BMWがノイエ・クラッセの実現に向けた新たなマイルストーンとなる新型EVセダンの「i Vision Dee」を米国で披露

BMWが米国ラスベガスで開催されたCES2023で次世代スポーツセダンとなるBEVコンセプトモデルの「i Vision Dee」を公開。先進のヘッドアップディスプレイと連携して車両のセントラルコントロールを実現する「BMW Mixed Reality Slider」を採用

 BMWグループは2023年1月5日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスで1月5日~8日に開催された家電エレクトロニクスショー「CES2023」において、新型EVセダンのコンセプトモデル「i Vision Dee(iビジョン ディー)」を初公開した。

▲BMWがCES2023で次世代スポーツセダンのBEVコンセプトモデル「i Vision Dee」を初公開。2025年にデビュー予定の「ノイエ・クラッセ」のマイルストーンに位置する

▲BMWがCES2023で次世代スポーツセダンのBEVコンセプトモデル「i Vision Dee」を初公開。2025年にデビュー予定の「ノイエ・クラッセ」のマイルストーンに位置する

 

 i Vision Deeは、デジタルモビリティの未来へ向けたBMWのビジョンを示唆する次世代のミッドサイズEVセダンだ。「Dee」という名称は「Digital Emotional Experience(デジタルエモーショナルエクスペリエンス、デジタルな感動体験)」の略で、ユーザーの感性と対話しながら現実世界と仮想現実をつなぐ、デジタル・コンパニオンとしての役割を果たすクルマであることを意味。また、2025年にデビュー予定の「ノイエ・クラッセ(ニュー・クラスの意。BMWでは1962年に発売した新しい4ドアサルーンの1500で初めてこの呼称を使用)」へと続く、重要なマイルストーンとなるコンセプトモデルに位置している。

▲車名の「Dee」は「Digital Emotional Experience」の略。ユーザーの感性と対話しながら現実世界と仮想現実をつなぐ、デジタル・コンパニオンとしての役割を果たすクルマであることを意味する

▲車名の「Dee」は「Digital Emotional Experience」の略。ユーザーの感性と対話しながら現実世界と仮想現実をつなぐ、デジタル・コンパニオンとしての役割を果たすクルマであることを意味する

 

 エクステリアは余分な要素をそぎ落としていく新しいデザイン言語を採り入れた、新進の3ボックスデザインを採用。具体的には、デジタルサーフェスによって統合されたツインサーキュラーヘッドライト/キドニーグリル/ホフマイスターキンクや、大径タイヤを覆う力強いフェンダーライン、ミニマリズムが貫かれたリアビューなどによって、先鋭的かつエモーショナルなセダンスタイルを構築する。また、ヘッドライトおよび周辺のサーフェスが目のように模様を変え、まばたきなどで喜怒哀楽を表すユニークな演出を導入。さらに、ドライバーのアバター画像をサイドウインドウに投影して、ウェルカムシナリオをさらにパーソナライズすることも可能とした。

▲余分な要素をそぎ落としていく新しいデザイン言語を採り入れた、新進の3ボックスデザインを採用。フロントマスクにはデジタルサーフェスによって統合されたツインサーキュラーヘッドライト/キドニーグリル/ホフマイスターキンクを配する

▲余分な要素をそぎ落としていく新しいデザイン言語を採り入れた、新進の3ボックスデザインを採用。フロントマスクにはデジタルサーフェスによって統合されたツインサーキュラーヘッドライト/キドニーグリル/ホフマイスターキンクを配する

 

 一方、ボディカラーにはE Inkテクノロジーを導入する。ボディ表面にはePaperフィルムを貼り、ここに電子インクのE Inkを設置。携帯アプリを使って電気信号を送ると、電気泳動技術によって異なる色素が表面に現れ、色彩および模様が変化して、ボディカラーが切り替わる。昨年のCESで披露したiX Flowでは黒と白のみだったが、i Vision Deeでは最大32色の変化が可能。表面のラッピングは240のセグメントに分割しており、それぞれ個別に制御すれば多様なカラーパターンの選択できる。

▲ボディカラーには最大32色の変化が可能なE Inkテクノロジーを導入。表面のラッピングは240のセグメントに分割しており、それぞれ個別に制御すれば多様なカラーパターンの選択できる

▲ボディカラーには最大32色の変化が可能なE Inkテクノロジーを導入。表面のラッピングは240のセグメントに分割しており、それぞれ個別に制御すれば多様なカラーパターンの選択できる

 

 インテリアについては、デジタル化とともに操作装置や表示装置の簡素化を図り、デジタル体験や新感覚のドライビングプレジャーを邪魔するものがないように配慮。ステアリングホイールは中央に縦長のスポークを配した斬新なデザインで、近づいたり触れたりするとタッチポイントがアクティブになり、親指で操作できる。このフィジカルタッチポイントがフロントウインドウに投影されるコンテンツを選択する操作装置となり、ヘッドアップディスプレイとともに「手はハンドルに、目は道路に」の原則をサポートする。また、先進のヘッドアップディスプレイと連携して車両のセントラルコントロールを実現する先進技術の「BMW Mixed Reality Slider」を採用。ダッシュボードに配した「シャイテック」センサーを使って、ドライバーはヘッドアップディスプレイにどの程度のデジタルコンテンツを表示するのかを自分で決めることができる。ステップとしては、アナログから運転関連情報、通信システムの内容、拡張現実の投影、そして仮想世界へのアクセスまで、5 つの段階を設定。同時に、調光可能なウインドウを使って、現実を徐々にフェードアウトさせることもできる。追加のツールを必要とせず、様々な感覚に働きかける没入型の方法で複合現実(Mixed Reality)が体験できるBMW Mixed Reality Sliderは、新次元のドライビングプレジャーを創出する技術として、今後さらに進化していくことだろう。なお、フロントウインドウの全幅に投影して、可能な限り大きな面積に情報を表示する新しいヘッドアップディスプレイに関しては、2025年に登場予定の「ノイエ・クラッセ」に採用する予定である。

▲ダッシュボードに配した「シャイテック」センサーを使って、ドライバーはヘッドアップディスプレイにどの程度のデジタルコンテンツを表示するのかを自分で決めることが可能。アナログから運転関連情報、通信システムの内容、拡張現実の投影、そして仮想世界へのアクセスまで、5 つステップを設定する

▲ダッシュボードに配した「シャイテック」センサーを使って、ドライバーはヘッドアップディスプレイにどの程度のデジタルコンテンツを表示するのかを自分で決めることが可能。アナログから運転関連情報、通信システムの内容、拡張現実の投影、そして仮想世界へのアクセスまで、5 つステップを設定する

▲ステアリングホイールは中央に縦長のスポークを配した斬新なデザインで、近づいたり触れたりするとタッチポイントがアクティブになる

▲ステアリングホイールは中央に縦長のスポークを配した斬新なデザインで、近づいたり触れたりするとタッチポイントがアクティブになる

▲フロントシートのアームレスト先端部にPなどを設定するコントロールスイッチを配備

▲フロントシートのアームレスト先端部にPなどを設定するコントロールスイッチを配備

▲シートはサポート性を高めたうえでサステナビリティに配慮した素材を採用

▲シートはサポート性を高めたうえでサステナビリティに配慮した素材を採用

▲新しいヘッドアップディスプレイは2025年に登場する「ノイエ・クラッセ」に採用する予定

▲新しいヘッドアップディスプレイは2025年に登場する「ノイエ・クラッセ」に採用する予定

 

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