【Front Screen/安東弘樹】初めてのBEV生活、スタートしました!

プジョー 先日、人生で初めて電気自動車(以下BEV)を購入しました。選んだのはプジョーe208。その体軀の剛性やフラットライド感が素晴らしく、私が「2020-2021COTY」で満点を投じたクルマです。実際に購入してみて、やはり素晴らしい完成度でした。

 e208、今、日本で買えるBEVの中ではKカー規格の日産サクラ/三菱ekクロスEVを除き最も小さいクルマです。SUVスタイルが多いBEVの中で、コンパクトHBは実は、e208だけ。スリーサイズは4095×1745×1465mm。日産リーフより400mmほど短く、40mmほど幅が狭く、100mm弱低い、と言えば、その小柄さが分かって頂けると思います。車両重量は1500kgと、これもBEVの中では最軽量に近く、電費にも好影響を与えると思いました。

 駆動用バッテリーの総電力量は50kwhでカタログ上の航続距離は395km。実質、どれぐらい走るのかは、すでに2000kmちょっと距離を重ねたので、徐々に見えてきました。
 仕事で主に走る千葉の自宅から都心の現場までの往復、約100km(距離にして3分の2が首都高速と制限速度80km/hの東関東自動車道、残りが一般道)で満充電の3分の1の15kwhほど消費するので、単純計算、300km程度が実際の満充電当りの走行距離でしょう。

 さてe208ですが、とにかく静粛で滑らか。バッテリーがクルマの底部にあるので重心が低く、コーナーも安定していて、とにかく快適です。クルマには無頓着な妻も「えー、何、このクルマ! 静かで滑るみたいに走るね!」と驚いたほどです。
 加減速をアクセル操作で自在に操れるのがBEVの特徴ですが、e208はその加減も絶妙です。エコモードでもレスポンスが良いので、だるい感じはしません。いつも、このエコモードがデフォルトになっています。ノーマルモードでは一段とシャープになり、スポーツモードでは、私のロータス・エリーゼよりも俊敏に反応するくらいです。
 モーター最大トルクは260Nmですが、瞬時に最大トルクを発生するモーターの特徴もあって、加速は気持ちいいものです。

 普段の充電はソーラー発電器を付けた自宅でしています。使用電力量の増加は1割未満。正直、誤差程度と言っても差し支えありません。最近高騰を続けているガソリンを入れる必要はないので、ランニングコストは激減しました。

リア

 BEVの欠点として、長距離ドライブ時の経路充電が上げられます。そこで先日、検証のために長野県・諏訪湖での仕事にe208で行ってみました。往復で550kmほどの道のりです。満充電で出発。その際の航続距離はエコモードで378km。約270km先の目的地には余裕で着けるはずです。ところが中央高速に乗って100km/hで巡航を始めた途端、みるみるうちに航続距離が短くなっていきます。理解はしていましたが、これには苦笑。

 自宅から178km地点の双葉SA(下り)で充電しましたが、充電器とe208との相性が悪く、30分で8.6kwhしか入りません。何とか目的地まで到着しましたが、バッテリー残量は10%。仕事を終え翌日に帰路につきますが、当然、自宅までは走りきれません。アプリで急速充電器を探し、コンビニで充電。しかしまたしても相性が悪く、双葉SA下りと全く同じ充電量、仕方なく不安のまま中央高速に乗り、バッテリー容量が減ってきたので祈るような気持ちで、今度は上りの双葉SAで充電。幸い充電器との相性は良く(下りと別のメーカーの充電器)、ドンドン電気が入り、20分で80%まで充電されました。

 これ以上、急速充電器で充電しても効率が悪いので、そこで充電を止め、無事、帰宅することが出来たのです。やはり現状の日本の充電インフラではテスラなど、大容量、かつ充電量が担保されているBEVでないと遠出にはハードルが高いと実感しました。しかしフランス車はとくに充電器を選ぶ傾向があります。日本メーカーやドイツメーカーのBEVでしたら、もう少し利便性は高いと思われます。うれしいのは、BEVに乗った上で、改めてロータス・エリーゼに乗ると、MTを駆使してエンジン車を操る快感を再認識できること。当分、長距離はディーゼル車。仕事や近場はBEV。純粋に運転を楽しむ時はガソリン+MTと使い分ける生活になりそうです。

【プロフィール】
あんどうひろき/フリーアナウンサー。1967年、神奈川県生まれ、元TBSアナウンサー、現在は独立し、TBSラジオ「UP GARAGE presents GARAGE HERO’s ~愛車のこだわり~」、TOKYO MX「バラいろダンディ」、MBS「朝日奈央のキラめきスポーツ〜キラスポ〜」、テレビ東京「ミライの歩き方」、bayfm78「MOTIVE!!」など多くのテレビ、ラジオ番組で活躍。趣味・特技はモータースポーツ、クルマ全般、弓道、スキー。日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員

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