ダイハツe-ハイゼット カーゴのトヨタ版となる商用軽バン電気自動車「ピクシス バン」BEVモデルが発売

トヨタ自動車がダイハツおよびスズキと共同開発した新開発のBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」を採用する商用軽バン電気自動車の「ピクシス バン」BEVモデルをリリース。パワートレインにはモーター、インバーター、減速機を一体化した「e Axle」を後輪駆動軸上に配置するとともに、総電力量36.6kWhを確保した薄型リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載。一充電航続距離は257kmを実現。車両価格はダイハツのe-ハイゼット カーゴ 4シーターと同価格の314万6000円に設定。

 トヨタ自動車は2026年2月2日、商用軽バン電気自動車の「ピクシス バン」BEVモデルを発売した。車種展開は「ピクシス バン デラックス(BEV)」の1グレードで構成し、車両価格は同仕様のダイハツ・e-ハイゼット カーゴ 4シーターと同価格の314万6000円に設定する。

▲トヨタ・ピクシス バン デラックス(BEV) 価格:314万6000円 全長3395×全幅1475×全高1890mm ホイールベース2450mm 車重1260kg 乗車定員2(4)名 最大積載量350(4名乗車時200)kg 一充電走行距離(WLTCモード)257km 交流電力量消費率(WLTCモード)161Wh/km

▲トヨタ・ピクシス バン デラックス(BEV) 価格:314万6000円 全長3395×全幅1475×全高1890mm ホイールベース2450mm 車重1260kg 乗車定員2(4)名 最大積載量350(4名乗車時200)kg 一充電走行距離(WLTCモード)257km 交流電力量消費率(WLTCモード)161Wh/km

 電気自動車(BEV)の魅力とピクシス バンの魅力を高度に融合させた商用軽バン電気自動車のピクシス バンBEVは、軽自動車に適した新開発のBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」を採用し、部品配置の見直しやボディおよびシャシーを新たに設計することで、室内スペースを変えることなく大容量バッテリーを搭載したことが特徴。生産はダイハツ九州の大分(中津)第1工場で実施し、販売目標は月間50台を計画している。

▲パワートレインにはスズキとダイハツが培った小さなクルマづくりのノウハウと、トヨタの持つ電動化技術を組み合わせ、3社共同で新開発したBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」を採用

▲パワートレインにはスズキとダイハツが培った小さなクルマづくりのノウハウと、トヨタの持つ電動化技術を組み合わせ、3社共同で新開発したBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」を採用

 注目のパワートレインは、スズキとダイハツが培った小さなクルマづくりのノウハウと、トヨタの持つ電動化技術を組み合わせ、3社共同で新開発したBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」を導入する。システム構成は最高出力47kW(64ps)/3562~4500rpm、最大トルク126Nm(12.9kg・m)/0~3562rpmを発生する1CG型モーターとインバーター、減速機を一体化した「e Axle(イーアクスル)」を後輪駆動軸上に、電力供給ユニットのESU(Electricity Supply Unit)を前席下に配置するとともに、総電力量36.6kWhの薄型リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を床下に搭載した。走行面では、走り始めから余裕のあるトルクを発揮し、また適度な回生ブレーキによって電費の向上と運転のしやすさを両立。さらに、後輪駆動軸上に配置したe Axleにより多積載時や登坂時でも後輪駆動の高いグリップ力を確保して、力強い発進とスムーズな加速を成し遂げる。薄型大容量バッテリーを床下に配置することで既存のガソリン車よりも低重心となり、操縦安定性が向上して荷崩れなどを防止可能としたことも訴求点だ。性能としては、一充電走行距離がWLTCモードで257km、交流電力量消費率が同モードで161Wh/kmを達成している。

▲最高出力47kW(64ps)/最大トルク126Nm(12.9kg・m)を発生する1CG型モーターとインバーター、減速機を一体化した「e Axle」を後輪駆動軸上に配置

