ボルボXC60がマイナーチェンジ。B5系のエンジンはミラーサイクル化して燃費効率を向上

ボルボがプレミアムミッドサイズSUVのXC60を仕様変更。9インチから11.2インチに大型化したセンターディスプレイを新装備するとともに、次世代のコンピューター基盤Snapdragon Cockpit Platformを導入。エクステリアでは新しいフロントグリルやアルミホイールの採用などを、インテリアではシート表皮の刷新や機能装備の拡充などを実施。マイルドハイブリッドのB5系のエンジンはミラーサイクル化して燃費効率をアップ

 ボルボ・カー・ジャパンは2025年6月2日、プレミアムミッドサイズSUVのXC60を仕様変更し、同日より発売した。

▲ボルボXC60 Plus B5 価格:789万円 全長4710×全幅1900×全高1660mm ホイールベース2865mm 車重1820kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費13.3km/リットル 写真のボディカラーはクリスタルホワイト

▲ボルボXC60 Plus B5 価格:789万円 全長4710×全幅1900×全高1660mm ホイールベース2865mm 車重1820kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費13.3km/リットル 写真のボディカラーはクリスタルホワイト

車種展開は以下の通り。

XC60 Plus B5:789万円

XC60 Ultra B5 AWD:879万円

XC60 Ultra T6 AWD Plug-in hybrid:1029万円

▲ボルボXC60 Ultra B5 AWD 価格:879万円 全長4710×全幅1900×全高1660mm ホイールベース2865mm 車重1900kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費12.8km/リットル 写真のボディカラーはデニムブルー

▲ボルボXC60 Ultra B5 AWD 価格:879万円 全長4710×全幅1900×全高1660mm ホイールベース2865mm 車重1900kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費12.8km/リットル 写真のボディカラーはデニムブルー

 今回の変更は、センターディスプレイの大型化および次世代のコンピューター基盤Snapdragon Cockpit Platformの導入や、内外装の一部デザインと装備の変更、パイロットアシストへのエマージェンシーストップアシスト機能の追加、そしてB5系のエンジンのミラーサイクル化などを実施して、プレミアムミッドサイズSUVとしての訴求力をいっそう高めたことが特徴である。

▲ボルボXC60 Ultra T6 AWD Plug-in hybrid 価格:1029万円 全長4710×全幅1915×全高1660mm ホイールベース2865mm 車重2180kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費14.3km/リットル EV走行換算距離(等価EVレンジ)81km 写真のボディカラーはオーロラシルバー

▲ボルボXC60 Ultra T6 AWD Plug-in hybrid 価格:1029万円 全長4710×全幅1915×全高1660mm ホイールベース2865mm 車重2180kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費14.3km/リットル EV走行換算距離(等価EVレンジ)81km 写真のボディカラーはオーロラシルバー

 まずセンターディスプレイは、従来の9インチから11.2インチに大型化。解像度は21%向上し、情報をより鮮明に表示する。また、EX30やXC90などの最新のボルボ車と同様の新しいインターフェイスに変更し、快適で操作性に優れた次世代のユーザーエクスペリエンスを提供。新しいインターフェイスでは、ホームボタンで地図などが表示されるメイン画面に簡単にアクセスでき、またナビゲーションを画面上部に表示することで運転時の視線移動を最少に抑えて、より安全な運転をサポートする。さらに、ウィジェット機能を配してお気に入りのメディアやハンズフリー通話などに簡単に切り替えが可能。ほかにも、コンテクスチュアルバーにより、走行状況などに応じて、例えば低速になると車外カメラのアイコンが表示されたり、よく使用するアプリが表示されたりするなど、使い勝手を向上させた。

 次世代のコンピューター基盤であるQualcomm Technologies社のSnapdragon Cockpit Platformを導入した点も見逃せない。Googleを搭載したインフォテインメントシステムは、従来と比べて処理速度が2倍以上、グラフィックの生成速度が10倍に向上し、より快適でスムーズな操作を実現した。

▲センターディスプレイは従来の9インチから11.2インチに大型化。Qualcomm Technologies社の次世代のコンピューター基盤 Snapdragon Cockpit Platformも導入する

▲センターディスプレイは従来の9インチから11.2インチに大型化。Qualcomm Technologies社の次世代のコンピューター基盤 Snapdragon Cockpit Platformも導入する

 エクステリアに関しては、より現代的で洗練された印象を付与したことがアピールポイントだ。フロントグリルはボルボのアイコンであるアイアンマークとシンクロした2方向から伸びる斜線が重なり合うデザインを採用。また、新たな造形のアルミホイールやダークカラーに変更したフルLEDテールライトなどを配して、SUVらしい力強さをより際立たせる。ボディカラーのラインアップも刷新。新たにフォレストレイク、オーロラシルバー、マルベリーレッドの3色を追加した。

