トヨタがジャパンモビリティショー2023に出展するBEVのランドクルーザーや次世代ミッドサイズピックアップトラックのEPUなどをデジタルモデルで先行披露

トヨタがジャパンモビリティショー2023に出展するコンセプトカーの第4弾を発表。BEVモデルの「ランドクルーザーSe」や次世代ミッドサイズピックアップトラックの「EPU」、3輪タイプ電動パーソナルモビリティコンセプトの「ランドホッパー」、電動車いすタイプの新コンセプトモビリティ「JUU」、月で活躍できるモビリティを想定した実験車両「スペースモビリティ」といった電動モデルの出展を予告。技術展示として、足元の操作系をステアリングホイールに集約した「ネオステア」も披露

 トヨタ自動車は2023年10月21日、ジャパンモビリティショー2023に出展するコンセプトカーの第4弾、「ランドクルーザーSe」「EPU(イーピーユー)」「ランドホッパー(LAND HOPPER)」「JUU(ジェイユーユー)」「スペースモビリティ(プロトタイプ)」をデジタルモデルで先行公開した。

▲ランドクルーザーSeは世界の多様なニーズに対応したランドクルーザーブランドにおける新たな魅力を創出したバッテリーEV(BEV)の3列シートSUVとして企画

▲ランドクルーザーSeは世界の多様なニーズに対応したランドクルーザーブランドにおける新たな魅力を創出したバッテリーEV(BEV)の3列シートSUVとして企画

 各モデルの概要を紹介していこう。

 まずランドクルーザーSeは、世界の多様なニーズに対応したランドクルーザーブランドにおける新たな魅力を創出したバッテリーEV(BEV)の3列シートSUVで、スタイリッシュかつ高い上質感を兼ね備えたスタイリングや、BEVならではのトルクフルな走りを提案する。市街地などのオンロード走行時は、BEVならではの高い静粛性による快適な室内空間を醸成。また、モノコックボディで意のままに操るハンドリングとラフロードを安心して滑走できる走破性を追求した。ボディサイズは全長5150×全幅1990×全高×1705mm/ホイールベース3050mmに設定。乗車定員は7名としている。

▲スタイリッシュかつ高い上質感を兼ね備えたスタイリングを採用。ボディサイズは全長5150×全幅1990×全高×1705mm/ホイールベース3050mmに設定

▲スタイリッシュかつ高い上質感を兼ね備えたスタイリングを採用。ボディサイズは全長5150×全幅1990×全高×1705mm/ホイールベース3050mmに設定

▲ALL TERRAIN ADAPTIVE LASERと称するLEDタイプのアダプティブヘッドライトを装備

▲ALL TERRAIN ADAPTIVE LASERと称するLEDタイプのアダプティブヘッドライトを装備

▲スリムかつ印象的なアレンジのリアコンビネーションランプを採用

▲スリムかつ印象的なアレンジのリアコンビネーションランプを採用

▲基本骨格はモノコックボディで構成。市街地などのオンロード走行時はBEVならではの高い静粛性による快適な室内空間を醸成する

▲基本骨格はモノコックボディで構成。市街地などのオンロード走行時はBEVならではの高い静粛性による快適な室内空間を醸成する

 

 次にEPUは、モノコックボディを採用する次世代ミッドサイズピックアップトラックのBEVコンセプトモデルとして開発。高い耐久性を持ち、実用的でありながらもスタイリッシュなBEVに仕立てている。また、基本ボディは5m強の全長を持つダブルキャブ仕様とし、モノコックならではのデッキスペースの使い勝手の良さによってユーザーの用途を拡張。さらに、キャビン背面を大胆なデッキスルー構造として、アウトドアなどユーザーのモビリティライフを幅広くサポートする。BEVならではの静粛性に加え、低重心パッケージにより優れた操縦安定性・乗り心地を追求したこともトピックだ。ボディサイズは全長5070×全幅1910×全高×1710mm/ホイールベース3350mmに設定。乗車定員は5名としている。

▲EPUはモノコックボディを採用する次世代ミッドサイズピックアップトラックのBEVコンセプトモデルとして開発。ボディサイズは全長5070×全幅1910×全高×1710mm/ホイールベース3350mmに設定

▲EPUはモノコックボディを採用する次世代ミッドサイズピックアップトラックのBEVコンセプトモデルとして開発。ボディサイズは全長5070×全幅1910×全高×1710mm/ホイールベース3350mmに設定

▲基本ボディは5m強の全長を持つダブルキャブ仕様とし、モノコックならではのデッキスペースの使い勝手の良さによってユーザーの用途を拡張

▲基本ボディは5m強の全長を持つダブルキャブ仕様とし、モノコックならではのデッキスペースの使い勝手の良さによってユーザーの用途を拡張

▲キャビン背面を大胆なデッキスルー構造として、アウトドアなどユーザーのモビリティライフを幅広くサポートする

▲キャビン背面を大胆なデッキスルー構造として、アウトドアなどユーザーのモビリティライフを幅広くサポートする

▲実用的かつ機能性に富んだコックピット。シフトやパーキングレバーなどのスイッチはセンターディスプレイ内に配置する

▲実用的かつ機能性に富んだコックピット。シフトやパーキングレバーなどのスイッチはセンターディスプレイ内に配置する

 

