【最新モデル試乗】レガシィの伝統を継承したフラッグシップSUV、最新アウトバックの光る完成度

SUBARUレガシィ・アウトバックXブレイクEX アウトバックはワゴン派生のクロスオーバー 定評の4WD機構でタフな走りに対応 最低地上高は213mmの設定 日本仕様は1.8リッターターボ(177ps)搭載
SUBARUレガシィ・アウトバックXブレイクEX アウトバックはワゴン派生のクロスオーバー 定評の4WD機構でタフな走りに対応 最低地上高は213mmの設定 日本仕様は1.8リッターターボ(177ps)搭載

SUBARUレガシィ・アウトバックXブレイクEX  価格:CVT  414万7000円 試乗記

アウトバックはSUBARUのフラッグシップSUV

 レガシィ・アウトバックは、いまやSUBARU(スバル)のフラッグシップだ。新型のボディサイズは全長×全幅×全高4870×1875×1670mm。主要マーケットの北米ではごく当たり前の大きさだが、日本で目にすると堂々たる佇まいである。

 北米仕様は、トレーラー牽引など特有の使い方を踏まえて自然吸気の2.5リッターもしくはターボ付きの2.4リッターと、スバルの中でも大きな排気量を選んで搭載している。
 対して日本仕様は、最新のリーンバーン燃焼を行う1.8リッターの直噴ターボ(177ps/300Nm)を採用。CVTと組み合わせる。

 ひと昔前であれば大柄なボディとの対比で走りの力感が心配になるところだが、実力はハイレベル。今回の長距離クルーズでも、物足りなさを覚えるシーンには遭遇しなかった。街中はもちろん、高速道路やワインディングでも、ドライバーが望むペースを保てるのはうれしい。常時、高い静粛性をキープする点にも感心した。

 アウトバックとして初めて採用した「スバルグローバルプラットフォーム」によるボディ全体の剛性アップを筆頭に、各ガラス厚の最適化、吸音・遮音材の適正採用、そしてエアロダイナミクス性の向上が、複合的に効果を発揮しているに違いない。

走行性能はハイレベル 雪道でも安定したフットワークを披露 まさにオールラウンダー
走行性能はハイレベル 雪道でも安定したフットワークを披露 まさにオールラウンダー
全長×全幅×全高4870×1875×1670mm 大柄だが取り回し性は意外に良好 最小回転半径5.5m
全長×全幅×全高4870×1875×1670mm 大柄だが取り回し性は意外に良好 最小回転半径5.5m
1795cc水平対向4DOHC16Vターボ 177ps/300Nm レヴォーグ用と共通の最新仕様 旧型2.5リッター比2ps/65Nmパワフル
1795cc水平対向4DOHC16Vターボ 177ps/300Nm レヴォーグ用と共通の最新仕様 旧型2.5リッター比2ps/65Nmパワフル
ルーフレールは重量物の積載にも対応したラダータイプ標準
ルーフレールは重量物の積載にも対応したラダータイプ標準

各部は上質な作り。アイサイトEXの高い完成度も素晴らしい

 試乗車は、アウトドア志向のXブレイクEX。上級仕様のリミテッドと比較するとハンズフリーパワーリアゲートがオプションとなり、シート地は撥水性ポリウレタン(本革は未設定)。それでもゴージャスな雰囲気は十分に味わえるし、フロント/リアのパンパーガードはもとより、各部がブラック化され精悍な印象がアップしている。「こちらのほうが好み」というユーザーも少なくなさそうだ。Xブレイクは、雪道や悪路に対応するX-MODEが2モード式(リミテッドは1モード式)になるのもポイントである。

 全車に標準装備される、高精度マップを活用した運転支援システム「アイサイトX」の完成度も高い。基本の「アイサイト」と同様の全車速追従機能付きクルーズコントロールは、「余計なお世話」感の少ない使えるアイテム。他メーカーのこの種の機能と比較しても安心感は上回る。
 今回は活用するシーンがなかったものの、自動車専用道路上での「渋滞時ハンズオフ機能」も、そのありがたみは容易に想像ができる。

