日産自動車は11月5日、フェイリフトを実施した新型ピックアップトラック「ナバラ(NAVARA)」を発表し、2020年12月にタイにて販売を開始、後にその他の地域でも発売を予定しているとアナウンスした。
ナバラはアジアやオセアニア地域などで販売するピックアップトラックで、現行モデルのD23型系(2014年デビュー)は第4世代に当たる。中南米などでは「フロンティア(FRONTIER)」の車名でリリース。源流となるダットサントラックから数えると80年以上に渡って生産される、日産の重要な国際戦略車だ。
今回のフェイスリフトは、内外装デザインを刷新したほか、安全性や快適性、そして走行性能を着実にレベルアップさせたことが特徴だ。また、日常からの脱却を求める冒険家や旅行者が使うことをイメージしたスタイルパッケージ「PRO-4X」を新たに設定した。
まず車体に関しては、リアアクスルの強化や荷台スペースの拡大によって積載可能重量を引き上げたことがトピック。また、リアバンパーにステップを新設して荷台への乗降性を高める。さらに、新開発のステアリングラックを組み込んで低速域を含む様々な速度レンジでの操縦性を向上させた。ほかにも、フレームとボディの接合部強化やサスペンションの設定変更などを実施し、車室内の振動を大幅に低減するとともに静粛性も高めて快適な移動空間を創出している。
一方、エクステリアは“頑丈”をテーマにデザインし、過酷な環境下での使用を想定して造られた、無骨で大胆かつスタイリッシュな外観に仕立てる。具体的には、堅牢さを表すインターロッキングデザインのフロントグリルや力強い印象を与えるC字型のヘッドランプデザイン、抑揚をつけたフェンダー造形、フロントと同じくC字型のランプを組み込んだ縦長のリアコンビネーションランプなどを採用し、ひと目でナバラとわかるデザインでありながら、より堂々とした存在感たっぷりのルックスを実現した。また、PRO-4Xには黒塗装のエンブレムやオレンジのアクセントを入れたフロントバンパー、ブラックで仕上げたグリル/ドアハンドル/ルーフラック/ランニングボード、17インチブラックホイール+オールテレーンタイヤなどを組み込み、アクティブなスタイリングをいっそう強調している。
内包するインテリアは、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応した8インチのタッチスクリーンを配するインフォテインメントシステムやTFT液晶ディスプレイを組み込んだメーター、新造形のステアリングホイールなどを採用したことが訴求点。また、リアシートの形状を刷新して座り心地を向上させたほか、格納式アームレストにカップホルダーを内蔵して利便性を高める。内装カラーはブラック、グレー、ライトグレーの3種類を設定。シート表皮には、通常のファブリックのほかに本革タイプを用意した。
パワーユニットに関しては、2.3リットル直列4気筒DOHC直噴ディーゼルのシングルターボ仕様(163ps/403Nm)とツインターボ仕様(190ps/450Nm)を搭載。トランスミッションには6速MTと電子制御7速ATを設定し、2WD(FR)または4WDの駆動方式を選択できる。また、「ニッサン インテリジェント モビリティ」の技術として、前方の車両や歩行者との衝突回避をサポートするインテリジェント エマージェンシーブレーキ、2台前を走る車両を検知して前方に潜む危険に対して注意を促すインテリジェントFCWなどを装備。さらに、4つのカメラを配した先進のインテリジェント アラウンドビューモニターのほか、4WDモードで低速走行した際に周囲の障害物を確認できるオフロードモニターを新たに組み込んだ。