▲最高出力47kW(64ps)/最大トルク126Nm(12.9kg・m)を発生する1CG型モーターとインバーター、減速機を一体化した「e Axle」を後輪駆動軸上に配置

▲電力供給ユニットのESU(Electricity Supply Unit)を前席下に設置

▲電力供給ユニットのESU(Electricity Supply Unit)を前席下に設置

▲総電力量36.6kWhの薄型リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を床下に搭載

▲総電力量36.6kWhの薄型リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を床下に搭載

 ボディに関しては、BEV専用の骨格補強などによって車体剛性をアップ。シャシーについてはリアにバネ下重量の軽量化と路面追従性を両立した新設計のトレーリングリンク車軸式コイルスプリングを採用し、合わせてフロントのマクファーソンストラット式コイルスプリングのセッティングを見直して、乗り心地およびハンドリング性能を向上させた。

▲BEV専用の骨格補強などを実施して車体剛性をアップ。リアサスペンションには新設計のトレーリングリンク車軸式コイルスプリングを採用する

▲BEV専用の骨格補強などを実施して車体剛性をアップ。リアサスペンションには新設計のトレーリングリンク車軸式コイルスプリングを採用する

 充電については、最大6kWのAC普通充電とCHAdeMO方式のDC急速充電に対応。7mの普通充電用ケーブル(AC200V)を標準装備(15mの普通充電用ケーブルはオプションで選択可)するとともに、外出先で急速充電器が使用可能な急速充電インレットを全車に標準で組み込み、約50分の急速充電で電欠ランプ点灯から充電率80%を実現する。また、急速充電インレットの採用によってクルマから建物への給電ができるV2Hの利用を可能とした。さらに、走行時でも使えるAC100V・1500Wアクセサリーコンセント(非常時給電システム付)を装備。フロントドアとドアガラスを閉めた状態でも車外に電源コードを引き出して給電できる外部給電アタッチメントも設定している。

▲充電口は車体前部にレイアウト。最大6kWのAC普通充電とCHAdeMO方式のDC急速充電に対応する

▲充電口は車体前部にレイアウト。最大6kWのAC普通充電とCHAdeMO方式のDC急速充電に対応する

▲7mの普通充電用ケーブル(AC200V)を標準装備。写真上のトヨタ6kW充電器は販売店装着オプションとして設定

▲7mの普通充電用ケーブル(AC200V)を標準装備。写真上のトヨタ6kW充電器は販売店装着オプションとして設定

▲アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/1個/非常時給電システム付)を装備

▲アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/1個/非常時給電システム付)を装備

▲フロントドアとドアガラスを閉めた状態でも車外に電源コードを引き出して給電できる外部給電アタッチメントを設定

▲フロントドアとドアガラスを閉めた状態でも車外に電源コードを引き出して給電できる外部給電アタッチメントを設定

▲急速充電インレットの採用によってクルマから建物への給電ができるV2Hの利用を可能とする

▲急速充電インレットの採用によってクルマから建物への給電ができるV2Hの利用を可能とする

 既存のガソリン車と同等の高い積載性と使い勝手の良さを実現した点もアピールポイントだ。大容量バッテリーやe Axleを床下に最適配置することで、既存のガソリン車と同等となる軽キャブオーバーバン最大級の積載スペース(荷室長2名乗車時1920/4名乗車時1005mm、荷室幅2名乗車時1270/4名乗車時1410mm、荷室高1250mm)と最大積載量350kg(4名乗車時200kg)を確保し、積載性と使い勝手の良さを継承。バックドア開口部は開口高1165mm、開口幅1345mmを実現し、荷室地上フロア高はガソリン車と同様の630mmに抑える。水平格納式リアシートと助手席前倒し機構を活用すれば、2650mmの長尺物の積載も可能だ。また、室内ユースフルナットを30個配して利便性を高め、かつ荷室床面の凹凸を無くして荷物が傷つきにくく出し入れのしやすいフラットな空間を創出。さらに、キャビン空間にはアッパートレイや室内の頭上スペースを活用したオーバーヘッドシェルフなどを装備し、運転席から手が届く範囲を中心に豊富な収納スペースを設置した。