 新たな骨格とさまざまな新機能を手に入れた新型アウトバックは、名実ともに「スバルのフラッグシップ」と呼ぶにふさわしい1台だった。洗練された走行性と、伝統の4WDシステムが生み出すオールラウンド性を、ワゴン派生のクロスオーバールックで包んだ個性派である。

インパネは11.6インチセンターディスプレイと12.3インチフル液晶メーターを採用した高機能設計 ドライバーの運転状況を見守るモニタリング機能を装備 安全運転をサポートする
インパネは11.6インチセンターディスプレイと12.3インチフル液晶メーターを採用した高機能設計 ドライバーの運転状況を見守るモニタリング機能を装備 安全運転をサポートする
シートは前後とも大型仕様 居住性&乗り心地良好 XブレイクEXのシート地は防水性を高めたポリウレタン仕様 室内長1840mm
シートは前後とも大型仕様 居住性&乗り心地良好 XブレイクEXのシート地は防水性を高めたポリウレタン仕様 室内長1840mm
メーターはフル液晶 標準(写真)/地図/アイサイトモードが選べる
メーターはフル液晶 標準(写真)/地図/アイサイトモードが選べる
X-MODEはヒルディセントコントロール付き Xブレイクは2モード式
X-MODEはヒルディセントコントロール付き Xブレイクは2モード式
センターディスプレイはスマホ感覚の操作性 アップルカープレイ&アンドロイドオート対応
センターディスプレイはスマホ感覚の操作性 アップルカープレイ&アンドロイドオート対応
ACCの制御は的確 高速道路の渋滞時にハンズフリードライブが可能
ACCの制御は的確 高速道路の渋滞時にハンズフリードライブが可能
ラゲッジは後席使用時561リッターの大容量 後席は荷室側から倒せる サブトランクはトノカバーを格納できる設計 ハンズフリーリアゲートはop
ラゲッジは後席使用時561リッターの大容量 後席は荷室側から倒せる サブトランクはトノカバーを格納できる設計 ハンズフリーリアゲートはop

SUBARUレガシィ・アウトバック 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=XブレイクEX
価格=8CVT 414万7000円
全長×全幅×全高=4870×1875×1670mm
ホイールベース=2745mm
トレッド=フロント:1570×リア:1600mm
最低地上高=213mm
車重=1680kg
エンジン=1795cc水平対向4DOHC16Vターボ(レギュラー仕様)
最高出力=130kW(177ps)/5200〜5600rpm
最大トルク=300Nm(30.6kgm)/1600〜3600rpm
WLTCモード燃費=13.0km/リッター(燃料タンク容量63リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:9.6/13.7/14.7)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/60R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
主な燃費改善対策:アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/自動無段変速機
主要装備:アイサイトXテクノロジー(渋滞時ハンズオフアシスト+渋滞時発進アシスト+アクティブレーンチェンジアシスト+カーブ前速度制御+料金所前速度制御+ドライバー異常時対応システム)/アイサイトコアテクノロジー(プリクラッシュブレーキ+緊急時プリクラッシュステアリング+後退時ブレーキアシスト+AT誤発進抑制装置+ツーリングアシスト+全車速追従機能付きクルーズコントロール+車線逸脱抑制機能ほか)/アイサイトセーフティプラス(スバル・リアビークルディテクション+エマージェンシーレーンキープアシスト+アレイ式アダプティブドライビングビーム+デジタルマルチビューモニターほか)/ドライバーモニタリングシステム/コネクティッドサービス(SUBARUスターリンク)/アクティブトルクスプリットAWD/XーMODE(2モード式)/フルLEDロー&ハイビーム/シルバーステッチ本革巻きステアリング/12.3インチフル液晶メーター/11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム/前席電動調節機構付き撥水性ポリウレタンシート/前後席シートヒーター/ウェルカムライティング/ブラック塗装フロントグリル/前後バンパーガード/サイドクラッディング/ラダータイプルーフレール
主要メーカーop:ハンズフリーパワーリアゲート+ハーマンカードンサウンドシステム+サンルーフ31万9000円
ボディカラー:マグネタイトグレーメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は9920円

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