BMWが最新のデザインコンセプトモデル「Vision Neue Klasse」のSAVモデルを発表

BMWの近未来を予感させるデザインコンセプト「Vision Neue Klasse(ビジョン・ノイエ・クラッセ)」のSAVモデルとなる「Vision Neue Klasse X」が初公開。Neue Klasseの美学やテクノロジー、サステナビリティ、フィロソフィーをスポーツ・アクティビティ・ビークルの姿で具現化。革新的な駆動とシャシー制御によりダイナミックな走行性能や効率性の向上も達成

 独BMWグループは2024年3月21日(現地時間)、BMWの近未来を示唆するデザインコンセプト「Vision Neue Klasse」のSAVモデルとなる「Vision Neue Klasse X(ビジョン・ノイエ・クラッセ・エックス)」を発表した。

▲BMWがデザインコンセプト「Vision Neue Klasse」のSAVモデルとなる「Vision Neue Klasse X」を初公開。近未来のXモデルの姿を明示する

▲BMWがデザインコンセプト「Vision Neue Klasse」のSAVモデルとなる「Vision Neue Klasse X」を初公開。近未来のXモデルの姿を明示する

 

 BMWは2023年1月に米国ネバダ州ラスベガスで催された家電エレクトロニクスショー「CES2023」において、2025年にデビュー予定の「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ=ニュー・クラスの意。BMWでは1962年に発売した新しい4ドアサルーンの1500で初めてこの呼称を使用)」の実現に向けた新たなマイルストーンとなる新型EVセダンのコンセプトモデル「i Vision Dee(iビジョン ディー)」を発表し、同年9月開催のIAAモビリティ2023、さらに10月開催のジャパンモビリティショー2023ではその発展型となる「Vision Neue Klasse(ビジョン・ノイエ・クラッセ)」を披露する。そして今回、そのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)モデルとなる「Vision Neue Klasse X」を初公開した。

▲Vision Neue Klasse X(写真・右)は新世代4ドアセダンのVision Neue Klasse(同・右)と同様、BMWにおける今後の電動化、デジタル化、循環性という中核分野における革新能力を結集した新世代モデルに位置する

▲Vision Neue Klasse X(写真・右)は新世代4ドアセダンのVision Neue Klasse(同・右)と同様、BMWにおける今後の電動化、デジタル化、循環性という中核分野における革新能力を結集した新世代モデルに位置する

 

 Vision Neue Klasseの特徴である新世代の電動化、デジタル化、循環性などに加えて、アクティブなライフスタイルや効率性の高いダイナミクス、ドライビングプレジャー(駆けぬける歓び)を創出した、近未来のXモデルの姿を示唆するVision Neue Klasse Xは、パワートレインに第6世代のBMW eDriveテクノロジーを搭載したうえで、新開発の駆動およびシャシー制御を採用する。新たに設計したソフトウェアスタックには、4つの新スーパー・ブレーンで構成する高性能コンピュータを導入。パワートレイン全体とドライビングダイナミクスが一体化し、最大10倍のコンピューティング能力を発揮する。また、2つめのスーパー・ブレーンでは自動運転化の飛躍に貢献。さらに今後は、4つの主要コントロールユニットを1つの高性能コンピュータに統合し、ダイナミックな性能、正確性、効率性、そして駆けぬける歓びをいっそう向上させるという。好みのサウンドが堪能できる新開発のBMW iDriveを採用したことも、Vision Neue Klasse Xの訴求点だ。

 BMW eDriveテクノロジー自体は、改良されたe-driveユニットに加え、これまでの角形バッテリーよりも体積エネルギー密度を20%向上した新しい円形リチウムイオンバッテリーを搭載。これを800Vへ移行したシステムと組み合わせることで、充電速度が最大30%改善し、合わせて300kmの航続距離に必要な電気をわずか10分で充電することができる。また、航続距離は最大30%延長。さらに、現行ラインアップの同等モデル比でドラッグを20%低減するなど、エアロダイナミクス性能の向上を果たした。そして、足もとには電気自動車向けの新しいデザインのタイヤ(サイズは前275/35ZR22、後295/35ZR22)と新造形のホイール、回生能力を高めた特別なブレーキシステムを配備し、全般的な効率性を最大25%高めている。