▲フロントグリルはボルボのアイコンであるアイアンマークとシンクロした2方向から伸びる斜線が重なり合うデザインを採用

▲フロントグリルはボルボのアイコンであるアイアンマークとシンクロした2方向から伸びる斜線が重なり合うデザインを採用

▲XC60 Plus B5は18インチ 5スポーク ダイヤモンドカット/グロッシーブラックアルミホイールを装着

▲XC60 Plus B5は18インチ 5スポーク ダイヤモンドカット/グロッシーブラックアルミホイールを装着

▲XC60 Ultra B5 AWDは19インチ 5ダブルスポーク ダイヤモンドカット/グロッシーブラックアルミホイールを装着

▲XC60 Ultra B5 AWDは19インチ 5ダブルスポーク ダイヤモンドカット/グロッシーブラックアルミホイールを装着

▲XC60 Ultra T6 AWD Plug-in hybridは21インチ 5-Vスポーク ダイヤモンドカット/グロッシーブラックアルミホイールを装着

▲XC60 Ultra T6 AWD Plug-in hybridは21インチ 5-Vスポーク ダイヤモンドカット/グロッシーブラックアルミホイールを装着

▲ボディカラーにフォレストレイク、オーロラシルバー、マルベリーレッドの3色を追加

▲ボディカラーにフォレストレイク、オーロラシルバー、マルベリーレッドの3色を追加

 インテリアについては、レザーフリー素材の採用を拡大展開したことがトピック。最上級のUltraグレードでは、従来のファインナッパレザーに加えて、100%リサイクルポリエステル素材の「ネイビー・ヘリンボーンウィーブ」を無償オプションで設定する。一方でPlusグレードでは、従来の本革シートに代わってリサイクル素材とバイオベース素材から作られる「ノルディコ」シートを標準で装備した。また、全グレードにテイラードダッシュボードやオレフォス社製クリスタルシフトノブを採用するなどして、スカンジナビアンデザインならではの上質で心地よいキャビン空間の演出と、さらなる環境負荷の低減を果たす。さらに、トンネルコンソールにはより利便性を高める変更を実施。新デザインの2+1のカッ プホルダーや使いやすい位置に配置したスマートフォンのワイヤレス充電器などによって、日常の使い勝手を向上させた。ピラーやエンジンルーム等に遮音材を追加して、キャビンの静粛性をいっそう高めたことも、仕様変更の注目点である。

▲Ultraグレードには従来のファインナッパレザーに加えて、100%リサイクルポリエステル素材の「ネイビー・ヘリンボーンウィーブ」を無償オプションで設定

▲Ultraグレードには従来のファインナッパレザーに加えて、100%リサイクルポリエステル素材の「ネイビー・ヘリンボーンウィーブ」を無償オプションで設定

▲Plusグレードには従来の本革シートに代わってリサイクル素材とバイオベース素材から作られる「ノルディコ」シートを標準装備

▲Plusグレードには従来の本革シートに代わってリサイクル素材とバイオベース素材から作られる「ノルディコ」シートを標準装備

▲全グレードにテイラードダッシュボードやオレフォス社製クリスタルシフトノブを採用。写真はXC60 Plus B5のノルディコ(チャコール)インテリア。日本導入モデルのハンドル位置は右

▲全グレードにテイラードダッシュボードやオレフォス社製クリスタルシフトノブを採用。写真はXC60 Plus B5のノルディコ(チャコール)インテリア。日本導入モデルのハンドル位置は右

 先進安全運転支援システムの面では、パイロットアシストにエマージェンシーストップアシスト機能を追加。パイロットアシストの作動中にドライバーが両手でステアリングホイールを握るよう求められても反応しない場合は、自動で車両を安全に停車するようにセッティングしている。

▲パイロットアシストにはエマージェンシーストップアシスト機能を追加する

▲パイロットアシストにはエマージェンシーストップアシスト機能を追加する

 パワートレインに関しては、B5系のエンジンをミラーサイクル化して燃費効率を従来比で約5%向上させたことが特徴。システムとしては48Vハイブリッドの1968cc直列4気筒DOHC16V直噴ガソリンインタークーラー付ターボエンジン(250ps/360Nm)+モーター(10kW/40Nm)+駆動用リチウムイオンバッテリー(容量8.4Ah)+電子制御8速ATギアトロニックで構成し、駆動方式はPlus B5が前2輪、Ultra B5 AWDが電子制御AWDを採用する。一方、Ultra T6 AWD Plug-in hybridにはプラグインハイブリッドの1968cc直列4気筒DOHC16V直噴ガソリンインタークーラー付ターボエンジン(253ps/350Nm)+モーター(前52kW/165Nm、後107kW/309Nm)+駆動用リチウムイオンバッテリー(総電力量18.8kWh)+電子制御8速ATギアトロニックを搭載し、駆動方式は電子制御AWDで仕立てている。

 

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