 一方、ランドホッパーは新しい移動の価値観を享受できる前2輪とした3輪タイプの電動パーソナルモビリティコンセプトとして企画。折りたたみを可能とし、スペースに制約のあるクルマのトランクにも収納でき、クルマとの組み合わせで旅先でのツーリングなど移動の楽しみが拡大する。また、免許を持っていない人(16歳以上)でも運転可能。免許返納後などユーザーのライフステージに合わせたモビリティとして、利用者の行動範囲を広げて自立を支援する。さらに、低いシート高により足つき良く乗り降りしやすいコンパクトなボディサイズ(全長1355×全幅600×全高×930mm/ホイールベース1020mm)を実現。取り回しの良さに加え、チェーンやバネで機械的につなげた左右の前輪を上下させる特徴的なリーン機構の採用により、クルマや自転車とは全く別次元の一体感のある爽快な走りを成し遂げたことも訴求点である。

▲ランドホッパーは新しい移動の価値観を享受できる前2輪とした3輪タイプの電動パーソナルモビリティコンセプトとして企画

▲ランドホッパーは新しい移動の価値観を享受できる前2輪とした3輪タイプの電動パーソナルモビリティコンセプトとして企画

▲折りたたみを可能とし、スペースに制約のあるクルマのトランクにも収納でき、クルマとの組み合わせで旅先でのツーリングなど移動の楽しみが拡大する

▲折りたたみを可能とし、スペースに制約のあるクルマのトランクにも収納でき、クルマとの組み合わせで旅先でのツーリングなど移動の楽しみが拡大する

▲チェーンやバネで機械的につなげた左右の前輪を上下させる特徴的なリーン機構の採用

▲チェーンやバネで機械的につなげた左右の前輪を上下させる特徴的なリーン機構の採用

 

 さらにJUUは、「どこでも自由に1人で移動できる」をコンセプトに、走破性とデザイン性を備えた電動車いすタイプの新たなコンセプトモビリティとして開発。通常の電動車いすおよび車いすでは移動が困難な場所でも自由に移動できることで、利用者の行動範囲をより拡張する。階段の昇降時には左右2つの大きな駆動輪(主輪)で段差を乗り越えるとともに、背もたれ後方に格納されたフリッパーが倒れて車いす本体の傾きを抑制し、安定した移動をサポート。自動制御で最適な姿勢を維持し、最大16cmの階段の昇降を可能とする。また、駆動系にはクルマで使われているモーターを採用。車載部品を導入することで、高品質かつ高い信頼性を具現化した。将来的なアイデアとして、ユーザーがJUUからクルマに乗り換えた後、JUUは自立走行にてバックドアまで安全に移動しそのまま車内へ乗り込むとともに、降車時には運転席まで移動する先進機能の搭載も検討中である。なお、サイズは全長1110×全幅680×全高×1040mmに設定している。

▲JUUは「どこでも自由に1人で移動できる」をコンセプトに、走破性とデザイン性を備えた電動車いすタイプの新たなコンセプトモビリティとして開発

▲JUUは「どこでも自由に1人で移動できる」をコンセプトに、走破性とデザイン性を備えた電動車いすタイプの新たなコンセプトモビリティとして開発

▲階段の昇降時には左右2つの大きな駆動輪(主輪)で段差を乗り越えるとともに、背もたれ後方に格納されたフリッパーが倒れて車いす本体の傾きを抑制し、安定した移動をサポートする

▲階段の昇降時には左右2つの大きな駆動輪(主輪)で段差を乗り越えるとともに、背もたれ後方に格納されたフリッパーが倒れて車いす本体の傾きを抑制し、安定した移動をサポートする

 

 そしてプロトタイプのスペースモビリティは、月で活躍できるモビリティを想定し、とくに走行系技術を開発推進するための実験車両として企画。モーター4個、ステアリング4個を各輪に装着し、地上にはない、荒れた過酷な環境でも安全・安心に走行するための仕様を検討している。ボディサイズは全長3460×全幅2175×全高×1865mmに設定し、乗車定員は2名とした。また、電気で走る高い走破性を持ち、例えば50cm程度の岩であれば乗り越えて走破し、25°の急な坂を上ることも可能。このプロトタイプで磨き上げた技術を、ルナクルーザー等のスペースモビリティに活用していく予定である。

▲プロトタイプのスペースモビリティは月で活躍できるモビリティを想定し、とくに走行系技術を開発推進するための実験車両として企画

▲プロトタイプのスペースモビリティは月で活躍できるモビリティを想定し、とくに走行系技術を開発推進するための実験車両として企画

 

 技術展示として披露する「ネオステア(NEO Steer)」も見逃せない。ネオステアはバイクハンドルをベースに、アクセルやブレーキといった足元の操作系をステアリングホイールに集約した新時代のコックピット・コンセプトで、異形ステリングホイールによる広く開けた視界、ペダルレスによる広い足元空間がドライビングポジションの自由度やスムーズな乗降性を実現。また、下肢が不自由な人でも両手で安心かつ直感的な運転を可能としている。

▲技術展示として「ネオステア(NEO Steer)」を披露。バイクハンドルをベースに、アクセルやブレーキといった足元の操作系をステアリングホイールに集約した新時代のコックピット・コンセプト

▲技術展示として「ネオステア(NEO Steer)」を披露。バイクハンドルをベースに、アクセルやブレーキといった足元の操作系をステアリングホイールに集約した新時代のコックピット・コンセプト

 

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