マツダが新型クロスオーバーSUV「CX-60」の日本仕様を公開。発売開始は本年初秋を予定

マツダのクロスオーバーSUVのラージ商品群第1弾「CX-60」の日本仕様が発表。パワーユニットにはブランド初のプラグインハイブリッド「e-SKYACTIV PHEV」や直6ディーゼルの48Vマイルドハイブリッド「e-SKYACTIV D」など計4機種を設定

 マツダは2022年4月7日、“ドライビングエンターテインメントSUV”をコンセプトに開発した新型クロスオーバーSUV「CX-60」の日本仕様を初公開した。発売は本年初秋を予定する。

▲“ドライビングエンターテインメントSUV”をコンセプトに開発した新型クロスオーバーSUV「CX-60」の日本仕様。発売は本年初秋を予定。上の写真は都会的なセンスで作り上げたモデルの「プレミアムモダン」
▲“ドライビングエンターテインメントSUV”をコンセプトに開発した新型クロスオーバーSUV「CX-60」の日本仕様。発売は本年初秋を予定。上の写真は都会的なセンスで作り上げたモデルの「プレミアムモダン」

 マツダは昨年10月に2022年以降のクロスオーバー商品群の拡充計画を発表しており、その中でラージ商品群に位置するCX-60(2列シート)は、日本や欧州などの市場に導入。また、各国での電動化ロードマップに対応し、様々な電動化パワートレインの選択肢を提供すると予告している。

▲ボディサイズは全長4740×全幅1890×全高1685mm、ホイールベース2870mmに設定。上の写真は上品さと力強さを高度にバランスさせて作り上げたモデルの「プレミアムスポーツ」
▲ボディサイズは全長4740×全幅1890×全高1685mm、ホイールベース2870mmに設定。上の写真は上品さと力強さを高度にバランスさせて作り上げたモデルの「プレミアムスポーツ」

 今回発表された日本仕様のCX-60は、マツダの新世代車体構造技術「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を、高出力化と環境性能を高次元で両立する縦置きパワーユニットに対応させて採用。特性としては、遅れなくクルマの反応を感じ取れるよう各操作部とシートの剛性機能を最適化、運転シーンに合わせて人がバランス保持できよう人に掛かる力をしっかり支えるシート、人間がバランス保持しやすい姿勢に車両姿勢をコントロール、車酔いのさらなる軽減などを目指した。

▲マツダの新世代車体構造技術「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を、高出力化と環境性能を高次元で両立する縦置きパワーユニットに対応させて採用
▲マツダの新世代車体構造技術「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を、高出力化と環境性能を高次元で両立する縦置きパワーユニットに対応させて採用

 パワーユニットには、ブランド初のプラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV PHEV」を設定したことがトピック。システムは“SKYACTIV-G 2.5”2488cc直列4気筒DOHCガソリンエンジン+電気モーター+リチウムイオン電池(総電力量17.8kWh)で構成し、最高出力は323ps(238kW)/6000rpm、最大トルクは51kg・m(500Nm)/4000rpmを発生する。トランスミッションには、新開発のトルコンレス8速ATを組み合わせた。

▲ブランド初のプラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV PHEV」は“SKYACTIV-G 2.5”2488cc直列4気筒DOHCガソリンエンジン+電気モーター+リチウムイオン電池(総電力量17.8kWh)でシステムを構成。最高出力は323ps(238kW)/6000rpm、最大トルクは51kg・m(500Nm)/4000rpmを発生する
▲ブランド初のプラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV PHEV」は“SKYACTIV-G 2.5”2488cc直列4気筒DOHCガソリンエンジン+電気モーター+リチウムイオン電池(総電力量17.8kWh)でシステムを構成。最高出力は323ps(238kW)/6000rpm、最大トルクは51kg・m(500Nm)/4000rpmを発生する

 電動パワーユニットとしてはほかにも、新世代48Vマイルドハイブリッドシステムの「M HYBRID BOOST」を用意。システムは“e-SKYACTIV-D”3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボエンジン+モーター+リチウムイオン電池で構成し、最高出力は254ps(187kW)/3750rpm、最大トルクは56kg・m(550Nm)/1500~2400rpmを発生する。トランスミッションには、やはりトルコンレス8速ATを採用した。