▲既存のガソリン車と同等となる軽キャブオーバーバン最大級の積載スペースを確保。荷室長2名乗車時1920/4名乗車時1005mm、荷室幅2名乗車時1270/4名乗車時1410mm、荷室高1250mmと最大積載量350kgを実現する

▲既存のガソリン車と同等となる軽キャブオーバーバン最大級の積載スペースを確保。荷室長2名乗車時1920/4名乗車時1005mm、荷室幅2名乗車時1270/4名乗車時1410mm、荷室高1250mmと最大積載量350kgを実現する

▲室内の頭上スペースを活用したオーバーヘッドシェルフを装備

▲室内の頭上スペースを活用したオーバーヘッドシェルフを装備

 エクステリアに関しては、充電口をフロント部に配したことからフロントマスクの一部をガソリン車から変更したり、“e-SMART ELECTRIC”の専用エンブレムを貼付したりした以外は、既存のガソリン車のイメージを踏襲。ボディ同色フロントバンパーや材着のフロントロアバンパー/リアバンパー/ドアアウターハンドル/バックドアハンドル、LEDヘッドランプ(ロー&ハイビーム・オートレベリング機能・LEDクリアランスランプ/オートライト機能付)、LEDリアコンビネーションランプ、12インチスチールホイール(シルバー、センターキャップ付)などを標準で装備する。ボディカラーはホワイトとブライトシルバーメタリックを設定した。

▲ボディカラーは写真上よりホワイトとブライトシルバーメタリックをラインアップ

▲ボディカラーは写真上よりホワイトとブライトシルバーメタリックをラインアップ

 インテリアについては、シンプルで機能的なガソリン車のキャビン空間を基本的に引き継いだうえで、シフトポジションの切り替えを電動で行うエレクトロシフトマチックや、航続可能距離や電力の使用状況が一目で分かる7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイを組み込んだアクティブマルチインフォメーションメーターを専用装備する。また、フロントシートには撥水加工を施したファブリック表皮を張り、運転席・助手席シートヒーターも装備。リアシートにはベンチタイプを装着した。

▲インテリアはシンプルで機能的なガソリン車のキャビン空間を基本的に踏襲したうえで、シフトポジションの切り替えを電動で行うエレクトロシフトマチックを専用装備する

▲インテリアはシンプルで機能的なガソリン車のキャビン空間を基本的に踏襲したうえで、シフトポジションの切り替えを電動で行うエレクトロシフトマチックを専用装備する

▲航続可能距離や電力の使用状況が一目で分かる7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイを組み込んだアクティブマルチインフォメーションメーターを配備

▲航続可能距離や電力の使用状況が一目で分かる7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイを組み込んだアクティブマルチインフォメーションメーターを配備

▲フロントシートには撥水加工を施したファブリック表皮を張り、運転席・助手席シートヒーターも装備。リアシートにはベンチタイプを装着

▲フロントシートには撥水加工を施したファブリック表皮を張り、運転席・助手席シートヒーターも装備。リアシートにはベンチタイプを装着

 先進安全運転支援システムとして最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用した点もトピックだ。ステレオカメラの性能を向上させ、より広範囲な検知・認識が可能となったことで、衝突警報機能(対車両/対歩行者[昼夜])および衝突回避支援ブレーキ機能(対車両/対歩行者[昼夜])が進化。具体的には、横断中の自転車や、交差点での右折時に対向方向から直進してくる車両および右左折時に対向方向から横断してくる歩行者も認識可能としている。

▲最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用。ステレオカメラの性能を向上させ、横断中の自転車(写真・上)を認識可能とする

▲最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用。ステレオカメラの性能を向上させ、横断中の自転車(写真・上)を認識可能とする

 

 

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