この春に発売を予定している新型インサイトが公式サイトで公開され、3月19日から先行予約がスタートした。
新型は、すでに中国で発売されているBEVの日本版。インサイトは1999年にホンダ初の2シータークーペ量産ハイブリッド車として誕生。その後、「電動車」という基本はそのままに、時代の変化に即して5ドアHB(2009年)、4ドアセダン(2018年)と進化してきた。4代目となる新型はハイブリッドからフル電動のBEVに刷新。BEV先進国の中国で鍛えられたモデルを導入することで、新たな価値を提案する先進BEVに仕上がっている。なお新型は3000台の限定販売車だ。
グランドコンセプトは“存在感際立つ、個性派BEV”。止まっていても前進感を感じさせる未来的な造形でまとめている。ファルムは伸びやかでスポーティ。サイドまで回り込んだ特徴的なポジション灯を配した薄型LEDライト、一文字デザインのリアコンビライトが印象的だ。フロントグリル中央の“Hマーク“が光るのも新鮮である。
ボディの基本造形は、時代の主流であるクロスオーバー5ドアHB。ボディサイズは、全高を除きCR-Vと同等。すなわち全長×全幅は4700×1865mmクラス、全高はさほど高くないが、「立体駐車場にはギリギリ収まらない」と聞いた。
ボディカラーは、ダイヤモンドダストパール(白)/クリスタルブラックパール/アーバングレーパール/アクアトパーズメタリックII/オプシタンブルーパールの全5色。室内色はブラックが基本。EC専売で、ダイヤモンドダストパールとクリスタルブラックパールのホワイト内装車が選べる。
パフォーマンスは、心昂る軽快感と操縦フィールを追求。高トルクモーターと軽量化でドライバーを魅了する圧倒的な加速と、意のままのハンドリングを実現した。モーター最大トルクは310Nm。足回りには先進の周波数感応型ダンパーを組み込んでいる。走行モードはスポーツ/ノーマル/ECON/スノーの4種。スポーツでは、加減速のダイレクト感が増し、アクティブサウンドコントロールの演出が入る。またブレーキの減速度は、パドル操作で3段階に調節可能だ。航続距離はホンダBEV初の500kmオーバー。ライバルとなる日産リーフB5(521km)とほぼ同等。軒並み航続距離を伸ばしている最新BEVのなかでは、とくに目立つ数値ではないものの、日常ユースから長距離ドライブまでカバーすると判断できる。
新型の魅力は、室内の広さと各種のアメニティである。キャビンは前後ともルーミー。後席足元は足を組んで座れるほどのゆとりを確保。フロアもフラットに仕上げられ、前席はサイドウォークスルーも可能だ。ラゲッジも広大。後席を倒すと最長1875mmのフラットスペースが出現する。
インパネはスッキリとした水平基調。ステアリングは前方視界と膝回りのスペースに配慮した楕円形状。各種情報を最適表示するヘッドアップディスプレイが標準だ。アピールポイントは香りを楽しめるアロマディフューザー、高音質BOSEプレミアムサウンド、多彩なLEDアンビエントランプ。斬新な気配りで“新感覚の快適”を実現した。足元だけでなく輻射熱を利用して室内全体を効率よく温めるインテリアヒーターとシート&ステアリングヒーターを協調制御するインテリジェントヒーティングシステムも新しい。新型インサイトは、従来のホンダ車とはひと味違う提案性を秘めたBEVである。
先日ホンダは、電動車戦略の見直しを行い、ホンダ0(ゼロ)などBEV3車種の開発中止を発表したばかり。しかし足元の電動化は着実に進める戦略だ。中国とのジョイントで誕生した先進BEV、インサイトがどう日本市場に受け入れられるのか、興味は尽きない。