▲新世代48Vマイルドハイブリッドシステムの「M HYBRID BOOST」は“e-SKYACTIV-D”3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボエンジン+モーター+リチウムイオン電池でシステムを構成。最高出力は254ps(187kW)/3750rpm、最大トルクは56kg・m(550Nm)/1500~2400rpmを発生する
▲新世代48Vマイルドハイブリッドシステムの「M HYBRID BOOST」は“e-SKYACTIV-D”3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボエンジン+モーター+リチウムイオン電池でシステムを構成。最高出力は254ps(187kW)/3750rpm、最大トルクは56kg・m(550Nm)/1500~2400rpmを発生する

 2機種の内燃機関をラインアップした点も見逃せない。1つは排気量アップによる高出力化とクリーンな排ガス性能を同時に実現した“SKYACTIV-D 3.3”3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボエンジンで、最高出力は231ps(170kW)/4000~4200rpm、最大トルクは51kg・m(500Nm)/1500~3000rpmを発生。もう1つは軽快なパフォーマンスと優れた燃費性能を発揮する“SKYACTIV-G 2.5”2488cc直列4気筒DOHCガソリンエンジンで、最高出力は188ps(138kW)/6000rpm、最大トルクは25kg・m(250Nm)/ 3000rpmを発生する。トランスミッションには、いずれもトルコンレス8速ATを組み合わせた。

▲排気量アップによる高出力化とクリーンな排ガス性能を同時に実現した“SKYACTIV-D 3.3”3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボエンジン。最高出力は231ps(170kW)/4000~4200rpm、最大トルクは51kg・m(500Nm)/1500~3000rpmを発生
▲排気量アップによる高出力化とクリーンな排ガス性能を同時に実現した“SKYACTIV-D 3.3”3283cc直列6気筒DOHCディーゼルターボエンジン。最高出力は231ps(170kW)/4000~4200rpm、最大トルクは51kg・m(500Nm)/1500~3000rpmを発生
▲4機種のパワーユニットともにトランスミッションには新開発のトルコンレス8速ATを組み合わせる
▲4機種のパワーユニットともにトランスミッションには新開発のトルコンレス8速ATを組み合わせる

 駆動機構に関しては、マツダ初となる後輪駆動ベースの電子制御多板クラッチ式AWD「i-ACTIV AWD」を採用したことが訴求点。一方、シャシーでは前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式の懸架機構にロードスターで導入したキネマティック・ポスチャー・コントロール(KINEMATIC POSTURE CONTROL=KPC)を組み込み、コーナリング時にリア内輪に制動をかけることでロールを抑制して車両姿勢の安定化を図る。また、マツダ独自のドライブモードシステムであるMi-Driveには走行シーンに応じた5つのモード、日常ユースでバランスの取れた走りを提供するNORMAL MODE、よりダイナミックな走りを愉しむためのSPORT MODE、悪路での走破性を高めるOFF-ROAD MODE、キャリア搭載・トレーラー牽引時の安定性を高めるTOWING MODE、PHEVモデル向けのEV MODEを設定した。

▲マツダ独自のドライブモードシステムであるMi-Driveには走行シーンに応じた5つのモードを設定
▲マツダ独自のドライブモードシステムであるMi-Driveには走行シーンに応じた5つのモードを設定

 エクステリアについては、マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」のさらなる進化を果たし、“Toughness Noble”をテーマに、風格のある分厚いフロントフェイスとロングノーズ&ショートデッキによる力強く動きのある骨格、凛としたSUVらしい堂々たる存在感のなかに艶を感じるシンプルかつエレガントな面質表現などを創出する。ボディサイズは全長4740×全幅1890×全高1685mm、ホイールベース2870mm、トレッド前1640×後1645mm、最低地上高180mm(20インチタイヤ装着車)に設定。ボディカラーには、マツダを代表する“ソウルレッドクリスタルメタリック”と“マシーングレープレミアムメタリック”に続く第三弾の匠塗TAKUMINURIとなる“ロジウムホワイトプレミアムメタリック”をラインアップした。

