創立100周年 ベントレー、2035年のグランドツアラーを具現化 「EXP 100 GT」公開

 創立100周年を迎えたBentley Motorsは、2035年のラグジュアリーモビリティのビジョンを形にしたコンセプトモデル「Bentley EXP 100 GT」を公開した。

1.jpg▲「Bentley EXP 100 GT」
創立100周年のBentleyブランドが目指す未来のGT
 このクルマは、Bentleyブランドの未来を具現化した新たなグランドツーリングの提案だ。美しいスタイルのボディの中にはAI(人工知能)が導入され、完全自動運転はもちろんのこと、乗り手の感情を検知し、乗員がグランドツアーをより一層楽しめるよう様々な工夫がなされている。

 ドライバー自身でドライビングのスリルを楽しみたい時は手動運転も可能だ。また、これまでのベントレー以上にサステナビリティ(持続可能性)を意識した作りに拘っており、「EXP 100 GT」は決して夢物語という訳ではなく、将来的に実現可能であるプロダクトという事がほのめかされている。

2.jpg▲パワートレインは完全EV化。軽量アルミニウムとカーボンファイバーを用いたボディ、サイズは全長5800×全幅約2400mm

サステナビリティを意識したグランドツアラー

 「EXP 100 GT」は、2035年のラグジュアリーカーを想定して作られたコンセプトモデルだ。パワートレインは新設計プラットフォームが採用され完全EV化、ゼロエミッションで航続距離700kmが可能。また車体にあしらわれるマテリアルは、ステナビリティを意識した革新的技術により考え抜かれた手法で収集された様々な素材が用いられる。

 インテリアには、5千年前の銅の染み込んだ「リバーウッド」(倒木)を使用し、レザーのような手触りの生地は100%オーガニックで、その原料はワイン醸造過程で生まれるという。また英国の牧場の恵みであるウールのカーペット、室内を彩る刺繍入りの生地はコットンを用いるなど、すべての素材が未来へとつながる持続可能な最高級の素材になっている。

Bentley EXP 100 GT (10).jpg▲インテリアには5千年前の銅の染み込んだ「リバーウッド」(倒木)を使用。シートは、ワイン醸造過程の副産物から開発されたエコでラグジュアリーな新素材を採用

4.jpg▲丸目ヘッドライトは、戦前のベントレーブロアーを彷彿とさせる。「コンパス」と名付けられたエクステリアカラーには、もみ殻をリサイクルした原料を採用

パフォーマンス、テクノロジー、クラフトマンシップが絶妙に融合

 軽量アルミニウムとカーボンファイバーを用いたボディは全長5.8m、全幅約2.4m。左右のドアは上方に大きく開き、全開すると約3mの高さになるという。迫力あるサイズと対照的な優雅で伸びやかなボディからはかつての人気モデルの雰囲気が伝わってくる。

 もちろん、ドライバビリティに重点を置くベントレーらしい拘りも随所にある。「次世代型トラクションドライブ」と名付けられた新システムにより、トルクベクタリングを介して最大限のコントロールと、効果的なコーナリングを実現するため、駆動力を50パーセント上乗せする一方、質量を35パーセント軽減する。

 バッテリーシステムは4基のモーターを駆動、0-100km加速2.5秒以下、最高速度300km/h、最大トルク1500Nmを発揮。ベントレーは、未来のバッテリーはエネルギー密度が従来の5倍と高く想定しており、車重は1900kgに抑えられ、充電も15分で80パーセント可能だと言う。

Bentley EXP 100 GT (14).jpg▲AI「Bentleyパーソナルアシスタント」はイングランドのカンブリアで製作されたイルミネーション付きクリスタルの中に配置され、ジェスチャー認識やタッチによって操作可能

AI「Bentleyパーソナルアシスタント」

 搭載されたAI「Bentleyパーソナルアシスタント」は、オーナーから得た情報を基に乗員のニーズを予測し、快適性をさらに引き上げる働きをしてくれる。AIは、キラキラと輝くクリスタルの中に存在し、ジェスチャー認識やタッチ操作によってサービスを提供する。例えば走行中の動きに合わせ、自動的にシートのサポートが強化されたり、車載AIがアイテムをリクエストすると、提携するラグジュアリーブランドが届けてくれる「ワールドクラスサービス」などが利用可能だ。

また、車体の随所にバイオメトリクス機能が搭載されており、乗員の目や頭の動きに加え、血圧まで検知し、将来的には車内の快適さも、現代のクルマとは比較にならないほどのレベルでカスタマイズできるようになるという。

 Bentley EXP 100 GTには自動運転機能が付いている。車両周辺の環境を認識し、乗員が快適に移動できるように走りをコントロールする。自動運転が山道でワクワクするような走りを叶えてくれだろうし、都会で通勤渋滞のストレスから解放させるだろう。

Bentley EXP 100 GT (11).jpg▲自動運転の場合はステアリングホイールを格納し、シートを後退させる

Bentley EXP 100 GT (8).jpg▲銅やアルミニウムでできたボディは、創業者のW.O.Bentleyが発明した航空機エンジン「BR1」のアルミニウム合金ピストンを思い起こす

ベントレーの次なる100年

 Bentley MotorsのAdrian Hallmark会長兼CEOは次のように語っている。
「創立100周年を迎えた今日、私たちはBentley EXP 100 GTで当ブランドの未来のビジョンを明確に打ち出しました。この考え抜かれた最新型のグランドツアラーは、ラグジュアリーカーの世界がこれまでの100年同様、今後も意欲と感動に溢れたものとなることを物語っています」

「Bentleyはこれからも、ひとつひとつの旅を豊かにし、クルマで旅するひとりひとりの人生と、当社の素晴しい製品に関わることを誇りに思う人達の人生を満ち足りたものにすることを目指していきます」

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