[練り歩くヒト]
九島辰也/モータージャーナリスト
井口華音/動画クリエイター&YouTuber
山本善隆/カー・アンド・ドライバー統括編集長
九島 まず南展示棟1Fのトヨタの感想を聞かせてもらおうかな。
華音 トヨタは、いちばん前に出ていた「4脚で歩く椅子=walk me」が印象的で、新しいモビリティという観点で心惹かれました。
九島 つかんでいるねー、主催者側の意図を。
華音 meシリーズには3種あって、walk meは通常のクルマ椅子ではなかなかアクセスできない、段差や階段などもクリアするタイプ。面白いのはランクルに見立てたクルマ椅子、challenge meがあるんですが、あれでレースもできるそうです。オフロード・レースやモトクロスのようにダイナミックな戦いが、ハンデキャップを持った人でも体験できる点が素晴らしいと感じました。
九島 オフロードタイヤみたいなのが装着されていたよね。ヘッドライトも丸型2灯式にデザインしていた。
華音 そうなんです。ランクルをイメージした遊びゴコロを盛り込んでいて、その上で身体が強くない人でも楽しめるんです。walk meの4脚の動きも、日本らしく、品のある所作に作り込んだそうです。いろいろな人に可能性のある未来を約束する姿勢に感銘しました。それと衝撃的だったのはカローラ・コンセプトですね!
九島 「こんなにスタイリッシュなクルマがカローラと聞いてびっくり」といったところかな。
華音 そうです、そうです! いままでとは別物に見えるクルマに「カローラ」という名前をつけたのに驚きました。トヨタの強い思いを感じます。
九島 プリウスと同じだよね。現行プリウスが出た時に「これがプリウス!?」と驚かされたのと同じイメージ。あれだけカッコいいとインパクトがあるよね。
華音 組み立て式のシンプルなIMV originも印象的でした。
九島 アフリカに向けて、というクルマだね。
華音 先日アフリカ開発会議が横浜で開催されましたけれど、アフリカとの協業や共生のひとつの答えが、あれなんだな、と思いました。組み立てキットに止めることで、アフリカに新たな仕事、雇用が生まれますし、アフリカのユーザーが使いやすいように仕上げる余地を残している。素晴らしいですね。
九島 ダイハツはどうだった?「小さいからこそできること」というフレーズがいまも耳に残っているんだけど(笑)
華音 あの昔の? ミゼット? が可愛かったです!ステージ上の新しいミゼットXもキュートでした。
山本 個人的にはK-OPENのこだわりに感銘しました。次世代コペンはFRレイアウトに変身。持ちうるコンポーネンツを使って、本気に走れるクルマを追求しているんです。例えばエンジンを傾けて左右の重量差を解消しているところとか。小さいからこそ、細かな重量配分にまで気を配り「走る/曲がる/止まる」を徹底的に磨く姿勢は素晴らしいですね。
九島 ダイハツのマスタードライバーにモリゾウさんが就任したともいっていたね。走りの味付けが気になるね。
山本 今回のトヨタ、ダイハツ、レクサス、そしてセンチュリーというブランドを集結させた自称・トヨタ・グループ館としていた南展示場1Fは、ジャパンモビリティショーの縮図でもあるという印象でした。クルマもあるし、船もあれば空飛ぶモビリティもある。すべてを網羅している、さすがトヨタだな、と。できることはすべてやる。しかも見事にやり切っている。トヨタの凄さを再認識しました。豊田章男会長のセンチュリー発表会で触れていた「トヨタのもの作りは、日本のもの作りの象徴、ジャパン・プライドである」といメッセージが全面にあらわれていたと思います。
九島 なるほど、確かにね。しかも全体的に提案があったよね。中でもレクサスの6輪車LS CONCEPTは面白い。技術レベルが向上すると6輪もOKになるんだと感心した。
