スズキがインドでコンパクトSUVの新型ブレッツァを発売。成長傾向にあるインドのSUVセグメントでの拡販を狙う

スズキのインド生産のコンパクトSUV「ビターラ ブレッツァ」が単独ネームの「ブレッツァ」に改称して新型に移行。パワーユニットにはマイルドハイブリッドの1.5Lデュアルジェットエンジンを搭載

 スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディア社(マルチ・スズキ社)は2022年6月30日(現地時間)、コンパクトSUVの「ビターラ ブレッツァ(VITARA BREZZA)」を全面改良し、独立車種の「ブレッツァ(BREZZA)」として発売した。

▲インドのマルチ・スズキがコンパクトSUVの新型ブレッツァを発売。内外装をよりスタリッシュなデザインに刷新するとともに、先進機能の拡充や環境性能の向上を図る
▲インドのマルチ・スズキがコンパクトSUVの新型ブレッツァを発売。内外装をよりスタリッシュなデザインに刷新するとともに、先進機能の拡充や環境性能の向上を図る

 初代のビターラ ブレッツァは、スタイリッシュな都市型のコンパクトSUVとして2016年にインドで発売して以来、インドのSUV市場でマルチ・スズキ社の販売を牽引し、これまでにインド国内で累計約75万台を販売。2017年にはインドのカー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。

▲ボディサイズは全長3995×全幅1790×全高1685mm、ホイールベース2500mmに設定。ボディ周囲に樹脂材のクラッディングを配するなどして下回りの力強さを強調する
▲ボディサイズは全長3995×全幅1790×全高1685mm、ホイールベース2500mmに設定。ボディ周囲に樹脂材のクラッディングを配するなどして下回りの力強さを強調する

 今回の全面改良で第2世代、しかも独立車種に移行した新型ブレッツァは、内外装をよりスタリッシュなデザインに刷新するとともに、先進機能の拡充や環境性能の向上を鋭意図ったことが特徴である。
 まずエクステリアは、フードやベルトラインをより強調することで、SUVらしい大胆でスポーティなアピアランスを創出。具体的には、ボディ周囲に配した樹脂材のクラッディングやシルバー塗装の前後スキッドプレート、クロームアクセントを配したフロントグリル、新造形のLED DLR付デュアルLEDプロジェクターヘッドランプおよびLEDリアコンビネーションランプ、シャークフィン形状のアンテナ、ボールドジオメタリックの新アロイホイール、ブラックルーフの2トーンボディカラーなどを新採用する。ボディサイズは全長3995×全幅1790×全高1685mm/ホイールベース2500mmと、全高が45mmほど高くなった以外は従来サイズをキープした。

▲新造形のLED DLR付デュアルLEDプロジェクターヘッドランプ(写真・上)およびLEDリアコンビネーションランプ(同・下)を装備
▲新造形のLED DLR付デュアルLEDプロジェクターヘッドランプ(写真・上)およびLEDリアコンビネーションランプ(同・下)を装備
▲足もとにはボールドジオメタリックの新アロイホイールを装着。タイヤサイズは215/60R16
▲足もとにはボールドジオメタリックの新アロイホイールを装着。タイヤサイズは215/60R16

 内包するインテリアは、先進装備の採用や機能性の向上を果たす目的でインパネデザインを刷新したことがトピックだ。先進装備としては、全方位モニターに対応し、かつスマートフォンと接続可能な9インチの大型タッチパネル式ディスプレイオーディオ、車速やエンジン回転数、瞬間燃費など必要な情報をフルカラーで見やすく表示するヘッドアップディスプレイ、新デザインのメーターディスプレイなどを採用。さらに、車両へのデータ送受信を可能とする車載通信機を標準搭載して、コネクテッドサービスの「スズキコネクト」に対応させる。一方、キャビン空間はブラックとブラウンの2トーンカラーでアレンジし、アクセントとしてインパネやステアリング、ドアトリムなどにシルバーの加飾を施すことで、上質かつ都会的な雰囲気を演出。後部座席のシート幅を従来より広げ、同時にエアコン吹き出し口やUSB電源ソケットなどを新たに装備して快適性を高めたことも、新型ブレッツァの特徴だ。

▲全方位モニターに対応し、かつスマートフォンと接続可能な9インチの大型タッチパネル式ディスプレイオーディオを採用
▲全方位モニターに対応し、かつスマートフォンと接続可能な9インチの大型タッチパネル式ディスプレイオーディオを採用
▲キャビン空間はブラックとブラウンの2トーンカラーでアレンジ。後部座席はシート幅を従来より広げて快適性を高めた
▲キャビン空間はブラックとブラウンの2トーンカラーでアレンジ。後部座席はシート幅を従来より広げて快適性を高めた

 パワーユニットに関しては、“DualJet(デュアルジェット)エンジン”1462cc直列4気筒DOHC16V・VVT直噴ガソリンユニット(最高出力101ps/6000rpm、最大トルク136.8Nm/4400rpm)に、電気モーターおよびリチウムイオン電池で構成するモーターアシストを組み合わせたマイルドハイブリッドを搭載。トランスミッションには専用セッティングの6速ATまたは5速MTを組み合わせている。

▲パワーユニットには “DualJetエンジン”1462cc直列4気筒DOHC16V・VVT直噴ガソリンユニットに、電気モーターおよびリチウムイオン電池で構成するモーターアシストを組み合わせたマイルドハイブリッドを採用
▲パワーユニットには “DualJetエンジン”1462cc直列4気筒DOHC16V・VVT直噴ガソリンユニットに、電気モーターおよびリチウムイオン電池で構成するモーターアシストを組み合わせたマイルドハイブリッドを採用

 なお、スズキは成長傾向にあるインドのSUVセグメントでのシェアアップを目指して、新型ブレッツァの拡販を図るとともに、8月よりインドのトヨタ・キルロスカ・モーターで生産を開始する、スズキが開発した新型SUVを市場に投入する予定。これにより、スズキが中期経営計画で掲げた「インド乗用車シェア50%以上」を実現する目論見だ。

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