2025年のAAF出展作品を先取り公開/空山基さんの好きな作品・代表作

 

 女性の曲線美とロボットを融合させた「セクシーロボット」シリーズ(イラストレーション&立体作品)で知られ、世界各地で個展を開催するイラストレーターの空山基さん。繊細な思考と反骨精神あふれる作品はファンの心をとらえて離しません。近年はファッションブランドとのコラボレーションでも活躍。次々に作品を発表しています。

 今回は、12月に開催予定の「AAF作品展」に出品予定の大型作品をいちはやくご紹介。日本、英国、イタリアの3カ国が次世代型の戦闘機を共同開発するという世界的なニュースもありましたが、作品のモチーフとしての航空機・戦闘機について一度うかがってみたい気がします。そして、世界が驚いたコラボ作品、F1ドライバー、ルイス・ハミルトン選手(メルセデスAMG)が2023年のF1日本GPで着用したヘルメットについて貴重ショットとその続報です。

   ボクのライフワークは、光、反射と透明感の表現がテーマです。今回はこの3点を選んでみました。

 作品①は、“ツボレフTU95ベアー”を題材にしました。1950年代にソ連で開発された対潜哨戒機です。ソ連領内に不時着したB29をまるパクリした爆撃機で、いまだに現役の強者です。その巨大プロペラの先端はマッハ近くで回転します。

作品1

 作品②は、 “チャンスヴォートF7Uカットラス (Cutlass)”を描きました。アメリカのチャンスヴォート社が1946年から開発した艦上戦闘機です。斬新なデビューでしたが、事故や故障だらけでスタッフやパイロットには“ガッツレス・カットラス”の汚名で呼ばれていました。  上記2作品は、大型の作品です。今年の「AAF オートモビル・アート連盟作品展」(12月開催予定)に出品予定です。ぜひ原画の迫力をご覧ください〜。

作品2

 作品③は、伝説のレーシングドライバー、ルイス・ハミルトンが、2023年のF1日本グランプリ(鈴鹿サーキット)で着用したヘルメットで、ボクがデザインしました。ルイスがボクのファンだったということで相談を受けてから1年ぐらいで完成しました。「宇宙を連想させるデザイン」というリクエストで全部鏡面にして、制作期間は半年ぐらい(制作までの経緯、詳細は『カー・アンド・ドライバーONLINE』を見てねっ)。

 ルイスとボクのツーショット写真は、鈴鹿の前に彼がボクのスタジオを訪ねてくれて、初めてヘルメットを見てもらったときのシーンです。ルイスはとってもナイスガイでした!

 今年のF1日本GPのフェラーリ用ヘルメットはボツを喰らっちゃって、アパレルだけ採用です。悔しいっ!  でも、このヘルメットにはその後もうれしいサプライスがありました。ルイスの親友、映画監督のジョージ・ルーカスが昨年のF1日本グランプリを観戦していたそうで、ルーカスから、「どうしてもこのヘルメットをコレクションしたい」とボクにオファーがありました。

 ジョージ・ルーカスは、いまロサンゼルスに巨大な“ルーカス博物館”(Lucas Museum of Narrative Art)を建設中で、2026年に開館予定なので、ルーカス博物館が完成した暁には展示されることでしょう。ルイス、ルーカス、空山の3名だけの、世界に 3個だけのヘルメット・コレクションです(自慢、エヘン!)。

 3個のうち、ボクのヘルメットは、2024年に渋谷にオープンしたArt Bar「NANZUKA TAKEN」(ナンヅカ テイクン)に常時点滅しながら展示されています。見に来てねっ!

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