▲パワートレインには第6世代のBMW eDriveテクノロジーを搭載。高効率の電気モーターに、従来の角型セルよりエネルギー密度を20%以上高めた新開発の円型バッテリーセルを組み合わせて、航続距離を最大30%延長する

▲パワートレインには第6世代のBMW eDriveテクノロジーを搭載。高効率の電気モーターに、従来の角型セルよりエネルギー密度を20%以上高めた新開発の円型バッテリーセルを組み合わせて、航続距離を最大30%延長する

▲800Vへ移行したシステムと新バッテリーを搭載して、充電速度を最大30%改善。合わせて300kmの航続距離に必要な電気をわずか10分で充電する

▲800Vへ移行したシステムと新バッテリーを搭載して、充電速度を最大30%改善。合わせて300kmの航続距離に必要な電気をわずか10分で充電する

▲新開発の駆動およびシャシー制御を採用。新たに設計したソフトウェアスタックには、4つの新スーパー・ブレーンで構成する高性能コンピュータを導入。パワートレイン全体とドライビングダイナミクスが一体化し、最大10倍のコンピューティング能力を発揮する

▲新開発の駆動およびシャシー制御を採用。新たに設計したソフトウェアスタックには、4つの新スーパー・ブレーンで構成する高性能コンピュータを導入。パワートレイン全体とドライビングダイナミクスが一体化し、最大10倍のコンピューティング能力を発揮する

 

 エクステリアに関しては、必要なもの以外を削ぎ落とすというNeue Klasseのシンプルなデザイン言語と、BMW Xモデルが有する2ボックスデザインを高度に融合させたことがトピックだ。基本フォルムはグランドクリアランスをより高くしたアーキテクチャーや長いホイールベース、短いオーバーバンクなどによってBMWの典型的なSAVプロポーションを構築するとともに、モノリシック(一体型表面)な面構成を採用して、シームレスかつすっきりとしたルックスを具現化する。各部のデザインにもこだわり、フロントビューは縦に並んだ新造形のLEDライトシグネチャーやバックライト付き縦型フレームとともに立体感のある彫刻的な造形に仕上げたキドニーグリルを配して、先進的で存在感あふれるマスクを創出。また、ヘッドライトとキドニーグリルが連動して作り出す照明効果は、ドライバーの車両接近によって起動し、インテリアにまで広がる。一方でリアセクションは、パワフルでアスリートのような印象を強調。中心部の奥まで届くリアコンビネーションランプは、既存のL字型に水平的な要素を加えたデザインに刷新し、合わせて可変式の光強度が個別に制御される3Dプリントエレメントを内蔵して、表現力豊かな深いエフェクトを演出した。色彩にも工夫を凝らし、エクステリアの輝くようなガラス製のサーフェスと鮮やかなコーラルシルバーのペイントワークによって、軽やかさやスポーティさを創出。また、サイドウィンドウ後方に配するBMWの伝統的なホフマイスターキンクには、クロームの縁取りではなく、眺める角度によって透明あるいは反射面になる“反射プリント”を採用して、Neue Klasse Xならではの個性を強調した。

▲エクステリアは必要なもの以外を削ぎ落とすというNeue Klasseのシンプルなデザイン言語と、BMW Xモデルが有する2ボックスデザインが高度に融合する

▲エクステリアは必要なもの以外を削ぎ落とすというNeue Klasseのシンプルなデザイン言語と、BMW Xモデルが有する2ボックスデザインが高度に融合する

▲フロントビューは縦に並んだ新造形のLEDライトシグネチャーやバックライト付き縦型フレームとともに立体感のある彫刻的な造形に仕上げたキドニーグリルを配して、先進的かつ存在感あふれるマスクを創出

▲フロントビューは縦に並んだ新造形のLEDライトシグネチャーやバックライト付き縦型フレームとともに立体感のある彫刻的な造形に仕上げたキドニーグリルを配して、先進的かつ存在感あふれるマスクを創出

▲中心部の奥まで届くリアコンビネーションランプは既存のL字型に水平的な要素を加えたデザインに刷新し、合わせて可変式の光強度が個別に制御される3Dプリントエレメントを内蔵して、表現力豊かな深いエフェクトを演出する

▲中心部の奥まで届くリアコンビネーションランプは既存のL字型に水平的な要素を加えたデザインに刷新し、合わせて可変式の光強度が個別に制御される3Dプリントエレメントを内蔵して、表現力豊かな深いエフェクトを演出する

