【最新モデル試乗】ヤリスクロスGRスポーツは、意のままのハンドリングが光るSUVの代表である!

トヨタ・ヤリスクロスGRスポーツ 価格/ガソリン:235万7000円 HV:275万円 試乗記

トヨタ・ヤリスクロスGRスポーツ/価格:CVT 236万7000円(ハイブリッドは275万円)。GRスポーツはGグレードがベース。車高は標準車比10mm低い。足元は215/50R18ファルケンFK510+専用アルミ。ブレーキキャリパーはレッド塗装

トヨタ・ヤリスクロスGRスポーツ/価格:CVT 236万7000円(ハイブリッドは275万円)。GRスポーツはGグレードがベース。車高は標準車比10mm低い。足元は215/50R18ファルケンFK510+専用アルミ。ブレーキキャリパーはレッド塗装

GRスポーツはドライバー優先設計を徹底

 人気のヤリスクロスにGRスポーツが追加された。GRスポーツとは、ワインディングロードや高速道路での「スポーティで楽しい走り」を重視したスペシャルグレード。標準モデルよりはドライバー優先設計を徹底し、しかも快適性や実用性が基本的に損なわれていないのがGRスポーツの特徴といえる。

ヤリスクロス正面

ヤリスクロス リア

 ランドクルーザーやコペンなど、従来のGRスポーツ各車はサスペンション系とボディの強化、そして内外装のドレスアップが中心メニューだった。
 ヤリスクロスではここから一歩踏み込んでいる。ハイブリッドシステムの過渡特性を改良したのだ。ソフトウェアに手を加えてアクセル応答性を改善するとともに、ドライブシャフトの捻り剛性を向上させ、駆動力がよりダイレクトにタイヤに伝達されるようにチューニングしたという。

乗り味はソリッド。ドライバーの意思に忠実に応える!

 ラインアップはハイブリッドと純エンジンの2種。まずは1.5リッターエンジン(120ps/145Nm)のGRスポーツに試乗した。走りは適度に硬質な印象。確かにタウンスピード域では路面からゴツゴツした感触が伝わってくる。だが、そうしたショックは決して直接的なものではない。またショックが加わった後でボディにいやな微振動が残ることもない。この辺はセンタートンネル部に追加されたブレースとボディ後端に取り付けられたロアバックブレースの効果だろう。いずれにせよ、極端に不快な乗り心地ということはなく、「スポーティでソリッドな感触」の範囲に留まっていた。

ヤリスクロス タイヤ

ヤリスクロス インパネ

 この「ちょっと硬めな足回り」は、ワインディングロードで意外なほどの効果を発揮してくれた。コーナーに向けてステアリングを切り込むと、操舵したら操舵した分だけ確実に進路が変わる。しかもドライバーの想像を超えて鋭敏に反応するということもない。見事なリニアリティを実現していた。
 ファルケンのスポーツタイヤ(FK510SUV)を標準装着しているだけあって、グリップレベルは上々。コーナリング中にステアリングを切り増しても正確に応答してくれる点が頼もしい。

 一方、オリジナルそのままの1.5リッターの3気筒ユニットは、決して力不足というイメージではないが、アクセル開度が20%ほどを超えると急激に振動と騒音が高まってしまうのが残念。端的にいうとノイジーで、積極的にアクセルペダルを踏み込もうという気持ちが削がれてしまう。

 その点、1.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドはパワーで31%、トルクで21%ほど上回っているため、結果的にアクセル開度が小さくなり、騒音と振動のレベルが抑えられる点がうれしい。また、GRスポーツならではのレスポンス改善も実感できる。もちろんキビキビとしたパワートレーンと、ちょっと固められた足回りとの相性は良好である。
 予算が許すのであれば、ハイブリッドのヤリスクロスGRスポーツがお勧めといえるだろう。

ヤリスクロス エンブレムトヨタ・ヤリスクロスGRスポーツ主要諸元

グレード=GRスポーツ
価格=CVT 236万7000円
全長×全幅×全高=4185×1765×1580mm
ホイールベース=2560mm
トレッド=フロント1515/リア1515mm
エンジン=1490cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=88kW(120ps)/6600rpm
最大トルク=145Nm(14.8kgm)/4800〜5200rpm
WLTCモード燃費=17.6km/リッター(燃料タンク容量42リッター)
(市街地/郊外/高速道路:13.3/18.7/19.6 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=215/50R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m

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