは、「間違いなく世界最高!」と評価できる。自然で滑らかなステアリングフィール、そしてばね下の軽やかな動きが洗練されたフットワークテイストに結びついた。走りの質感は「日本の4気筒セダンとしては最上レベル」といえる。しかも高速走行中の風騒音が小さいのは、前述の空力性能のよさが生きている印象だ。

 試乗車は2.4リッター(200ps/23.1kgm)を搭載する24TLと、2リッター(155ps/19.2kgm)の20EL。加速能力では当然24TLが優れている。とはいえ実際にドライブした時のフィーリングは2リッターエンジンもよく頑張っている。軽快感が強い回転フィールや、使用燃料の差が生み出す経済性までを考えると、お勧めは2リッターモデルといいたい。

 サスペンションは基本的に同じ仕様。が、厳密にいうと路面とコンタクトするタイヤの1㌅の違いによって、わずかだが差を感じた。この点でも、2リッターモデルのほうがトータルバランスで勝っていて、好印象だ。
(河村康彦/2002年12月10日号)

7代目ホンダ・アコード・プロフィール

 2002年10月にデビューした7代目は「走りの本質」を追求した本物志向の意欲作。ワールドカーだけに世界各地のマーケットに最適設計のモデルを提供することがアコードの特徴だが、7代目の日本仕様は欧州仕様と基本的に共通だった。ボディタイプはセダンとワゴンの2種。ともにシャープなフォルムを持ち、セダンは当時クラストップ級のCd値0.26を達成。ワゴンもロングルーフ形状により優れた高速安定性を実現していた。

ワゴン

 エンジンは新世代の2.4リッター(200ps)と2リッター(152ps/155ps/220ps)の2シリーズ。2リッターの220ps仕様はスポーツグレードのユーロR専用ユニットでトランスミッションは他グレードの5速ATに対し6速MTが組み合わされた。7代目の最大の魅力は走りの完成度、強靭なボディ、しなやかな足回り、そして伸びやかなパワーユニットにより、通常ユースから高速ツーリングまで高い安定性と快適な乗り味を実現した。ハンドリングも秀逸。ハイレベルの運動性能は、単に意欲的なメカニズムを導入しただけでなく、それらがフルに機能するように徹底的な走り込みで磨き上げたことを示していた。

2002年の時代録/北朝鮮から拉致被害者が帰国

【出来事】小泉首相と金正日総書記による初の日朝首脳会談開催/北朝鮮に拉致されていた日本人5人が帰国/マイクロソフトが家庭用ゲーム機のXboxを日本で発売/楽曲を携帯電話の着信音にできる『着うた』サービスがスタート/多摩川の丸子橋付近にゴマアザラシのタマちゃんが出現/日本と韓国が共同でサッカーW杯を開催。日本は初の決勝トーナメント進出【音楽】オリコンシングル年間1位浜崎あゆみ『H』【映画】邦画配給収入1位『猫の恩返し』洋画興行成績1位『ハリー・ポッターと賢者の石』

2002年ホンダ・アコード主要諸元

グレード=アコード24TL
新車時価格=5AT 245万円
全長×全幅×全高=4665×1760×1450mm
車重=1430kg
エンジン=2354cc直4DOHC16V(200ps/23.7kgm)
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン

表紙

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