ベントレーが過去のレガシーからインスピレーションを受けてモダンなコンセプトに変えた近未来のスポーツサルーンのコンセプトモデル「EXP15」を発表。伝説的な1930年製ベントレー スピードシックスをオマージュしたモノシリックで存在感あふれるスタイリングに、デジタルインターフェイスと物理的スイッチを高度に融合させた3名乗車のインテリアを内包。搭載するパワートレインはオールエレクトリックのAWDを想定
英国ベントレーは2025年7月8日(現地時間)、電動化時代のベントレー製スポーツサルーンの方向性を示すデザインビジョンモデルの「EXP15」を発表した。
正式にオープンしたベントレーの新デザインスタジオで披露されたEXP15は、過去のレガシーからインスピレーションを受けてモダンなコンセプトに変えた近未来のスポーツサルーンとして企画。“ブルートレイン”の愛称で呼ばれる伝説的な1930年製「ベントレー スピードシックス ガーニーナッティング スポーツマンクーペ(Bentley Speed Six Gurney Nutting Sportsman coupe)」をオマージュした3名乗りの車両レイアウトを導入したうえで、ウルトラモダンなエクステリアやハイテクライティングのディテール、アクティブなエアロダイナミクス、デジタルインターフェイスと物理的スイッチを高度に融合させたインテリアなどを採用したことが特徴である。
まずエクステリアは、将来的なベントレー車を構成する5つのデザイン要素、具体的にはサラブレッドの馬の上半身に似た非常に緩やかにカーブドラインを示す“アップライトエレガンス(Upright Elegance)”、伝統的なバーチカルラインを中心にライティング技術を加えてデジタルアート作品のように仕立てた“アイコニックグリル(Iconic Grille)”、エンジンルームから収納スペースに刷新したうえでサイドウィンドウの下からリアピラーまで流れるように続く“エンドレスボンネットライン(Endless Bonnet Line)”、丸みを帯びた猫のように筋肉質で強いエネルギーを放つ“レスティングビースト(Resting Beast)”、クリーンかつ流麗なラインに仕立てたリアセクションの“プレスティジャスシールド(Prestigious Shield)”を採用。スタイリングとしては、1つの石のブロックから切り取ったように見えるモノシリックな存在感、アスリートの体のように潜在的なパワーを視覚的に示すマスキュラーフォルム、堅牢感を保ちながら視覚的な重量を軽減してクリアなサーフェスに仕上げたカーブドプレシジョンを特徴とする。また、フロントの両サイドに配置したスリムな4本のLEDライトストリップや、印象的な光を放つアイコニックグリルと前後のウィングドBエンブレム、フロントホイールアーチ後方のエアアウトレット部に配したライティングパネル、コの字を描くLEDリアコンビネーションランプによって次世代のエクステリアライティングを演出。ボディカラーにはパラスゴールドと称する印象的なリキッドメタルサテン塗装を纏った。さらに、フロントのリップスポイラーやサイドのアンダースポイラー、ルーフ後端から展開するツインアクティブスポイラー、リア下部のアクティブエアロディフューザーなどを配して、空力特性を大幅に高めている。
▲エクステリアは将来的なベントレー車を構成する5つのデザイン要素、“アップライトエレガンス”“アイコニックグリル”“エンドレスボンネットライン”“レスティングビースト”“プレスティジャスシールド”を採用する
コクピットについては、“ウィングジェスチャー”と称する、エンブレムのウィングをオマージュしたダッシュボードを基調に、“Bold Gravitas(大胆な威厳)”を創出する高級素材の使用や、“Cocooning Haven(繭のような安息の地)”と称する包み込むような安らぎのある居住空間、ブルズアイの通気口やローレット開閉装置、ダイヤモンドキルティングシートといったアイコニックなディテール、そして物理的な機能と先進デジタル機能を高度に組み合わせた“マジカルフュージョン”デザインを採用。先進機構の面では、アップデートしたデジタルインターフェイスや、複数の細かな光源を計器の目盛りのようにアレンジして情報を伝える“メカニカルマーベル”などを組み込む。また、スイッチやダイヤルの加飾にはボディカラーに呼応したゴールドを配し、合わせてアクリルでカプセル化し、照明を当てるとダッシュボード内に輝いて3D効果を生み出す“アクリルクチュール”を装備。さらに、キャビン後部には上質なシルクジャカードテキスタイルを、ドアガードなどにはバックライトを内蔵したキルティングのカットベニヤを、トリム類にはウールテキスタイルを採用した。
▲“ウィングジェスチャー”と称するエンブレムのウィングをオマージュしたダッシュボードを基調に、“Bold Gravitas(大胆な威厳)”を創出する高級素材の導入や、“Cocooning Haven(繭のような安息の地)”と称する包み込むような安らぎのある居住空間を演出
キャビンスペースについては、前述のスピードシックスと同様に3名乗りのキャビン空間に仕立てたうえで、ドアは運転席側が1枚、助手席側が前後ヒンジで観音開き式の2枚(ツインコーチドアと呼称)、リアゲートの1枚で構成。助手席側はパノラマルーフの一部も開く。また、助手席にはスライド機構を組み込み、後席としても使用可能。外側に45度回転する機構も配備して、乗降性を高めたことも訴求点だ。さらに、助手席フロア部には格納可能なフットレストを備え、格納時は手荷物をストラップで固定するための浅いスペースに変化する。後席センター部には趣のあるフィジカルランプや冷蔵庫なども設定した。
パワートレインに関しては、オールエレクトリックのAWDを採用することを想定。従来以上に長い航続距離と、より高速な充電性能を備えるという。