【CD取材ノート】いすゞジェミニ・イルムシャーDOHCで激走。格上モデルを凌ぐ速さを見せつけた! by 山本シンヤ

イルムシャーメインボクのわがままと理想を叶えた「The テンロクスポーツ」

 18歳で免許を取り、自宅から学校に通うことを条件にクルマの購入を許可してもらった。
 予算と用途(峠を走りたかったので)から1.6リッターエンジンの「テンロクスポーツ」に的を絞るが、私は当時定番だったAE86/シビックではなく「いすゞジェミニ・イルムシャーDOHC」を選択。当時、自動車雑誌はチューニング系、ファッション系、更には蘊蓄系までありとあらゆるジャンルを読んでいた。そんなこともあり愛車に求める要素は多彩。その全ての要望を叶えてくれる一台がコイツだった。

ジェミニdohcスタイル

ジェミニdohcエンジン

 ジウジアーロが関与した内外装デザイン、VTEC登場まではテンロクトップレベル135psを誇る1.6リッターDOHC(4XE1)、イルムシャーチューンのサスペンション、60偏平タイヤ、レカロシート/MOMOステアリングと学生には贅沢すぎる内容ながらも、AE86/シビックよりもリーズナブルな中古車価格……確か5年落ちで58万円だったと思う。

 初めての愛車、あまりに走るのが楽しくて学校から帰ってきてから夜な夜な峠を走り回った。その結果、燃料は一晩で空になってしまうことも度々。遠出もしていないのに年間3万kmくらい走っていたと思う。更にドライビングはもちろん、チューニング/整備のイロハを学んだ。サスペンション交換、アライメント調整、ブレーキ交換、タイヤ交換など、やれる事は全て自分でやった。もちろん数々の失敗も経験したが……。

イルムインパネ

イルムシート

 地元の峠は週末になると多くの走り屋が集まっていた。ジェミニは小数派だったためオーナー同士の絆が強かったのも覚えている。排気量もパワーも格上モデルに勝負を挑むためチューニングに精を出した事もあったが、最後は「トータルバランス」だと言うことに気が付いた。当時ジェミニ乗りの中では結構「イケてた」と自負している(笑)
 そんなジェミニは超お気に入りで、結局3台乗り継いだ。今は街で見かけることがほとんどないが旧車のイベントなどで見かけると、当時の淡い記憶がスッと蘇ってくる。

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