スズキがブランド初のバッテリーEVである「eビターラ」の概要を先行公開。トヨタと共同開発した新設計の「ハーテクトe」プラットフォームに、総電力量49kWhのバッテリーと最高出力106kWのフロントモーターを組み合わせたFWD、総電力量61kWhのバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターを組み合わせたFWD、総電力量61kWhのバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターおよび最高出力48kWのリアモーターを組み合わせた4WDという3機種のパワートレインを搭載。生産はインドのグシャラート工場が担当。日本市場への導入は今年度中を予定
スズキは2025年7月10日、ブランド初のBEVモデルとなる「eビターラ(e VITARA)」の先行情報を公開した。
eビターラはEVとしての洗練さと先進性、SUVの力強さを併せ持つデザインに、多機能性がもたらすワクワク感を融合させた、Bセグメントの電動クロスオーバーSUVに仕立てことが特徴。生産はインドのグシャラート工場が担当し、本国インドや欧州地域、そして日本などでの販売を予定している。
基本骨格については、トヨタと共同開発した新設計の「ハーテクトe(HEARTECT e)」プラットフォームを採用。パワートレインには総電力量49kWhのバッテリーと最高出力106kWのフロントモーターを組み合わせたFWD、総電力量61kWhのバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターを組み合わせたFWD、総電力量61kWhのバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターおよび最高出力48kWのリアモーターを組み合わせた4WDの3機種を設定する。また、駆動用バッテリーには中国BYD傘下のFinDreams Battery(弗迪電池)が手がけるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用。一充電航続距離はWLTCモードで49kWhのFWDモデルが400km以上、61kWhのFWDモデルが500km以上、61kWhの4WDモデルが450km以上になるとアナウンスした。充電に関しては、200V 3kWと200V 6kWのAC普通充電、CHAdeMO方式のDC急速充電に対応。出力50kWの急速充電器を使用した際は約55分で、同90kWの急速充電器を使った際は約45分で、10→80%の充電が完了する。充電速度を高めるためのバッテリー昇温機能や、バッテリー出力を高めるバッテリーウォーマー機能、エネルギー消費を抑えながら車内を暖める高効率ヒートポンプシステムなども組み込んだ。さらに、クルマが蓄電池となるV2H機構なども装備している。
▲パワートレインには総電力量49kWhのバッテリーと最高出力106kWのフロントモーターを組み合わせたFWD、総電力量61kWhのバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターを組み合わせたFWD、総電力量61kWhのバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターおよび最高出力48kWのリアモーターを組み合わせた4WDの3機種を設定
走行面では、ドライブモードにエコ/ノーマル/スポーツの3種類を、回生ブレーキの強さに3段階、回生なしを含めると4段階を設定。また、4WDには走行状況に応じて70:30~50:50の間で前後の駆動力を自動配分する“ALLGRIP-e”を採用して、走破性をより高めた。
インテリアに関しては、ブラウンをアクセントに据えた上質なキャビン空間に、液晶メーターとセンターモニターを統合した大型デュアルディスプレイや、ダイヤル操作式のシフト、電動パーキングブレーキ、アンビエントライトなどの先進機能を組み込んだことがトピック。また、前席には乗員をしっかりとサポートするスポーティなシートを、後席には4:2:4分割可倒式シートを配備する。乗員の開放感を高めるガラスルーフなども設定した。
なお、スズキは今年度中にeビターラを日本市場に導入すると予告している。