▲“Toughness Noble”をデザインテーマに、風格のある分厚いフロントフェイスとロングノーズ&ショートデッキによる力強く動きのある骨格、シンプルかつエレガントな面質表現などを創出。第三弾の匠塗TAKUMINURIとなる“ロジウムホワイトプレミアムメタリック”を新設定
▲“Toughness Noble”をデザインテーマに、風格のある分厚いフロントフェイスとロングノーズ&ショートデッキによる力強く動きのある骨格、シンプルかつエレガントな面質表現などを創出。第三弾の匠塗TAKUMINURIとなる“ロジウムホワイトプレミアムメタリック”を新設定

 2列シートで構成するインテリアも“Toughness Noble”をテーマに、骨格の強さを巧みに演出する。コクピットは幅広なインストルメントパネルやサイドルーバーからドアトリムへ連続する造形により、ワイドでリッチな空間を演出。また、コンソールは空間を前後に突き抜ける強い形状とすることで、強力なトランスミッションとその先にある縦置エンジンの存在を感じさせ、構造的な強さを表現した。12.3インチTFT画面のフル液晶メーター、12.3インチの大型センターディスプレイ、スモール商品群と比べて画面を3倍に拡大したアクティブ・ドライビング・ディスプレイで構成する最新のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)を採用したことも訴求点。装備面では、幅950×長さ1021mmの大型パノラマサンルーフや前後ドアトリムのアンビエントライトなどを設定している。

▲インテリアも“Toughness Noble”をテーマに、骨格の強さを巧みに演出。上の写真はマツダの考えるジャパン・プレミアを表現したプレミアムモダンの内装
▲インテリアも“Toughness Noble”をテーマに、骨格の強さを巧みに演出。上の写真はマツダの考えるジャパン・プレミアを表現したプレミアムモダンの内装
▲幅950×長さ1021mmの大型パノラマサンルーフを設定し、乗員の開放感を高める
▲幅950×長さ1021mmの大型パノラマサンルーフを設定し、乗員の開放感を高める

 内外装をプレミアムに仕立てた2種類の仕様、「プレミアムモダン」と「プレミアムスポーツ」をラインアップした点も、日本向けCX-60のアピールポイントだ。プレミアムモダンは都会的なセンスで作り上げたモデルで、外装ではシグネチャーウィング/サイドシグネチャー/ウィンドウ周りにメタルパーツを上品にあしらう。また、内装ではマツダの考えるジャパン・プレミアを表現。光の変化を感じさせる織物の上質さを追求し、ステッチには日本の掛縫い表現、トリム加装には心地よい乱れを感じさせる天然木素材を採用して、きめ細やかにしつらえる日本人の精神を表現した。一方、プレミアムスポーツは上品さと力強さを高度にバランスさせて作り上げたモデルで、外装にはシックかつ精悍なブラックカラーのパーツを随所に採用。また、内装はキルティングを施したスウェード素材とナッパレザーで高級感を演出しながら、要所にブラックカラーを導入して独自のスポーティ感を表現する。大人の遊び心が感じられる、上質なタン内装も設定した。

▲12.3インチTFT画面のフル液晶メーター、12.3インチの大型センターディスプレイ、スモール商品群と比べて画面を3倍に拡大したアクティブ・ドライビング・ディスプレイで構成する最新のHMIを採用。上の写真はプレミアムスポーツのタン内装
▲12.3インチTFT画面のフル液晶メーター、12.3インチの大型センターディスプレイ、スモール商品群と比べて画面を3倍に拡大したアクティブ・ドライビング・ディスプレイで構成する最新のHMIを採用。上の写真はプレミアムスポーツのタン内装

 先進安全運転システムに関しては、ドライバーの発作・急病などの異常を検知し、事故の回避・事故の被害軽減を支援する「ドライバー異常時対応システム(DEA)」を初採用。加えて、ユーザーに合わせたドライビングポジションの調整支援を行う「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」も設定している。

▲ドライバーの発作・急病などの異常を検知し、事故の回避・事故の被害軽減を支援する「ドライバー異常時対応システム(DEA)」を初採用する
▲ドライバーの発作・急病などの異常を検知し、事故の回避・事故の被害軽減を支援する「ドライバー異常時対応システム(DEA)」を初採用する
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