▲足もとには電気自動車向けの新デザインのタイヤ(サイズは前275/35ZR22、後295/35ZR22)に新造形のホイールを組み合わせる

▲足もとには電気自動車向けの新デザインのタイヤ(サイズは前275/35ZR22、後295/35ZR22)に新造形のホイールを組み合わせる

 

 インテリアについては、大型のウィンドウエリアとパノラミックガラスルーフを配して室内へ自然光を注ぎ入れるとともに、温かみのある色調のクロスを室内の各部に張って、印象的かつ開放感のあるキャビン空間を実現。また、照明効果はアンビエントライトだけではなく、インストルメントパネルのバックライト付クロスの表面にまで及ぶ。さらに、センターディスプレイとインストルメントパネルを一体化し、前席乗員がすべてのインフォテインメント機能を最適に操作することを可能とした。そして、乗員にパーソナルサウンドエクスペリエンスを提供する新しいHYPERSONXホイールを新採用。リアルタイムで生成され、HYPERSONXホイールを指で軽く叩いて調整できるこの革新的なサウンドは、没入感の高い包括的なユーザー体験を演出し、Neue Klasse Xのキャビン空間をパーソナルな体験空間へと転換させる。

 シートポジションに関してはやや高めに設定し、前方視界に優れたゆったりと安心できるドライビングエクスペリエンスを確保。また、再設計したマルチファンクション付ステアリングホイールや直感的なタッチ操作機能のセンターディスプレイ、BMWパノラミックビジョンに、BMWインテリジェントパーソナルアシスタントの先進的なボイスコントロールが相まって、乗員とクルマをつなぐ扱いやすい直感的なインターフェイスを実現する。BMWパノラミックビジョンは、フロントウィンドウの全幅に主要な情報を投影。Neue Klasse Xの市販モデルでは、アップデートされたBMW 3Dヘッド アップディスプレイも装備する予定である。

 インテリアに省資源プランに沿った材料を拡大展開した点も見逃せない。使用材料は100%植物と鉱物由来を原料とし、石油を一切使わずに製造する新開発のサーフェス用素材を、ドアパネリング下部やセンターコンソールなどに採用。また、海洋プラスチックも初めて導入し、射出成形パーツの材料として使用する。一方で外装パーツのサイドスカートやフロントおよびリアエプロンといった付属品にも単一のリサイクル素材を導入して、省資源化とリサイクル性の向上を図っている。

▲大型のウィンドウエリアとパノラミックガラスルーフを配して室内へ自然光を注ぎ入れるとともに、温かみのある色調のクロスを各部に張って、印象的かつ開放感のあるキャビン空間を実現

▲大型のウィンドウエリアとパノラミックガラスルーフを配して室内へ自然光を注ぎ入れるとともに、温かみのある色調のクロスを各部に張って、印象的かつ開放感のあるキャビン空間を実現

▲センターディスプレイとインストルメントパネルを一体化し、前席乗員がすべてのインフォテインメント機能を最適に操作することを可能とする。BMWパノラミックビジョンはフロントウィンドウの全幅に主要な情報を投影。好みのサウンドが堪能できる新開発のBMW iDriveも装備

▲センターディスプレイとインストルメントパネルを一体化し、前席乗員がすべてのインフォテインメント機能を最適に操作することを可能とする。BMWパノラミックビジョンはフロントウィンドウの全幅に主要な情報を投影。好みのサウンドが堪能できる新開発のBMW iDriveも装備

▲シートポジションはやや高めに設定し、前方視界に優れたゆったりと安心できるドライビングエクスペリエンスを確保。内装材には省資源プランに沿った材料を拡大展開する

▲シートポジションはやや高めに設定し、前方視界に優れたゆったりと安心できるドライビングエクスペリエンスを確保。内装材には省資源プランに沿った材料を拡大展開する

▲ロングホイールベースを活かした広い足もと空間に、リビングのソファのようにくつろげるリアシートを配備

▲ロングホイールベースを活かした広い足もと空間に、リビングのソファのようにくつろげるリアシートを配備

 

 なお、BMWはNeue Klasse Xの市販モデルを、2025年からハンガリーのデブレツェン工場で生産すると予告。同工場はBMWのiFACTORY計画に基づき、世界のBMWグループ製造拠点の中で初めて化石燃料以外のエネルギーのみで稼働する工場に昇華しているという。

 

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