トヨタのTMS2019における出展車両発表の第2弾は、東京2020オリンピック・パラリンピック仕様の自動運転EV

トヨタが東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で使用される自動運転EVe-Palette」を発表。TMS2019で初公開

 トヨタ自動車は109日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で使用されるAutono-MaaS専用EVe-Palette(東京2020オリンピック・パラリンピック仕様。以下、東京2020仕様)」の詳細を公表。同時に、東京モーターショー2019に出展すると発表した。

e-Palette1.jpg▲トヨタ「e-Palette(東京2020オリンピック・ パラリンピック仕様)」 全長5255×全幅2065×全高2760mm ホイールベース4000mm 乗車定員20名(オペレーター1名含む)/車いすの場合4名+立ち乗り7名 航続距離150km程度 最高速度19km/h

 Autonomous Vehicle(自動運転車)とMaaSMobility-as-a-Service、モビリティサービス)を融合させた、トヨタによる自動運転車を利用したモビリティサービスを示す"Autono-MaaS"用に開発された「e-Palette(東京2020仕様)」は、東京2020オリンピック・パラリンピックにおいて、選手に寄り添った移動サービスの提供を担う自動運転EVである。開発コンセプトは「"Move"for All(すべての人に移動と感動を)」。あらゆる人に"Move=移動"の自由を提供し、同時に移動を通じて心までも動かし"Move=感動"を生むモビリティを目指して製作された。開発にあたっては、オリンピック・パラリンピックそれぞれの選手に過去大会の選手村内での生活の様子を伺い、もっと手軽で便利、そして快適なモビリティが求められていると感じ、車両のさまざまな仕様に反映させたという。

e-Palette2.jpg▲スムースな乗降を徹底追求。大開口スライドドア、低床フロア、電動スロープ、停留所への正着制御の採用により、車椅子ユーザーを含めた複数人のきめ細かく、滞りのない乗降を実現した

 まず車両デザインに関しては、「快適な移動を実現するデザイン」をテーマに、前後対称の箱型スタイルを採用し、タイヤを四隅に配置することで広い室内空間を確保。また、身長に関係なく使いやすい手すりやシート、色弱者の方にも配慮して色の明度差をつけた床・内装トリム・シートなど、"Mobility for All"の体現を積極的に図った。

e-Palette3.jpg▲タイヤを四隅に配置することで広い室内空間を確保。また、身長に関係なく使いやすい手すりやシート、色弱者の方にも配慮して色の明度差をつけた床・内装トリム・シートなどを設定する

 パッケージングについては、スムースな乗降を徹底追求。大開口スライドドア、低床フロア、電動スロープ、停留所への正着制御(車両をバス停から最小限の隙間で停車させる制御)の採用により、車椅子ユーザーを含めた複数人のきめ細かく、滞りのない乗降を実現する。さらに、4000mmのロングホイールベースやフラットフロアにより、最大4名分の車椅子ユーザーの乗車を可能とした。

e-Palette4.jpg▲アイコンタクトのように車両の状況を周りに知らせるフロントおよびリアのランプを採用。充電中は丸型の上下2分割の下のライトだけが点灯して"おやすみなさい"と意思表示

 周囲や乗員の安全に配慮した低速自動運転を達成したことも訴求点だ。トヨタの車両制御プラットフォームに専用開発の自動運転システム(自動運転制御ハードウェアおよびソフトウェア、カメラやLiDARなどのセンサー)を搭載し、高精度3Dマップと運行管理による理想的な低速自動運転を実現。また、周囲360°の障害物を常に検知し、周囲の状況に応じて最適な速度で運行しながら、システム異常時には車両に同乗するオペレーターが安全に車両を停止できる緊急停止ブレーキを装備した。さらに、自動運転時に歩行者とコミュニケーションができるよう、アイコンタクトのように車両の状況を周りに知らせるフロントおよびリアのランプを採用。走行時は丸型の上下2分割のライトがフル点灯して"走ってるよ"、停車中は上のライトだけが点灯して"お先にどうぞ!"、充電中は下のライトだけが点灯して"おやすみなさい"といったユニークな意思表示をする仕組みを導入している。

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